2020年04月10日
30万円給付の内容 日経電子版が分かり易い・見やすい
写真日本経済新聞 電子版
30万円給付、共働き世帯に厳しく 配偶者収入減考慮せず
2020/4/10 1:06 (2020/4/10 5:01更新)日本経済新聞 電子版
政府が緊急経済対策の柱とする30万円の家計向け現金給付は、全国の世帯数の4分の1にあたる約1300万世帯に支給されるが、自分の世帯が給付対象に該当するかが分からないという人も多い。このため、ファイナンシャルプランナー(FP)の前田菜緒氏の協力を得て、世帯構成や働き方の類型ごとにシミュレーションした。
例えば、東京23区に住み、収入300万円でパート勤務のシングルマザー(子ども1人)の世帯は、新型コロナで収入が半分以下になれば、低所得世帯とされる住民税非課税水準となり、現金を得られる。
また給与が歩合制などで世帯主の収入が急減した場合なども受給できる可能性は高まる。収入が非課税水準まで落ち込まなくても、コロナによって半額以下に減っていれば、配偶者の収入状況に関係なく、要件を満たす可能性があるためだ。
これに対し、給与を安定的に得ている会社員が世帯主の場合、パートなどで働く妻の収入がコロナの影響でゼロになっても、現金給付の対象にはなりにくい。
世帯の中には世帯主の夫の収入だけでなく、パートなどで働く妻の収入も念頭に置いて住宅ローンを組んでいるケースもある。緊急事態宣言を受けて飲食店やスーパーといったパート先が休業すれば、住民税が課税される中所得層でも生活が厳しくなる世帯は出る。
共働きが主流になった時代に「世帯主」というモノサシだけで判定する仕組みなので、苦境に陥っているにもかかわらず、公的支援の手が届かない人が出てくる懸念がある。
今回の対策では子育て世帯を支援するため、6月に児童手当を子供1人あたり約1万円臨時加算する。夫婦と子供2人の場合で年収960万円未満の世帯が対象。新型コロナの影響で収入が増減しない年金生活者は、対象外となる見通しだ。
政府は中小企業や個人事業主向けには最大100万〜200万円を給付する。このため、夫婦で飲食店を経営するような世帯は、事業主向けの100万円と家計向けの30万円の「二重取り」ができる可能性もある。政府関係者は「二重取りは排除しない方向」と説明する。こうした自営業者らへの支援は、会社員世帯などと比べれば厚いが、それでも営業休止を余儀なくされた飲食店などにとっては不十分との見方が多い。
政府は近く全国一律の支給要件を月収ベースで示し、自分が支給対象になるのかどうか、世帯が判断できるようにする。ただ支給要件が厳しいため、本当に困っている世帯すべてに給付が届かないという構図は残ったままだ。今後さらなる対応が必要だとの声が強まる可能性がある。
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