2017年06月06日
このままでは見られない「4K放送」
私のところには4Kがあります。だがこのままでは映らないと・・・・・・
そんなこと聞いてない
日本経済新聞 電子版
専用チューナーをつけないと、「4K実用放送」は映らない(都内の家電量販店)
このままでは見られない「4K放送」
2017/6/6 6:30日本経済新聞 電子版
現行のハイビジョン放送の4倍の精細さ、豊かな色彩。「4K」と呼ばれるテレビの映像方式だ。さらに現行の16倍となる「8K」のテレビも順次登場する。家電量販店でも「4Kテレビ」が売られており、すでに購入済みという人も多くいるだろう。NHKや民放各局は2018年12月からBSで4Kの実用放送を始める。その実用放送、いまの4Kテレビでは見られないことはどれだけ知られているだろうか。
4Kの実用放送を見るには、それに対応した画素数を持つ液晶パネルと画像エンジンを積んでいる4Kテレビが必要だ。だが市販されている現在の4Kテレビは実用放送に対応したチューナーが搭載されていない。実用放送を見るには別途、チューナーを購入しなければならなくなるわけだ。だがこのことが、一般に知られているとは言いがたい。
4K放送を管轄する総務省は周知をしようとしている。4月には業界団体や放送事業者ら28団体・事業者で構成する「4K・8K放送推進連絡協議会」を立ち上げ、普及に向けた広報・周知活動を図るための会合を始めた。5月の連休期間中には動画サイトで4K放送の魅力と受信するための方法を紹介した4分程度の動画を3本配信し始めた。しかし、1カ月の配信でそれぞれの視聴回数は2000〜3000回程度。周知活動はいささか迫力不足と言わざるを得ない。
■BSだから本腰が入らない
実は総務省は「周知への本腰がなかなか入れられない」(幹部)。その理由の一つは、来年から始まる4K実用放送がBSだという点にある。
4K実用放送は新たにチャンネルを加える形で放送が始まる。今のハイビジョン放送が終わるわけではない。地上デジタル放送が始まった時は、地上アナログ放送の「停波」で見られなくなるテレビが出てきたが、今回は「見られないテレビ」が出るわけではない。
しかも対象が地上波ではなくBS。スポーツイベントや紀行番組、夜のニュースなどBSにも人気番組はあるが、視聴者数は地デジにはかなわない。視聴者が圧倒的に多い地デジはそのままハイビジョン放送が続くわけで、地デジが始まった時と比べると、事態はそれほど緊迫してない。
しかも現時点では、4K実用放送に対応したチューナーやテレビがどこにも売っていない。いつから手に入るかも分からない。当初は18年夏にテレビやチューナーが店頭に並ぶというスケジュールだったが、「めどは立っていない」(総務省関係者)という。
■チューナーの仕様巡り混乱
なぜか。実はチューナーの仕様を業界団体で詰め切れていないことが背景にある。デジタルテレビは購入したときにB―CAS(ビーキャス)というカードを挿入すると使えるようになる。カードに組み込まれたICが視聴防止機能を解除する仕組みだ。このB―CASを新しい方式ではチップにし、機器に内蔵することが検討されていたが、回収などの手間を踏まえ、今のようなカード式にすべきではとの議論が浮上している。内蔵式、挿入式、いずれも機器の形状を大きく変え、商品開発にも影響を及ぼす。それが実用放送が始まる1年半前になっても決まっていない。
18年12月の実用放送開始というスケジュールはなかなか変えにくいだろう。だが周知をしようにも、しにくい状況は続く。「うちの新しいテレビで見られないなんて聞いてない」。そんな声が来年末、全国の家庭から聞こえてこないといいが。(秋山文人)
そんなこと聞いてない
日本経済新聞 電子版
専用チューナーをつけないと、「4K実用放送」は映らない(都内の家電量販店)
このままでは見られない「4K放送」
2017/6/6 6:30日本経済新聞 電子版
現行のハイビジョン放送の4倍の精細さ、豊かな色彩。「4K」と呼ばれるテレビの映像方式だ。さらに現行の16倍となる「8K」のテレビも順次登場する。家電量販店でも「4Kテレビ」が売られており、すでに購入済みという人も多くいるだろう。NHKや民放各局は2018年12月からBSで4Kの実用放送を始める。その実用放送、いまの4Kテレビでは見られないことはどれだけ知られているだろうか。
4Kの実用放送を見るには、それに対応した画素数を持つ液晶パネルと画像エンジンを積んでいる4Kテレビが必要だ。だが市販されている現在の4Kテレビは実用放送に対応したチューナーが搭載されていない。実用放送を見るには別途、チューナーを購入しなければならなくなるわけだ。だがこのことが、一般に知られているとは言いがたい。
4K放送を管轄する総務省は周知をしようとしている。4月には業界団体や放送事業者ら28団体・事業者で構成する「4K・8K放送推進連絡協議会」を立ち上げ、普及に向けた広報・周知活動を図るための会合を始めた。5月の連休期間中には動画サイトで4K放送の魅力と受信するための方法を紹介した4分程度の動画を3本配信し始めた。しかし、1カ月の配信でそれぞれの視聴回数は2000〜3000回程度。周知活動はいささか迫力不足と言わざるを得ない。
■BSだから本腰が入らない
実は総務省は「周知への本腰がなかなか入れられない」(幹部)。その理由の一つは、来年から始まる4K実用放送がBSだという点にある。
4K実用放送は新たにチャンネルを加える形で放送が始まる。今のハイビジョン放送が終わるわけではない。地上デジタル放送が始まった時は、地上アナログ放送の「停波」で見られなくなるテレビが出てきたが、今回は「見られないテレビ」が出るわけではない。
しかも対象が地上波ではなくBS。スポーツイベントや紀行番組、夜のニュースなどBSにも人気番組はあるが、視聴者数は地デジにはかなわない。視聴者が圧倒的に多い地デジはそのままハイビジョン放送が続くわけで、地デジが始まった時と比べると、事態はそれほど緊迫してない。
しかも現時点では、4K実用放送に対応したチューナーやテレビがどこにも売っていない。いつから手に入るかも分からない。当初は18年夏にテレビやチューナーが店頭に並ぶというスケジュールだったが、「めどは立っていない」(総務省関係者)という。
■チューナーの仕様巡り混乱
なぜか。実はチューナーの仕様を業界団体で詰め切れていないことが背景にある。デジタルテレビは購入したときにB―CAS(ビーキャス)というカードを挿入すると使えるようになる。カードに組み込まれたICが視聴防止機能を解除する仕組みだ。このB―CASを新しい方式ではチップにし、機器に内蔵することが検討されていたが、回収などの手間を踏まえ、今のようなカード式にすべきではとの議論が浮上している。内蔵式、挿入式、いずれも機器の形状を大きく変え、商品開発にも影響を及ぼす。それが実用放送が始まる1年半前になっても決まっていない。
18年12月の実用放送開始というスケジュールはなかなか変えにくいだろう。だが周知をしようにも、しにくい状況は続く。「うちの新しいテレビで見られないなんて聞いてない」。そんな声が来年末、全国の家庭から聞こえてこないといいが。(秋山文人)
タグ:4Kテレビ
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