2015年12月30日
ベトナムも中国の進出に備えて軍備の近代化
ベトナムも中国の進出に備えて軍備の近代化
前回に続いてベトナムのニュースです。やはり中国
の動きに注意して軍備を増強し、軍事的備えを開始
している模様です。これまで海軍はほぼ無に等しか
ったようですが、ロシアから潜水艦を6隻購入しま
した。現在はまだ訓練中です。海の守りを近代化す
るということです。
中国海軍とは2回衝突していますが、敗北していま
す。ベトナムは中国軍は相手が弱い状態の時は徹底
して攻撃することを身にしみて知っています。西沙
諸島では漁民が中国公船にいじめられています。
ベトナム漁船に体当たりして、漁船を沈没させる
こともあるということです。
最近では西沙諸島での中国の掘削活動にベトナムの
一般人が爆発して暴動が起きました。この暴動では
中国系の企業が被害を受けました。また、海底の通
信ケーブルが切断される事故が発生しています。原
因は発表されていません。世論を刺激したくない原
因と推測しています。
以下の報道記事からですが、中国国防省はベトナム
軍と友好的な関係と言っているようです。出ました
ね「友好」です。ベトナムは対中国という面からロ
シアとインドを重要視する外交を進めているようで
す。
陸続きの国境線もあり、ハノイから中国海軍の南シ
ナ海の基地海南島は500km以下です。何かにつ
けて慎重にならざるをえないベトナムですが、それ
なりに緊張感を持ち始めているようです。
過去の中国との関係や経済協力を見ながら、周りの
国の動きを見ながら、しかも実際の衝突も視野に入
れて、国防の近代化を進めている模様です。本当に
複雑な微妙な立場と思われます。
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焦点:軍備増強するベトナム、南シナ海で中国との衝突も視野
ロイター 12月18日(金)17時31分配信
[スアンマイ(ベトナム) 17日 ロイター] - 軍の近代化を加速させるベトナムは、南シナ海の領有権問題をめぐり中国との武力衝突を覚悟しているようだ。
10年にわたる軍の近代化は、ベトナム戦争が最も激しかった時代以降で最大規模の軍備増強となっている。
南シナ海で緊張が高まるなか、ベトナムの与党共産党の目標は中国の抑止にあるが、もしそれが失敗に終われば、全面的に自国を防衛できるようにすることだと、高官や彼らに近い人物はロイターに語った。
ベトナムの戦略は危機管理計画の域を超えている。主要な部隊は急襲回避の戦闘に備えた厳戒態勢をとっており、そのなかには山岳地の北部を守るベトナム陸軍最精鋭の「第308機械化歩兵師団」も含まれている。
ベトナムと中国は、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島と西沙(同パラセル)諸島で領有権を争っている。
「われわれは中国との衝突は望まないし、外交政策を信頼すべきだが、最悪の事態に備えなければいけないことも承知している」と、あるベトナム政府幹部は匿名を条件に話した。
だが、ベトナムがロシアからキロ型潜水艦6隻を購入し、ほぼゼロから海軍の抑止力を構築していることには大きな意味があるだろう。
この数カ月で、ロシアから購入した潜水艦の第一弾が南シナ海で哨戒活動を開始したと、ベトナムと他国の軍関係者は明らかにしている。
<第308歩兵師団>
首都ハノイ北西にある第308機械化歩兵師団の本部では、軍事的緊張が高まっているのは明らかだ。同師団はベトナムで最も古い師団であり、現在でもハノイへの北方経路を効果的に監視している。
「高戦闘態勢」といった言葉や「新たな状況」への言及が、軍事基地を訪問する高官の講演や、ベトナム人民軍の刊行物のなかで増えている。
「ベトナムが『新たな状況』と言う場合、特に南シナ海における中国との武力衝突や戦闘の可能性が高まっていることを示すえん曲表現として使っている」と、1960年代後半からベトナム軍を研究するオーストラリア国防大学のカール・セイヤー教授は指摘する。
戦闘準備を進める一方で、これまであまり姿を見せなかった軍高官たちが幅広い戦略的パートナーと接触している。ロシアとインドは、高性能兵器の入手や、訓練、諜報協力における主な相手国となっている。
また、米国やその同盟国である日本やオーストラリア、フィリピンのほか、欧州やイスラエルとも関係を構築している。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の推定によると、ベトナムの軍事費拡大は、過去10年で他の東南アジア諸国を凌駕(りょうが)している。
「これは国家的記念日のパレードで使われているのではなく、実際の軍事能力構築に使われている」と、シンガポールにある国際戦略研究所(IISS)アジア事務所の地域安全保障専門家ティム・ハクスリー氏は指摘した。
<石油リグが火種に>
ベトナムも中国も共産党が支配し、政治的結び付きがあるものの、両国間には武力衝突の歴史や、長期にわたり不信感に覆われた過去がある。
最近では、昨年半ばに中国が領有権を争う海域に10週間、石油掘削装置(リグ)を設置し、ベトナム全土で反中暴動が起きた。
この石油リグ設置は、政治・軍事指導者らの間で中国の習近平国家主席への疑念を深めることになり、事態を一変させたと、ベトナム政府当局者は明かす。
「南シナ海がいかに危険であるか、われわれ全員が改めて思い知らされた」と、米海軍のある退役将校は話す。
中国の専門家によれば、1974年に西沙諸島の戦いでベトナムが中国に敗れて以降、ベトナムが南沙諸島に設置した20カ所以上の前哨基地に中国の軍事戦略家は長年、不満を抱いているという。
中国は、1988年の南沙諸島海戦でベトナムに勝利し、手に入れた岩礁に建設した人工島に3つの滑走路を建設している。
中国国防省はロイターに対し、同国とベトナム両国の軍は友好的で近い関係にあり、地域の平和のためにベトナムと協力することに労を惜しまないと書面で回答した。
<心理的な不安>
中国にとって重要な同国の海南島が新たな火種となる可能性もある。
中国は同島に原子力潜水艦隊を駐留させる予定であるほか、戦闘機や最新鋭の軍艦の多くがすでに周辺に存在する。この「南海艦隊」は、ベトナム北岸や、南シナ海とそれを超える海域へと出るのに不可欠な同国の領海に近く配備されている。
他国の軍使節らは、ベトナムの実際の軍事能力や、彼らが複雑な新兵器をいかにうまく統合しているかについて判断するのに苦労していると話す。
ベトナムの軍事戦略家は「最小限の信頼できる抑止力」の構築について語る。しかしそれは、海軍同士の対立であろうと、1400キロにわたる北部国境付近での攻撃であろうと、中国がベトナムに対して何らかの行動に出るリスクを高めている。
もし衝突が勃発すれば、ベトナム政府は南シナ海を通過する中国のコンテナ船や石油輸送船を攻撃目標にする可能性があると、前述のオーストラリア国防大学のセイヤー教授はベトナムの軍事戦略家の話として語った。
ベトナムの目的は自国に勝る中国軍に勝利することではなく、「中国に十分な損害と心理的不安を与えて、保険料率を跳ね上がらせ、外国人投資家をパニックに陥らせること」だと、セイヤー教授は先月にシンガポールで開催された会議で示した論文のなかで指摘している。
この記事に関してベトナム外務省にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
ロイター 18日(金)17時31分
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