2017年06月13日
小池百合子都知事は、追い込まれて「判断」を下すことになりそうだ。
強制的に打ち切られた(C)日刊ゲンダイ
2017/6/13日刊ゲンタイDIGITALhttps://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207248/3
解除できるのか 豊洲“時限爆弾”
“判断材料”続々 都役人の策略で小池知事が陥ったジレンマ
小池百合子都知事は、追い込まれて「判断」を下すことになりそうだ。
市場移転問題で、豊洲市場の土壌汚染対策を検討してきた「専門家会議」が11日、安全確保の追加対策をまとめた。業者との調整が難航し、先月18日、いったん中断していたものが再開されたのだが、再びの大紛糾の末の決着だった。
会議では、平田健正座長ら専門家が、“消えた盛り土”問題への対策などを協議し、最終的な「追加対策案」を公表した。ところが、その後、行われた業者との質疑応答は大荒れ。専門家会議が事前に「追加対策案」を作成していたことに、業者から「結論ありきじゃないか!」と怒号が飛んだ。業者側は「対策案を訂正せよ」と要請したが、結局、平田座長は一方的に質疑を打ち切り、「訂正はしない」と一言。いつになく冷淡な表情を浮かべ、そそくさと立ち去っていった。
■会議日程で“外堀”を埋められた
強引な幕引きのウラには、豊洲移転を決めたい都役人らの思惑が見え隠れする。狙いは、さっさと小池知事に判断材料を握らせ、都議選前に移転を決断させることだ。
そのために、着々と外堀が埋められてきた。実は、11日の会議は当初、今月下旬に予定されていたが、都側の要請で11日に前倒しされているのだ。会議日程は、都の中央卸売市場長に任命された座長や委員らの間で調整され、小池知事が希望を差し挟む余地は少ない。
さらに今後、次々と小池知事の元に別の判断材料が舞い込んでくる。13日には、総務局が所管する「市場問題プロジェクトチーム(PT)」が報告書を小池知事に提出。翌14日は、中西充副知事を本部長とした各局横断の「市場のあり方戦略本部」が開かれ、専門家会議とPTの議論を集約し、小池知事に報告する。これらの組織も、専門家会議同様、日程調整は委員らの裁量によるところが大きい。つまり、都役人の“策略”によって、移転判断の材料は数日で全て揃うことになるわけだ。
小池知事は9日の会見で、都議選前に移転判断を下すことを示唆したが、翌日には、「示唆したわけではない」とやんわり否定している。小池知事にとっては、進むも地獄、退くのも地獄――ということなのだろう。
「小池知事が豊洲移転と築地存続のどちらを選ぶかは見通せませんが、都議選前に築地存続を決断するのは難しい。豊洲への早期移転を訴える公明党と選挙協力しており、訴えがバラバラになってしまうからです。しかし、だからといって都議選後に先延ばししようにも、判断材料が揃ってしまえば、『決められない知事』とのそしりは免れず、支持率は下落するでしょう。PTの報告書に盛り込まれる『築地と豊洲の両市場存続』という案もありますが、いずれにしても都議選前に決断せざるを得なくなる可能性が高い」(都政記者) 小池知事はジレンマに追い込まれた。
2017/6/13日刊ゲンタイDIGITALhttps://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207248/3
解除できるのか 豊洲“時限爆弾”
“判断材料”続々 都役人の策略で小池知事が陥ったジレンマ
小池百合子都知事は、追い込まれて「判断」を下すことになりそうだ。
市場移転問題で、豊洲市場の土壌汚染対策を検討してきた「専門家会議」が11日、安全確保の追加対策をまとめた。業者との調整が難航し、先月18日、いったん中断していたものが再開されたのだが、再びの大紛糾の末の決着だった。
会議では、平田健正座長ら専門家が、“消えた盛り土”問題への対策などを協議し、最終的な「追加対策案」を公表した。ところが、その後、行われた業者との質疑応答は大荒れ。専門家会議が事前に「追加対策案」を作成していたことに、業者から「結論ありきじゃないか!」と怒号が飛んだ。業者側は「対策案を訂正せよ」と要請したが、結局、平田座長は一方的に質疑を打ち切り、「訂正はしない」と一言。いつになく冷淡な表情を浮かべ、そそくさと立ち去っていった。
■会議日程で“外堀”を埋められた
強引な幕引きのウラには、豊洲移転を決めたい都役人らの思惑が見え隠れする。狙いは、さっさと小池知事に判断材料を握らせ、都議選前に移転を決断させることだ。
そのために、着々と外堀が埋められてきた。実は、11日の会議は当初、今月下旬に予定されていたが、都側の要請で11日に前倒しされているのだ。会議日程は、都の中央卸売市場長に任命された座長や委員らの間で調整され、小池知事が希望を差し挟む余地は少ない。
さらに今後、次々と小池知事の元に別の判断材料が舞い込んでくる。13日には、総務局が所管する「市場問題プロジェクトチーム(PT)」が報告書を小池知事に提出。翌14日は、中西充副知事を本部長とした各局横断の「市場のあり方戦略本部」が開かれ、専門家会議とPTの議論を集約し、小池知事に報告する。これらの組織も、専門家会議同様、日程調整は委員らの裁量によるところが大きい。つまり、都役人の“策略”によって、移転判断の材料は数日で全て揃うことになるわけだ。
小池知事は9日の会見で、都議選前に移転判断を下すことを示唆したが、翌日には、「示唆したわけではない」とやんわり否定している。小池知事にとっては、進むも地獄、退くのも地獄――ということなのだろう。
「小池知事が豊洲移転と築地存続のどちらを選ぶかは見通せませんが、都議選前に築地存続を決断するのは難しい。豊洲への早期移転を訴える公明党と選挙協力しており、訴えがバラバラになってしまうからです。しかし、だからといって都議選後に先延ばししようにも、判断材料が揃ってしまえば、『決められない知事』とのそしりは免れず、支持率は下落するでしょう。PTの報告書に盛り込まれる『築地と豊洲の両市場存続』という案もありますが、いずれにしても都議選前に決断せざるを得なくなる可能性が高い」(都政記者) 小池知事はジレンマに追い込まれた。
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