『週刊文春』の報道によれば、2006年4月に亡くなった種雄さんと当時、結婚していたのが、木原官房副長官の現在の妻「X子さん」だ。種雄さんの死は当初、ナイフによる自殺の可能性が高い不審死として処理され、コールド・ケース(長期間、解決していない事件・迷宮入り事件)になっていた。そして12年後の2018年、ナイフの血のつき方が不自然だとの指摘があり、再捜査がスタートしていた。
「しかし、記事によると、この再捜査は1年足らずで突如、縮小されました。種雄さんが亡くなった当初、X子さんはY氏という男性と親密になっていたといいますが、事件当日、Y氏の自家用車が現場方向に向かっていたことが判明。さらに、事件後、別件で収監されていたY氏はたび重なる事情聴取に対し『事件当日、X子が種雄を殺したと、自分に告白してきた』という旨の自白をしていたと報じられています。こうした状況の転換があったにもかかわらず、なぜ捜査は縮小されたのか……。
X子さんは、事件後に働いていた高級クラブで木原氏と出会い、2人の間には2014年10月ごろに女児が誕生。前後して籍を入れていました。『週刊文春』の取材によれば、『自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルは上がり、より慎重になった』と、当時の捜査員が口をそろえたといいます」(週刊誌記者)
種雄さんの遺族は、上申書を提出したことを受け、7月20日に会見を開いた。種雄さんの父は「私は、ただ真実が知りたいのです」「再捜査をお願いします」と、ときおり涙ぐみながら、警察への思いを寄せた。今後、警察があらためて遺族から事情を聞く予定があるという。
本誌が、遺族の代理人である今給黎泰弘(いまぎれやすひろ)弁護士に話を聞くと、このような展望を語った。
「再捜査がされない場合、今後の遺族の意向によっては民事での訴えを(編集部注:X子さんに)起こす可能性もあります。
少なくとも、途中で捜査が止まってしまった現状には、なんらかの力が働いているのではないかという不信感を持っています。私としては、再捜査が進むように、警察と遺族とは良好な関係を築いていけるようにしようと思っています」
今回の上申書が契機となって、捜査が再開されることは厳しいとする声も、少なからずある。再捜査の可能性について、弁護士の若狭勝氏はこう話す。
「2018年、種雄さんが亡くなって12年たって、再捜査が始まりました。再捜査がおこなわれることは、通常ほとんどありません。それでも当時、再捜査が始まったということは、なんらかの疑いが濃厚になったということでしょう。にもかかわらず捜査が急に尻すぼみになったというのは、あまりに不自然です。
ご遺族の方々は、本来なら上申書ではなく、刑事告訴をしたほうがいいかもしれません。会見した父親は、亡くなった種雄さんの発見者でもあるので、当時の状況をあらためて文書化して、証拠として出し、それをもとに刑事告訴できるでしょう。被疑者はわからないので、被疑者不詳で、殺人での刑事告訴になると思いますが、それでも受理されて、捜査が再開される可能性が高い。刑事告訴をすれば、よっぽどのことがない限り警察は受理せざるを得ません。再捜査が縮小されている現状よりも、よっぽど捜査がしやすいのです。
さらに、検察が調べたうえで不起訴にした場合は、今度は検察審査会に、不起訴処分は不当だと申し立てもできます。ご遺族は今後、そういった手順を踏んでいったほうがいいと思います。殺人の場合は時効の壁がないので、急いで刑事告訴しなくてもいいですから、新たな証拠を発見するのは厳しいかもしれませんが、関係者の調べもあらためてできます」
遺された家族が求めているのは、真相の究明、ただひとつだ。
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