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2019年07月22日

参議院は本当に必要か?

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参議院は本当に必要か 
(大機小機) 2019/7/19 19:47日本経済新聞 電子版

3年に1度の参院選は「政治の安定」を主張する与党と、「変化」を求めるだけの野党との間の不毛な論争で盛り上がりを欠いている。衆院と異なり選挙の結果、政権が交代するわけではなく、首相も選べない。小選挙区の衆院では地元利益が反映されやすいというが、全国区の参院では業界代表が幅を利かせている。

大統領候補を輩出する米国の上院のように人材豊富でもない。野心のある議員には衆院転出までの仮の居場所にすぎない。不安定な雇用では安心して働けないから雇用保障が必要とされるが、6年間の任期が保障される参院議員は解散リスクのある衆院議員よりも働いているのだろうか。

二院制度はチェック・アンド・バランスのためと教科書にはある。しかし、衆参で過半数の政党が異なるねじれ国会では重要な政策は決められない。他方で同一政党が過半数を占めれば、同じ審議を繰り返すだけである。

本来は高齢化社会での社会保障のあり方など、長期的な課題を議論することが参院の役割にふさわしい。しかし、そのための大事な情報である年金の財政試算の公表は、従来の6月から選挙後に先送りされた。年金制度の問題点を明らかにして波風を立てたくない与党と、明確な改革案なしに批判するだけの野党との間で、参院選の意義はますます低下していく。

争点がないなら、せめて参院を選挙制度改革の実験場にすればどうか。高齢化が進む日本では投票率の低い若年層の声が軽視されるシルバー民主主義の弊害が深刻になる。選挙権は18歳に引き下げられた。被選挙権が参院の30歳以上では高すぎ、衆院の25歳以上との差にも意味はない。

年金制度改革の争点の一つは世代間格差の是正である。仮にこれを訴える「青年党」が登場すれば選挙も活性化するだろう。また、どこに住んでいても投票が容易なインターネットの活用も若者になじみやすく、全国区のある参院選から始めるべきだ。

最近の日本では相対的に若年者が与党を支持する率が高く、元安保反対世代で政府に批判的な高齢者が野党を支持する不思議な状況にある。こうしたなかでは、与党が若者の投票率引き上げにプラスとなる制度改革を進めることは損にはならない。これは3年後の参院選までの政治の大きな宿題といえる。(吾妻橋)

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タグ:参議院
posted by 小出美水 at 10:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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