夏から続く永田町ドタバタ劇もいよいよ終幕か。看板役者は味のある与野党トップになるはずだったが、いつしか新顔に人気をさらわれた。この筋書きなきドラマをながめ、想起するのはかつて非自民連立政権を誕生させた細川護熙元首相だ。久しぶりに殿の直言が聞きたくなった。
秋になり、舞台に躍り出たのは衆院選で大躍進し、党のイメージカラー、青と黄のストライプネクタイをしめ、テレビにひっぱりだこの国民民主党代表、玉木雄一郎さんである。新顔といっても衆院議員6期のベテラン。ふと気になって年齢を調べたら、55歳。くしくも1993年、細川さんが首相になったときと同じなのだ。「へえ、そうなの。4年ほど前だったか、このアトリエに発足したばかりの国民民主の議員3人ほどで来られてね。いろいろ話を聞かせてほしい、と。なかなか明晰(めいせき)な好青年だと思いましたよ」。