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2021年06月11日

韓国内 モメルことになる

朝鮮半島ファイル日経.jpg
写真日本経済新聞WEB版2021/6/11

今日の日経が報じた、韓国の裁判所の判決です。

前回2018年の判決では、国際法を無視した、日本側に不利な判決だったことは、皆さんご存じの通りです。

今回は、下級審が「訴えは、国際法上通用しない。と却下してしまった」

日本にとっては、納得のことだが、韓国内ではモメルに違いない。

しかも、火のついたような・・・・・炎上というのでしょうね。国民性でしょう。

以下お読みください。

韓国、徴用工判決で広がる波紋 判事弾劾要求に20万人超 
ソウル支局長 鈴木壮太郎2021年6月11日 0:00 [有料会員限定]

韓国の元徴用工や遺族が日本企業16社を相手取り、損害賠償を求めた集団訴訟を却下した7日のソウル中央地裁判決が波紋を広げている。2018年の大法院(最高裁)判決を覆したうえ、日本との関係悪化が米国との関係まで悪化させ安全保障が損なわれると指摘するなど、政治の領域にまで踏み込んだためだ。

日本の経済協力は「漢江の奇跡」に寄与
7日の地裁判決は18年の最高裁判決を下級審が根底から覆す異例の判決だった。

最高裁は日本の植民地支配を「不法」とし「日本企業の不法行為を前提とする強制動員被害者の請求権は日韓請求権協定の対象外」として日本企業に賠償を命じた。

だが地裁は「植民地支配の不法性は国際法上、認定されたことはない。不法だとの主張は国際社会では認められないのが現実」と指摘。「最高裁判決は国内法的な解釈にすぎず、韓国は依然として国際法上、条約にあたる請求権協定に拘束される」と判断した。元徴用工問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとする日本政府の主張にほぼ沿った判断だ。

判決文は歴史評価や外交の領域まで踏み込んだ。請求権協定に基づく日本による韓国への5億ドルの経済協力を「『漢江の奇跡』と評価され、世界経済史に記録される輝かしい経済成長に寄与した」と評価。「自由民主主義という価値を共有する日本との関係が悪化すれば米国との関係も悪化し、安全保障も揺らぎかねない」と警鐘を鳴らした。

徴用工問題や元慰安婦問題、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題など懸案解決のため、日本が国際司法裁判所への提訴など、国際社会への働きかけを強める可能性についても言及し「国際裁判でひとつでも負ければ国益に致命的な損傷を与えるのは明白だ」と指摘した。

日本からすれば妥当な判決だが、政界や法曹界、原告側関係者には大きな波紋を広げた。

与党代表「朝鮮総督府時代の判決」
「朝鮮総督府京城裁判所の判事が下した判決だと思わざるをえない」。革新系与党「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表は9日、ソウル中央地裁の金亮澔(キム・ヤンホ)部長判事が下した7日の判決に強く反発した。朝鮮総督府は植民地時代の統治機関で、京城は現在のソウルだ。宋氏は「判決文には政治的な内容が多い」と問題視。「控訴審と大法院で当然ただされるべきだ」と語った。

民主党の大統領候補も声を上げた。知日派で知られる李洛淵(イ・ナギョン)党前代表は9日に原告や弁護士と会い、自身のフェイスブックに「大法院判決と政府見解に反する判決で、偏った政治外交観が反映された判決だ」と批判。丁世均(チョン・セギュン)前首相も8日のフェイスブックで「歴史を反省しない日本政府と日本の裁判所の論拠をそのまま踏襲している。いったいどの国の裁判所なのか」と声を荒らげた。

「反国家・反民族的判決を下した判事の弾劾を要求する」――。大統領府のホームページには8日、こんな請願が投稿され、賛同者は3日で27万人を超えた。賛同者が20万人を超えると、大統領府や政府の責任者が回答する決まりだ。

保守系メディアは評価
革新系が地裁判決に猛反発する一方、保守系メディアは一定の評価を下している。2018年の最高裁判決は全員合議体での結論だが、全員一致ではなく判事2人が反対の少数意見を出した。今回の地裁判決はこの少数意見に沿ったものだ。大手紙の朝鮮日報は8日の社説で「18年の大法院判決に問題があったことを裁判所が自ら認めた」と指摘。「大法院判決を尊重する」というだけで問題を放置し、日韓関係を悪化させたとして文在寅(ムン・ジェイン)政権を厳しく批判した。

中央日報も同日付の社説で「司法判断を尊重するという政府の名分と現実性は弱まった。今からでも賢明な解決策をつくり、日本と協議して外交的解決に積極的に取り組まなければならない」と指摘。日本にも「『韓国が国際法違反状態を解消せよ』と繰り返すだけでなく、前向きな姿勢で対話に応じるべきだ」と注文をつけた。

今回の判決が今後の徴用工裁判や日韓関係に与える影響は見通しにくい。韓国外務省によると、現在進行中の裁判は48件。元慰安婦が日本政府に損害賠償を求めた2つの裁判の一審判決が割れたように、地裁レベルでは判事の個性が判決に色濃く反映される。ただ上級審では「大法院の判断に収れんされていくのではないか」(聖公会大の梁起豪=ヤン・ギホ教授)との見方もある。

反日感情の再燃懸念
懸念されるのは反日感情の再燃だ。日本が19年7月に韓国向け輸出管理を厳格化したことへの反発から韓国では日本の不買運動が起きた。それから2年がたち、不振を極めた日本車販売もようやく上向くなど小康状態にあるが火種は消えていない。

判決を下した判事の金氏には「親日派」のレッテル貼りが始まった。韓国で「親日」は売国奴の意味を持つ極めて否定的なことばだ。政治家にとって米国や中国への批判は覚悟が要るが、「反日」はリスクなしに愛国者ぶりをアピールできる手段として利用されがちだ。韓国の政治リーダーには今回の判決を韓国社会の反日感情をあおる道具にするのではなく、日韓関係改善の奇貨とするよう願いたい。

鈴木壮太郎(すずき・そうたろう)
1993年日本経済新聞社入社。産業記者として機械、自動車、鉄鋼、情報技術(IT)などの分野を担当。2005年から4年間、ソウルに駐在し韓国経済と産業界を取材した。国際アジア部次長を経て、2018年からソウル支局長。


タグ:韓国
posted by 小出美水 at 07:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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