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2017年07月13日

高野孟ジャーナリスト 永田町の裏を読む

e5474f73f6842ef7e86d353e8420d2de20151111174004497.jpg高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中

永田町の裏を読む

6f5f1ec941b26a7b6a3e3734f0b1301320170712135019829_262_262.jpg小池百合子都知事(C)日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイDIGITAL バックナンバー2017年7月13日

今度は国政…都議選圧勝でも小池知事の総理への道は遠い

小池百合子東京都知事の「都民ファーストの会」の都議選大躍進を受けて、気の早い政界消息通の間では「次は国民ファーストで、日本初の女性総理を狙うのではないか」と取り沙汰されているが、それを「冗談じゃない」と怒っているのは、かつて彼女が渡り歩いたいくつかの政党のひとつで一緒だったことのある元国会議員である。

「都知事になったのが去年の8月初めで、間もなく1年が経つが、ただバタバタと騒動を起こしているだけで、何も実績は挙がっていない。石原元知事や森喜朗組織委員会会長を悪役に仕立てて五輪会場を見直すとか、都議会自民党をサンドバッグにして豊洲移転を見直すとか、ちゃぶ台をひっくり返すようなことをして、何かをやっているようなフリをしても、結果は大山鳴動ネズミ一匹。細川護熙とか小沢一郎とか小泉純一郎とかのスターに接近して、その横にピッタリ付いて、やっているフリを演じるのは上手だけれども、自分がトップに立ったら何にもできないというのがこの1年だ。初の女性総理? とんでもないよ」と、手厳しい。

確かに、どこへ行けばスポットライトが当たるかを嗅ぎ分ける動物的なまでの直感や、主役の横で見事に引き立て役を演じきるパフォーマーぶりには感心させられる。しかし、トップに立つにはそれなりの政治的信念なり政策的見識なりが求められるし、それに基づいて物事を決断して期限を区切って形にしていく実行力が何より大事であるはずだが、1年を経てその証明はない。元国会議員が言葉を継ぐ。

「小池が2020東京五輪まであと3年、全身全霊を捧げて頑張っても、難問をすべて乗り越えて成功に導けるかどうかの瀬戸際が今だろう。そういう時に『国民ファースト』とか言って浮かれているのが信じられない。直近の国政選挙といえばたぶん来年秋の総選挙。まさか小池が知事を辞めて国政復帰という超無責任はあり得ないから、誰かに新党をつくらせて、知事は応援ということなのだろうが、その新党に駆けつけそうな“誰か”の筆頭は、維新からはじかれた渡辺喜美、民進をおん出た長島昭久、自民を離れた若狭勝の3人だろう。『新党・出がらし』とでも命名したらいいじゃないか」

 なるほど、小池知事の国政への野望が簡単に達成されることはなさそうである。
タグ:小池都知事
posted by 小出美水 at 13:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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