2022年01月28日
実は同じ魚!?清流の女王「ヤマメ」の不思議な生態
清流の女王とも呼ばれる「ヤマメ」。
河川残留型は「ヤマメ」、降海型は「サクラマス」に分けられます。
沢山いる魚の中でも、ヤマメの生態はとっても不思議。
そんな、不思議で複雑なヤマメの生態を紹介します。
「ヤマメ」と「サクラマス」は同じ魚!?
この時期は、全国のほとんどの渓流が禁漁期間ですよね。
でも、地域によっては自然河川でトラウトが狙えるフィールドも意外とあります。
北海道では、“海サクラマス”と言って、遡上のために戻ってきたサクラマスを狙うこともできます。
実は、「ヤマメ」と「サクラマス」は同じ魚。
基本的には、河川残留型(陸封型)がヤマメ、降海型がサクラマスに分けられます。
しかし、このヤマメという魚、とても不思議で複雑な生態をしています。
例えば、北海道と関東でも違う
出典・illustAC
同じ魚なのに、北海道と関東で生態が違います。
●北海道のヤマメの場合
生後約1年半で降海型は海へと下り、約1年を海で生活します。
その後、2歳半の春になると生まれた川へ遡上。
約3歳になる秋に産卵をして、一生を終えます。
●関東のヤマメの場合
生後約1年で降海型は海へ下ります。
そして、約半年ほど近海を回遊しながら成長し、1歳半の春に川へ戻る。
約2歳になる秋に産卵をし、生涯を終えます。
降海型の割合も違う
出典・photoAC
北海道と関東では約1年間の成熟の違いがあるサクラマス。
生態が違うだけでなく、北海道と関東では“降海型の割合”も違ってきます。
●北海道のヤマメ
約75%が降海しサクラマスとなります。
残りの25%がヤマメとして川に残ります。
この25%は、ほぼオスの個体。
降海型の約50%がメスで、25%がオスの個体のようです。
●関東のヤマメ
降海してサクラマスとなるのは5%ほどで、ほとんどの魚(95%)が河川残留型であるヤマメになる。
サクラマス・ヤマメのどちらも、オスとメスが混在する。
ヤマメが降海する理由としては、弱い個体が縄張り争いや生存競争に負けて海に下ると言う説や、海に降りた方がエサの豊富さや環境の良さで生存率が上がるなどの説があります。
川に残った清流の女王は?
出典・photoAC
ヤマメはパーマークが、降海型のサクラマスは美しい銀色の鱗が特徴です。
また、本流で成長するヤマメにも、銀毛し大型化した本流ヤマメやモドリヤマメと呼ばれる魚もいます。
他にも、湖沼型のサクラマスもいます。
本当に、複雑で面白い生態をしていますよね。
不思議だから面白い
同じ魚なのに地域で生態が全然違う。
なんとも不思議で複雑な生態をしているヤマメ。
本当に謎が多い魚ですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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