2019年07月14日
参議院選で自民党が勝つと 日本の農業は最悪になる という シナリオ
何が「ウィンウィン」なのか?(C)ロイター
日米密約とはTPP以上の譲歩 自民は参院選で農業県1勝9敗も
日刊ゲンダイDIGITAL公開日:2019/07/13 15:00 更新日:2019/07/13 15:00
日米貿易交渉の農産物をめぐる“日米密約”は、トランプ大統領の計らいで、発表が参院選後に先送りされている。どう考えても、安倍首相がTPPレベルを超える大幅譲歩を約束したと想像できる。参院選では農業票の行方も注目されるが、農業県(道)で、ウッカリ自民を勝たせたら、日本の農業は地獄に直行だ。
日米貿易交渉のうち、農産品は4〜5月に〈TPP並み〉で早期妥結するとみられていた。ところが、5月に令和初の国賓として来日したトランプ大統領は、安倍首相とゴルフを楽しんだ後、こうツイート(26日付)した。
〈日本との貿易交渉でとても大きな進展があった。とくに農業と牛肉でね。日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる。大いに待ってるよ!〉
貿易問題に詳しい「アジア太平洋資料センター」の内田聖子共同代表が言う。
「春先から米国の農業団体は、高い水準での妥結要求を強めていました。そんな中、トランプ大統領としては参院選後の発表にすることで、その分、日本からさらなる譲歩を引き出せると考え、交渉したはずです。関税率や規制緩和などで、日本はTPPレベルを超える合意をさせられた可能性が高い。安倍首相も選挙が終わっているので、そこで農家から大きな反発が出ても、痛くもかゆくもないですからね」
トランプ大統領がツイートした翌日、安倍首相は「トランプ大統領と日米ウィンウィンとなる形の早期成果達成に向け議論を加速させることで一致した」と言ったが、“日米ウィンウィン”とは、こういうことだったのだ。
TPP以上の日米合意は、農家にとって影響は計り知れない。
「当然、TPPの他の加盟国やEUは、米国と同じ条件にするよう日本に要求してきます。全世界からの輸入農産物が拡大し、農家は大打撃です。農家は、とんでもない日米合意がされていることを前提に一票を投じる必要があります」(内田聖子氏)
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