2022年11月10日
オミクロン株ワクチンを比べると2 新冷戦(209)
オミクロン株ワクチンを比べると2
新冷戦(209)
新冷戦(209)
1からの続きです
オミクロン株対応の2つのワクチンのお話
に戻りましょう。ワクチンに用いられた成
分はすべて同じだということです。ウイル
ス株は違いますが、それ以外の成分は全て
同じなので、安全性から選ぶとしてもどち
らを選んでも安全ということです。
少し説明を加えますと、mRNAワクチンは
ウイルスの突起部分の設計図です。物質の
種類は動物の中にはよくある糖タンパクで
す。この段階でウイルスの増殖に関係ある
ような部分は一切動含まれていません。人
体に注射されるとヒトの細胞は設計図に基
づいてウイルスの突起部分の糖タンパクを
作るのですが、これを異物と認識して中和
抗体が産生されます。中和抗体は糖タンパ
クと結合して活動を封じ込めます。これで
免疫を獲得できたわけですね。本物のウイ
ルスが入ってきたとき、中和抗体がウイル
スの突起部分に結合して排除します。
オミクロン株のどちらのワクチンを接種す
るべきかですが、夏の感染「第7波」を思
い出し「第8波」を12月下旬あたりに予想
して、「第8波」に巻込まれたくない人は
できるだけ早めにワクチンを接種すること
にしましょう。例えばですが、最寄りの接
種会場で「BA.5」対応のワクチンを希望し
てもずっと先になるなら、その間に感染す
るかもしれません。
オミクロン株に感染すると9割近くの人が
発熱をします。そして半数は後遺症がでま
す。11月8日、9日と1日の新規感染者が8
万人を超えました。10万人の方向へ進んで
いるように見え、緊張しますね。オミクロ
ン株対応のワクチン接種者は920万人を超
えました。この数字からするとワクチン接
種会場はまだ混雑していないと思われます。
北海道の感染者数は9000人を超えました。
東京都より多いです。寒くなって室内の換
気をしなくなって増えたと説明されていま
す。こんなこともありますので、接種して
もらえるワクチンを注射してもらいましょ
う。3ヵ月を過ぎると次のワクチンを接種
できるということです。
竜巻・カンザス州
2022年4月のD4
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「オミクロン株ワクチン」〜BA.1、BA.5のどちらを受けたらいいか
配信
1からの続きです
4.2つのワクチンの効果と安全性
BA.1とBA.5のオミクロン株ワクチンを比較して、安全性に関しては両者に違いはありません。
ワクチンに用いたウイルス株は違いますが、それ以外の成分は全て同じなので、安全性からはどちらを選んでもいいでしょう。
ではワクチンの効果はどうなのでしょうか。BA.1ワクチンについては、ヒトに接種して中和抗体の変化を見たデータ(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000984866.pdf)が、ファイザー社、モデルナ社ともあり、BA.1型ウイルスに対する抗体は従来株ワクチンに比べて1.5〜2倍近くまで増加しています。
しかし、現在流行しているBA.5型ウイルスに対する抗体については、明確なデータがありません。
一方、BA.5ワクチンに関しては、ファイザー社がマウスに接種したデータ(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000999226.pdf)しか発表していません。
これによれば、BA.1型とBA.5型いずれのウイルスに対する中和抗体にも増加がみられます。
ワクチンの効果にはこうしたデータがあるのみで、BA.1ワクチンとBA.5ワクチンを直接比較したデータがないため、現時点で効果の優劣は分かりません。
しかし、免疫学の一般論から考えると、BA.5ワクチンを用いたほうが、現在流行しているBA.5型のウイルスには効果が高いように思います。
5.厚労省の説明と対応
厚生労働省も国民が混乱しないようにと、2つのワクチンに関する説明文書(https://www.mhlw.go.jp/content/000999261.pdf)を発表しています。
この文書には、第8波の流行前に「いずれのオミクロン株ワクチンでもよいから接種してほしい」と書かれています。
オミクロン株は従来株から大きく変化していますが、それに比べると、同じオミクロン株の中のBA.1型とBA.5型の変化は小さいものであり、どちらのワクチンでも効果に大きな差はないという見解です。
また、厚労省の自治体向け文書では、BA.5ワクチンを選ぶ人が増えることを憂慮してか、接種会場ではオミクロン株ワクチンとだけ明記し、BA.1かBA.5の明記は不要と記載しています。
この点は各自治体の判断になりますが、東京都の大規模接種会場の案内(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronavaccine/search/index.html)(10月21日時点)を見ると、各会場で使用するワクチンがBA.1かBA.5かまで詳しく記載されています。
6.接種できるワクチンを早めに受けておく
私の個人的な見解としては、BA.5ワクチンが受けられるなら、そちらを受けるほうが現在流行中のBA.5型ウイルスへの効果は高いと考えます。
しかし、BA.1ワクチンであっても、それに近い効果が得られるはずです。
また、いずれのオミクロン株ワクチンでも、感染予防効果は短期間で減衰しますが、重症化予防効果は長期にわたり持続すると考えられています。
結局のところ、BA.5ワクチンが接種できるまで待つということは避け、早めにいずれかのオミクロン株ワクチンの追加接種を受けておくことが、大切ではないかと思います。
なお、前回の本コラム「追加接種に『オミクロン株ワクチン』を待つべきか」(8月17日公開)では、第7波が流行する中、従来株ワクチンでもよいから追加接種を受けておくことを推奨しました。
こうした従来株ワクチンで追加接種を受けた人も、その接種日から3カ月が経過すればオミクロン株ワクチンの追加接種を受けることができます。
BA.1とBA.5のオミクロン株ワクチンを比較して、安全性に関しては両者に違いはありません。
ワクチンに用いたウイルス株は違いますが、それ以外の成分は全て同じなので、安全性からはどちらを選んでもいいでしょう。
ではワクチンの効果はどうなのでしょうか。BA.1ワクチンについては、ヒトに接種して中和抗体の変化を見たデータ(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000984866.pdf)が、ファイザー社、モデルナ社ともあり、BA.1型ウイルスに対する抗体は従来株ワクチンに比べて1.5〜2倍近くまで増加しています。
しかし、現在流行しているBA.5型ウイルスに対する抗体については、明確なデータがありません。
一方、BA.5ワクチンに関しては、ファイザー社がマウスに接種したデータ(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000999226.pdf)しか発表していません。
これによれば、BA.1型とBA.5型いずれのウイルスに対する中和抗体にも増加がみられます。
ワクチンの効果にはこうしたデータがあるのみで、BA.1ワクチンとBA.5ワクチンを直接比較したデータがないため、現時点で効果の優劣は分かりません。
しかし、免疫学の一般論から考えると、BA.5ワクチンを用いたほうが、現在流行しているBA.5型のウイルスには効果が高いように思います。
5.厚労省の説明と対応
厚生労働省も国民が混乱しないようにと、2つのワクチンに関する説明文書(https://www.mhlw.go.jp/content/000999261.pdf)を発表しています。
この文書には、第8波の流行前に「いずれのオミクロン株ワクチンでもよいから接種してほしい」と書かれています。
オミクロン株は従来株から大きく変化していますが、それに比べると、同じオミクロン株の中のBA.1型とBA.5型の変化は小さいものであり、どちらのワクチンでも効果に大きな差はないという見解です。
また、厚労省の自治体向け文書では、BA.5ワクチンを選ぶ人が増えることを憂慮してか、接種会場ではオミクロン株ワクチンとだけ明記し、BA.1かBA.5の明記は不要と記載しています。
この点は各自治体の判断になりますが、東京都の大規模接種会場の案内(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronavaccine/search/index.html)(10月21日時点)を見ると、各会場で使用するワクチンがBA.1かBA.5かまで詳しく記載されています。
6.接種できるワクチンを早めに受けておく
私の個人的な見解としては、BA.5ワクチンが受けられるなら、そちらを受けるほうが現在流行中のBA.5型ウイルスへの効果は高いと考えます。
しかし、BA.1ワクチンであっても、それに近い効果が得られるはずです。
また、いずれのオミクロン株ワクチンでも、感染予防効果は短期間で減衰しますが、重症化予防効果は長期にわたり持続すると考えられています。
結局のところ、BA.5ワクチンが接種できるまで待つということは避け、早めにいずれかのオミクロン株ワクチンの追加接種を受けておくことが、大切ではないかと思います。
なお、前回の本コラム「追加接種に『オミクロン株ワクチン』を待つべきか」(8月17日公開)では、第7波が流行する中、従来株ワクチンでもよいから追加接種を受けておくことを推奨しました。
こうした従来株ワクチンで追加接種を受けた人も、その接種日から3カ月が経過すればオミクロン株ワクチンの追加接種を受けることができます。
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