鈴木家住宅(すずきけじゅうたく)は、秋田県雄勝郡羽後町にある歴史的建造物。江戸時代前期頃に建てられた当時の農家の住宅(民家)である。1973年(昭和48年)2月23日に国の重要文化財(建造物)に指定された。秋田県下の民家建築では最古の遺例の一つである。現在も所有者家族が居住している住宅としては東北最古となる。
概要
鈴木家は慶長期の検地帳に名前が見える旧家で、源義経の家臣・鈴木三郎重家を祖とすると伝える。代々肝煎を務め、文政13年(1830年)には苗字帯刀を許されている。
西側に山一つ隔てたところに、本住宅と平面形式の似た「土田家住宅」がある。 土田家住宅と共に秋田県下では最古の遺例で、民家というよりは在地豪族の住宅のようだと評価されている。 茅葺屋根の主屋は江戸時代、17世紀末頃の建物で、1980年から1年半の解体修理で往時の姿に復原された。
構造形式
本屋:桁行20.8m、梁間11.1m、寄棟造茅葺
中門:桁行9.4m、梁間6.2m、入母屋造茅葺、正面土庇附属(板葺)
主屋は正面向かって左に中門を設ける中門造で、平面はL字形となる。中門は享保18年(1733年)の増築であることが普請文書から判明し、本屋の建築はこれをさかのぼる17世紀末頃と推定される。本屋は寄棟造。中門は正面を入母屋造とし、本屋、中門ともに茅葺とする。
中門は正面向かって右手に大戸口を設ける。内部は左手前に3房の馬屋を設け、その奥は通りニワとする。中門と本屋の入隅に玄関を設け、その奥はダイドコロとする。ダイドコロの上手は整形四間取りで、ダイドコロ寄りの手前をチャノマ、奥をウチザとし、その上手は手前をヒロマ、奥をトコ付きのコザとする。チャノマとヒロマの前には縁を設ける。ニワの奥には土蔵(大正4年・1915年上棟)が接続して建ち、本屋と土蔵の取合い部は改造されて蔵前になっている。
文化財指定
以下の物件が「鈴木家住宅(秋田県雄勝郡羽後町)」として国の重要文化財に指定されている。
主屋 附:普請文書1冊
土蔵 附:棟札1枚、家相図1鋪、普請文書3冊
土地(宅地、山林) 2,698.39平方メートル
主屋(附指定含む)は1973年指定、土蔵(附指定含む)と土地は1994年追加指定。
見学情報
所在地
〒012-1136 秋田県雄勝郡羽後町飯沢字先達沢52番地
建物は所有者によって居住として使用されているため、不在の場合があるので、事前連絡が必要。
見学料/大人・・・500円
類型 農家家屋
形式・構造 寄棟造、茅葺
延床面積 桁行25.5m、梁間11.2m
建築年 17世紀末
文化財 国の重要文化財
2023年09月20日
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