史上まれにみる大接戦が予想されているアメリカ大統領選。それはつまり、アメリカという国がわれわれ日本人の想像よりも遥かに深刻に分断してしまっていることを意味する。結末を見届けようとニューヨークで取材するジャーナリストの金平茂紀氏が解説する。
ハリスの「四重苦」とアメリカの分断
米ニューヨークに行く直前に、信頼している現地の2人の日本人ジャーナリストXさん、Yさんに事前予測をしてもらった。
Xさんは在米40年近く、米大統領選挙の変遷を体感してきた方だ。曰く、ハリスは四重苦を抱えている。経済政策の音痴ぶり、移民問題での無為無策、黒人男性層からの不人気、女性であること。この四重苦でトランプが優位に立っている、と。
激戦州のペンシルベニアもトランプがとるでしょう、これが決定的と。勝者が決まるタイミングも案外早いのではないか、というのがXさんの見立てだ。
Yさんも20年以上ニューヨークに暮らすジャーナリスト。Yさんの見方はXさんとはかなり異なる。今回の大統領選は大接戦で時々刻々と情勢が変化している。メディア界での世論調査の参照枠のようになってしまっているRealClearPoliticsの数字など当てにならないと言う。