2020年10月19日
独裁者を演じて票を狙う大統領 新冷戦(110)
独裁者を演じて票を狙う大統領
新冷戦(110)
新冷戦(110)
アメリカは4年に一度の大統領選挙で社会
全体が賑やかな時期になっています。選挙
の有利不利を言うとバイデン氏が有利のよ
うですが、トランプ氏も大統領への執着は
非常に大きく、あの手この手で追い上げた
いようです。効率がいいと考えているのか、
バイデン氏の個人攻撃を連発しているよう
です。以下はニューズウイークの記事です。
11月3日が投票日なのでこのブログも少し
大統領選挙のニュースを拾います。
新型コロナに感染したトランプ氏は入院中
は独断で外出し、車内から集まっていた支
持者たちに挨拶したということです。自己
判断で退院してホワイトハウスのバルコニ
ーで元気回復を演出したということです。
まさに独裁者のように振舞ったようです。
都合の悪い真実は拒絶するか他の人のせい
にするトランプ氏と言われているのですが、
それでも熱狂的支持者もいます。以下の記
事ではアメリカ社会が多様化へと変化する
中、反知性主義、人種差別主義の白人たち
は不安を抱えているということです。そう
いう中から信者とも言えるい熱狂的な人が
出ているということです。そうなると演出
だろうが無意味な誹謗中傷だろうが、トラ
ンプ氏の言うことすることに熱狂的な人々
が狂喜することになります。
アメリカの新型コロナの感染者数は800万
人を超え、死亡者は21万8000人を超えま
した。この数字は大統領選挙のトランプ氏
にとってはマイナスと言われています。ワ
クチンの開発で今までの無策を挽回しよう
とした発言もあったのですが、現実は投票
日までにはどのワクチンも間に合わないで
しょう。
物騒な話ですが、最近ミシガン州の知事を
誘拐拉致しようと計画していた武装グルー
プが摘発逮捕されました。ミシガン州の新
型コロナ対策は都市封鎖だったのですが、
規制が厳しすぎると反対する住民もいまし
た。トランプ大統領やホワイトハウスはミ
シガン州の女性知事グレッチェン・ウィッ
トマー氏を繰り返し非難しています。この
知事は民主党であり、この時期を考えると
もっと複雑かもしれません。ミシガン州は
激しい争いの激戦州と言われています。
トランプ氏は大統領選挙を狙って国民の注
意が知事に向かうのを邪魔して、自分の発
言に注意が集めたかった可能性もあります。
では誘拐拉致を計画したグループはどうな
んでしょう。ウイルスなどは何も考えるこ
となく、経済活動の制限や日常生活への規
制などから不安を持ち、極端を考えたので
はないでしょうか。新型コロナの感染をす
っ飛ばしてしまうと方向が不明になってし
まうようです。ミシガン州の選挙人数は16
人です。投票に勝つと＋16、負けるとー16、
差は32となります。これしか頭になかった
ら根拠理由が不明の罵詈雑言が繰り返し出
てくることになりそうです。
新型コロナウイルスの影響として、有権者
が警戒して投票所に行かず、郵便投票が50
％を超えると予想されています。票の集計
に日にちがかかるかもしれませんね。大統
領選挙のニュースからは、このブログの読
者がウイルスから逃げ回るのに有効な抗菌
加工の布のようなニュースは出てこないか
もしれません。
スーパーセル・オハイオ州2016年8月の8
となく、経済活動の制限や日常生活への規
制などから不安を持ち、極端を考えたので
はないでしょうか。新型コロナの感染をす
っ飛ばしてしまうと方向が不明になってし
まうようです。ミシガン州の選挙人数は16
人です。投票に勝つと＋16、負けるとー16、
差は32となります。これしか頭になかった
ら根拠理由が不明の罵詈雑言が繰り返し出
てくることになりそうです。
新型コロナウイルスの影響として、有権者
が警戒して投票所に行かず、郵便投票が50
％を超えると予想されています。票の集計
に日にちがかかるかもしれませんね。大統
領選挙のニュースからは、このブログの読
者がウイルスから逃げ回るのに有効な抗菌
加工の布のようなニュースは出てこないか
もしれません。
スーパーセル・オハイオ州2016年8月の8
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アメリカ国民の多くが今、トランプの「信者」になっている
10月5日、病院からホワイトハウスに戻ったトランプ ERIN SCOTT-REUTERS
＜自己イメージを揺るがす現実は一切受け入れず、都合の悪い真実は拒絶するか誰かのせいにするトランプ。その精神は既に国民のかなりの割合に伝播している＞
ドナルド・トランプの新型コロナウイルス感染が判明して1週間余り。この騒動に注目が集まるなかで、見落とされている問題がある。その問題とは、米国民のかなりの割合がいわばトランプ信者になっていることだ。
それが原因で大統領選の円滑な実施が危うくなり、ことによるとアメリカが内戦状態に陥りかねない。
【動画】退院後のホワイトハウスで、苦しげに肩で息をするトランプ 現職大統領の新型コロナ感染というニュースはたちまち、いかにも独裁者風の安っぽいお芝居の材料になってしまった。
トランプはウォルター・リード国立軍医療センターに入院して程なく、医師の助言を聞き入れず、警護員を感染の危険にさらしてまで、病院の近くをドライブした。
病院の前に集まった熱烈な支持者に謝意を示すために、ローマ法王のようにゆっくりと車を走らせるよう命じたのだ。
トランプは、入院してわずか3日で強引に退院。病院からホワイトハウスへの帰還を皇帝さながらに演出した。夕方のテレビニュースの時間に合わせて、大統領専用ヘリコプターでホワイトハウスに降り立つと、いかにも英雄然と階段を上っていった（ただし、明らかに呼吸が苦しそうに見えた）。
そして「臣下」たちを見下ろし、傲然とマスクをはぎ取って、ヘリコプターに向かって2分間敬礼してみせた。それから2時間もたたずに、この様子をまとめた動画がトランプ陣営から公開された。
いまアメリカでは、国を揺るがしかねない2つの心理ドラマが進行している。1つは、トランプ個人の心理のドラマ。もう1つは、米国民が社会レベルで抱いている妄想のドラマだ。 トランプの精神は極めて単純だ。
トランプは、物事を全て勝ち負けを基準に考える。常に勝者の「ボス猿」でありたい。その自己イメージを揺るがすような現実は、一切受け入れない。都合の悪い真実はことごとく拒絶するか、誰かのせいにするのだ。
しかし、病んでいるのはトランプだけではない。リーダーの言動は、集団の意識を形づくる力を持つ。理性や事実によって、そうした集団内の論理を覆すことは不可能だ。私はCIA時代に、そのような恐ろしい現象を経験したことがある。大統領が拷問を命じると、高潔なはずのCIA職員たちが（表面上の言動だけでなく）信念まで変えてしまったのだ。
トランプと反知性主義と人種差別主義に関して、多くのアメリカ人の間で（とりわけ共和党支持者の間で）起きているのは、まさしくそのような現象だ。アメリカ社会の多様性が高まるのに伴い、白人男性たちは心もとない気持ちになり、強い不安を感じるようになった。
その結果、そうした不安をなだめてくれるような幻想のとりこになりやすくなっている。
★芸術の秋 クロード・モネ
◇◇◇ ◇◇◇
＜妄想と危うい集団思考に＞
この層のアメリカ人は、退院したトランプがホワイトハウスで演じた英雄的指導者像をそのまま受け入れ、自分たちの「主君」であるトランプにとって不都合な事実は全て嘘だと決め付ける。 そればかりか、トランプがテレビ討論会で白人至上主義団体に対して「下がって待機せよ」と述べたことも容認する。
その後、武装した白人至上主義団体がミシガン州知事の拉致を画策していたことが明るみに出て、トランプがこの事件に関連して知事を批判するに至っても、そうした考えを変えようとしない。
トランプは、自らの新型コロナ感染を政治宣伝の道具にし、エゴを満足させようとしている。
そして、多くのアメリカ国民は、社会を覆う不安とリーダーの病理に触発されて、妄想と危うい集団思考に陥っている。その結果として脅かされているのは、アメリカ社会の平穏と民主主義だ。
＜2020年10月20日号掲載＞
グレン・カール（本誌コラムニスト、元CIA工作員）
アメリカ国民の多くが今、トランプの「信者」になっている
配信
＜自己イメージを揺るがす現実は一切受け入れず、都合の悪い真実は拒絶するか誰かのせいにするトランプ。その精神は既に国民のかなりの割合に伝播している＞
ドナルド・トランプの新型コロナウイルス感染が判明して1週間余り。この騒動に注目が集まるなかで、見落とされている問題がある。その問題とは、米国民のかなりの割合がいわばトランプ信者になっていることだ。
それが原因で大統領選の円滑な実施が危うくなり、ことによるとアメリカが内戦状態に陥りかねない。
【動画】退院後のホワイトハウスで、苦しげに肩で息をするトランプ 現職大統領の新型コロナ感染というニュースはたちまち、いかにも独裁者風の安っぽいお芝居の材料になってしまった。
トランプはウォルター・リード国立軍医療センターに入院して程なく、医師の助言を聞き入れず、警護員を感染の危険にさらしてまで、病院の近くをドライブした。
病院の前に集まった熱烈な支持者に謝意を示すために、ローマ法王のようにゆっくりと車を走らせるよう命じたのだ。
トランプは、入院してわずか3日で強引に退院。病院からホワイトハウスへの帰還を皇帝さながらに演出した。夕方のテレビニュースの時間に合わせて、大統領専用ヘリコプターでホワイトハウスに降り立つと、いかにも英雄然と階段を上っていった（ただし、明らかに呼吸が苦しそうに見えた）。
そして「臣下」たちを見下ろし、傲然とマスクをはぎ取って、ヘリコプターに向かって2分間敬礼してみせた。それから2時間もたたずに、この様子をまとめた動画がトランプ陣営から公開された。
いまアメリカでは、国を揺るがしかねない2つの心理ドラマが進行している。1つは、トランプ個人の心理のドラマ。もう1つは、米国民が社会レベルで抱いている妄想のドラマだ。 トランプの精神は極めて単純だ。
トランプは、物事を全て勝ち負けを基準に考える。常に勝者の「ボス猿」でありたい。その自己イメージを揺るがすような現実は、一切受け入れない。都合の悪い真実はことごとく拒絶するか、誰かのせいにするのだ。
しかし、病んでいるのはトランプだけではない。リーダーの言動は、集団の意識を形づくる力を持つ。理性や事実によって、そうした集団内の論理を覆すことは不可能だ。私はCIA時代に、そのような恐ろしい現象を経験したことがある。大統領が拷問を命じると、高潔なはずのCIA職員たちが（表面上の言動だけでなく）信念まで変えてしまったのだ。
トランプと反知性主義と人種差別主義に関して、多くのアメリカ人の間で（とりわけ共和党支持者の間で）起きているのは、まさしくそのような現象だ。アメリカ社会の多様性が高まるのに伴い、白人男性たちは心もとない気持ちになり、強い不安を感じるようになった。
その結果、そうした不安をなだめてくれるような幻想のとりこになりやすくなっている。
★芸術の秋 クロード・モネ
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＜妄想と危うい集団思考に＞
この層のアメリカ人は、退院したトランプがホワイトハウスで演じた英雄的指導者像をそのまま受け入れ、自分たちの「主君」であるトランプにとって不都合な事実は全て嘘だと決め付ける。 そればかりか、トランプがテレビ討論会で白人至上主義団体に対して「下がって待機せよ」と述べたことも容認する。
その後、武装した白人至上主義団体がミシガン州知事の拉致を画策していたことが明るみに出て、トランプがこの事件に関連して知事を批判するに至っても、そうした考えを変えようとしない。
トランプは、自らの新型コロナ感染を政治宣伝の道具にし、エゴを満足させようとしている。
そして、多くのアメリカ国民は、社会を覆う不安とリーダーの病理に触発されて、妄想と危うい集団思考に陥っている。その結果として脅かされているのは、アメリカ社会の平穏と民主主義だ。
＜2020年10月20日号掲載＞
グレン・カール（本誌コラムニスト、元CIA工作員）
アメリカ国民の多くが今、トランプの「信者」になっている
配信
★芸術の秋 シャガール
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終りまでお読み頂き、ありがとうございました
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