旧片山家住宅(きゅうかたやまけじゅうたく)は、岡山県高梁市成羽町吹屋にあるベンガラ製造で栄えた片山家の本家邸宅である。
高梁市成羽町吹屋の旧片山家住宅
概要
旧片山家住宅は、岡山県高梁市成羽町吹屋に所在する。片山家は片山の総本山で本片山と呼ばれ、屋号は「胡屋」という。 本格的に弁柄製造を創業した1795年(宝暦9年)から二百余年弁柄製造に携わり弁柄株仲間を組織し企業の統制を取るとともに優良品質で市場を拡大し特産品としての吹屋弁柄の地位を守り続けた豪商である。郷土館の向かいにあり、主屋・宝蔵・米蔵・弁柄蔵・仕事場および部屋の5棟が国の重要文化財に指定されている。伝統的建造物群の核とするべきだと考え、2003年(平成15年)から保存修理が行われ、2005年(平成17年)8月から建物の内部も一般公開されている。
旧片山家住宅 主屋内部
沿革
当主は代々「浅治郎」の名を襲名し、1971年(昭和46年)に廃業した当時の当主は9代目であった[5]。
片山家の系譜
片山家の始祖からの系譜を記録した資料は現存しておらず、存在が明確にわかっているのは、ベンガラ(弁柄)業を始めたとされる初代浅治郎(生年不明〜1804年(文化4年))以降である。2代目(1777年頃(安永6年)〜1847年(弘化4年))から4代目(1821年(文政3年)〜没年不明)までの時代に当たる近世末から明治にかけて、吹屋弁柄が最盛期を迎えており、この頃に多くの財を成し、建物の増改築を行ったと考えられている。9代目(1907年(明治40年)〜1975年(昭和50年))のとき、片山家の弁柄製造は終焉を迎え、10代目当主(2002年(平成14年)没)の死後、片山家住宅は成羽町に寄贈され、現在に至っている。
建造物
主屋・宝蔵・米蔵・弁柄蔵・仕事場及び部屋の計5棟が「旧片山家住宅」の名称で国の重要文化財に指定され、家相図3枚が重要文化財の附指定となっている。さらにこれらとは別に玄米蔵・弁柄箱・道具蔵が高梁市指定文化財となっている。
屋敷地は通りに面して北を正面とし、敷地北端に主屋、その西に宝蔵、主屋の南に米蔵と弁柄蔵、弁柄蔵の西に仕事場及び部屋が建つ。さらに、裏門を出て南側の敷地には玄米蔵、弁柄箱、道具蔵、これらの東に南蔵が建つ。
なお、以下の解説は『旧片山家住宅調査報告書』(成羽町教育委員会、2004)に基づくものであり、建物の名称が2006年の重要文化財指定時の名称と一部異なっている。
弁柄倉庫 - 重要文化財指定時の名称では「弁柄蔵」と「米蔵」の2棟とする。
たきもの小屋 - 重要文化財指定時の名称は「仕事場及び部屋」。
各建物の建立年代は、片山家に伝わる家相図などから、次のように判断される。主屋は主体部が18世紀末の建立で、主体部南側の増築部と仏間部が文政13年(1830年)以前、座敷部が明治8年(1875年)の増築である。宝蔵は主屋の仏間部増築と同じ頃の建立、米蔵・弁柄蔵・仕事場及び部屋は安政2年(1855年)以前の建立である。
所在地
岡山県高梁市成羽町吹屋367
交通アクセス
JR伯備線備中高梁駅バス吹屋行き終点から徒歩すぐ
利用情報
開館時間
午前9時〜午後5時(12月〜3月は午前10時〜午後4時)
休館日
12月29日〜31日
入館料
大人 400円
小人 200円(20人以上1割引き)
周遊券(4施設) 850円(20人以上750円)
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