2021年11月29日
新型コロナ感染済もワクチン効果2 新冷戦(173)
新型コロナ感染済もワクチン効果2
新冷戦(173)
新冷戦(173)
1からの続きです
以下の報道記事内にある6】では新型コロ
ナに感染し、後遺症のある患者455人にワ
クチンを接種し、ワクチンを接種していな
い455人を比較すると、120日後の時点で
後遺症の症状がある人が減っていたという
ことです。現在ではこのワクチンの作用を
明確には説明できないということですが、
新型コロナの後遺症がワクチンで改善する
なら、唯一後遺症に効果のある薬剤になる
ということです。
このブログでは新冷戦の168と169で新型
コロナの後遺症を取り上げました。後遺症
の症状には倦怠感、味覚や嗅覚の障害を発
症するということだったのですが、髪の毛
が抜けるというのもありました。幅広く悪
いことをするウイルスと理解していました
が、新型コロナウイルスは免疫抗体によっ
て排除されているはずなのにどういうこと
なのだろうと思っていました。
新型コロナに感染したことがある人にいつ
頃ワクチンを接種すべきかということには
定まった見解はないということです。抗体
カクテル療法などの他の治療を受けた人は、
ワクチンの効果に影響する可能性から、治
療から90日以上空けることになっているそ
うです。結論としては、新型コロナに感染
したことがある場合も再感染のリスクがあ
り、ワクチン接種によってより強固な免疫
を得ることができます。積極的にワクチン
接種をご検討くださいということです。
日本国内の新型コロナの1日の新規感染者
は11月は300人以下で来ています。ワクチ
ン接種が進み感染拡大を防いでいると思わ
れます。しかしこれから12月になります。
師走というか忘年会シーズンというか、感
染拡大の危険性がすぐそばという気がしな
いでもありません。今までの経験から飲食
の会は大分控えられるとは思いますが、新
型コロナ第6波がありそうな心配も湧いて
きます。
アメリカやイギリスやドイツで新型コロナ
の新規感染が拡大しています。そんな中で
南アフリカから航空便で到着した人から変
異株のオミクロン株がヨーロッパのベルギ
ー、オランダ、イギリス、ドイツなどで見
つかています。デルタ株よりも感染力が強
く、ワクチンが効かないということです。
これらの国々ではクリスマスは1人残らず
1年の最大のお祭りをします。これを考え
ると12月は心配どころではありません。
どこもかしこも感染の危険が一杯と感じ
ざるをえません。もう心配では済まない
ような気がするので、よその国のことは
見ない聞かないようにして、新年まで何
も知らないのがいいでしょう。そうしま
しょう。
竜巻・モンタナ州
2018年6月の4
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
新型コロナに感染した人もワクチン接種をした方が良い理由 ワクチンが後遺症を改善するという報告も
忽那賢志感染症専門医
1からの続きです
5】新型コロナの既往のある人ではワクチン接種後の副反応は増える
一方で、副反応については、過去に感染したことがない人よりも局所の疼痛や倦怠感、発熱などの頻度が高かったようです。
新型コロナワクチンでは、1回目よりも2回目の接種の方が副反応が多いことが知られていますが、過去に感染したことがある人では、感染が初回接種と同じような免疫賦与の機会となり1回目の接種が非感染者にとっての2回目の反応と同様のことが起こるのだと考えると理解しやすいでしょう。
しかし、だからといって現時点では「過去に感染した人は1回の接種で十分である」というコンセンサスはなく、過去の既往に関係なく2回の接種が推奨されています。
6】後遺症に悩む人もワクチン接種で症状が改善したという報告
新型コロナの後遺症に悩まれている方も、ワクチン接種によって後遺症の症状が増悪することはなく、むしろ改善することが示唆されています。
・コロナ後遺症に悩む900人のアンケート調査では、ワクチン接種によって56.7%が症状が改善し、18.7%が悪化、24.6%が不変だった
・新型コロナの発症から8ヶ月を経過しワクチン接種した44人と接種しなかった22人とを比較したところ、ワクチン接種群の方が1ヶ月後に症状が改善人が多かった
・3週間以上症状が続いていたコロナ後遺症の患者のうち、ワクチン接種をした455人は、ワクチン接種をしていない455人と比べて登録から120日後時点で後遺症の症状のある人が減っていた
なぜワクチン接種によってコロナ後遺症の症状が改善するのかは十分に分かっていませんが、体内からウイルスが消失した後もウイルスの断片が免疫反応を刺激していたり、自己の免疫反応が続いていることによって後遺症の症状が出現しており、ワクチンはこれらの反応を抑える可能性がある、とする研究もあります。
現時点ではまだ十分なエビデンスとは言えませんが、ワクチン接種によって後遺症の症状が改善するのであれば、後遺症に有効である唯一の選択肢となります。
7】新型コロナに感染した人は、いつワクチンを接種すべきか?
新型コロナに感染した人がワクチンを接種すべき時期については、定まった見解はありません。
前述の通り、感染してから数カ月間は再感染するリスクは低いため、体調が整うまで待つことも選択肢ですが、退院した後や自宅療養が終わった後にはいつでも接種が可能です。
ただし、新型コロナに感染した際に抗体カクテル療法やソトロビマブなどのモノクローナル抗体の治療を受けた人は、ワクチンの効果に影響を与える可能性があることから、治療から90日以上空けることとなっています。
新型コロナワクチンは、2回目の接種をして14日間が経過すると十分な効果が得られます。
1回しか接種していない時点で感染してしまった人も、回復後に2回目の接種が推奨されます。
8】過去に新型コロナに感染した方もワクチン接種をご検討ください
以上のことから、過去に新型コロナに感染したことがある方も再感染のリスクがあり、ワクチン接種によってより強固な免疫を得ることができます。
後遺症の症状もワクチン接種によって悪化することはなく、むしろ改善する可能性もいくつかの研究から示唆されています。
ぜひ積極的にワクチン接種をご検討ください。
ワクチンを接種される場合は「コロナワクチンナビ」でお近くの接種できる施設についてご確認ください。
参考:COVID-19 immunity: Natural infection compared to vaccination
一方で、副反応については、過去に感染したことがない人よりも局所の疼痛や倦怠感、発熱などの頻度が高かったようです。
新型コロナワクチンでは、1回目よりも2回目の接種の方が副反応が多いことが知られていますが、過去に感染したことがある人では、感染が初回接種と同じような免疫賦与の機会となり1回目の接種が非感染者にとっての2回目の反応と同様のことが起こるのだと考えると理解しやすいでしょう。
しかし、だからといって現時点では「過去に感染した人は1回の接種で十分である」というコンセンサスはなく、過去の既往に関係なく2回の接種が推奨されています。
6】後遺症に悩む人もワクチン接種で症状が改善したという報告
新型コロナの後遺症に悩まれている方も、ワクチン接種によって後遺症の症状が増悪することはなく、むしろ改善することが示唆されています。
・コロナ後遺症に悩む900人のアンケート調査では、ワクチン接種によって56.7%が症状が改善し、18.7%が悪化、24.6%が不変だった
・新型コロナの発症から8ヶ月を経過しワクチン接種した44人と接種しなかった22人とを比較したところ、ワクチン接種群の方が1ヶ月後に症状が改善人が多かった
・3週間以上症状が続いていたコロナ後遺症の患者のうち、ワクチン接種をした455人は、ワクチン接種をしていない455人と比べて登録から120日後時点で後遺症の症状のある人が減っていた
なぜワクチン接種によってコロナ後遺症の症状が改善するのかは十分に分かっていませんが、体内からウイルスが消失した後もウイルスの断片が免疫反応を刺激していたり、自己の免疫反応が続いていることによって後遺症の症状が出現しており、ワクチンはこれらの反応を抑える可能性がある、とする研究もあります。
現時点ではまだ十分なエビデンスとは言えませんが、ワクチン接種によって後遺症の症状が改善するのであれば、後遺症に有効である唯一の選択肢となります。
7】新型コロナに感染した人は、いつワクチンを接種すべきか?
新型コロナに感染した人がワクチンを接種すべき時期については、定まった見解はありません。
前述の通り、感染してから数カ月間は再感染するリスクは低いため、体調が整うまで待つことも選択肢ですが、退院した後や自宅療養が終わった後にはいつでも接種が可能です。
ただし、新型コロナに感染した際に抗体カクテル療法やソトロビマブなどのモノクローナル抗体の治療を受けた人は、ワクチンの効果に影響を与える可能性があることから、治療から90日以上空けることとなっています。
新型コロナワクチンは、2回目の接種をして14日間が経過すると十分な効果が得られます。
1回しか接種していない時点で感染してしまった人も、回復後に2回目の接種が推奨されます。
8】過去に新型コロナに感染した方もワクチン接種をご検討ください
以上のことから、過去に新型コロナに感染したことがある方も再感染のリスクがあり、ワクチン接種によってより強固な免疫を得ることができます。
後遺症の症状もワクチン接種によって悪化することはなく、むしろ改善する可能性もいくつかの研究から示唆されています。
ぜひ積極的にワクチン接種をご検討ください。
ワクチンを接種される場合は「コロナワクチンナビ」でお近くの接種できる施設についてご確認ください。
参考:COVID-19 immunity: Natural infection compared to vaccination
感染症専門医
感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。『専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話』発売中ッ! ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp
感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。『専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話』発売中ッ! ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp
10/30(土) 13:59
終りまでお読み頂き、ありがとうございました
タグ:ニュース
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11123394
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック