海神神社(わたつみじんじゃ、通称、かいじんじんじゃ)は、長崎県対馬市峰町木坂にある神社。式内社(名神大社)論社、対馬国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。
式内名神大社の「和多都美神社」、同「和多都美御子神社」、式内国幣小社の「胡禄神社」、同「胡禄御子神社」の論社である(いずれも複数の論社がある)。
祭神
主祭神
豊玉姫命
配祀神
彦火火出見命
宗像神
道主貴神
鵜茅草葺不合命
江戸時代までは八幡神を祀っていた。
歴史
社伝によれば、神功皇后が三韓征伐からの帰途、新羅を鎮めた証として旗八流を上県郡峰町に納めたことに由来するという。旗は後に現在地の木板山(伊豆山)に移され、木坂八幡宮と称された。また、仁徳天皇の時代、木坂山に起こった奇雲烈風が日本に攻めてきた異国の軍艦を沈めたとの伝承もある。
中世以降は、八幡本宮とも、下県郡の下津八幡宮(現 厳原八幡宮)に対して上津八幡宮とも称された。
明治3年(1870年)、『延喜式神名帳』に見える和多都美神社に改称した。翌明治4年5月、国幣中社に列格する際に、祭神を八幡神から豊玉姫命に改め、同年6月に現在の海神神社に改称した。
境内
弥勒堂 - 廃絶。神宮寺であったと思われる。
社殿は1921年に建造されている。
文化財
重要文化財(国指定)
銅造如来立像 - 統一新羅時代の作。
仏像盗難問題
2012年10月6日から8日の間に盗難に遭った(対馬仏像盗難事件)。当神社の「銅造如来立像」と観音寺の「金銅観世音菩薩坐像」の窃盗犯は韓国人グループで、韓国に持ち込んで売り捌こうとしたところを警察に拘束された。釜山港での通関過程で文化財鑑定委員が「100年未満の模造骨董品」と誤って鑑定し、韓国国内への搬入を許していた。
日本政府が返還を求めていたのに対し、観音寺の「金銅観世音菩薩坐像」の所有を主張している韓国の浮石寺や仏教界が「(両仏像とも)倭寇に略奪された」などと訴え、大田地裁が当面返還を差し止める仮処分を出したため長らく返還には至らなかったが、2015年7月15日に銅造如来立像について韓国検察が、海神神社を「正当な権利者」と認定して仏像の返還を決定。同18日に約3年ぶりに非公開(安全な移送を優先したため)で返還された。なお、返還された仏像は指先が欠損していたが、これは盗難時に受けた何らかの衝撃が原因とみられている。
菅義偉官房長官は会見で、返還を「当然のこと」とし、「もう1体(観音寺の「金銅観世音菩薩坐像」)も返還を強く求めていきたい」と語った。
現地情報
所在地
長崎県対馬市峰町木坂247
位置 北緯34度27分51.3秒 東経129度17分00.0秒
主祭神 豊玉姫命
社格等 式内社(名神大)論社
対馬国一宮
旧国幣中社
別表神社
創建 不詳
本殿の様式 流造
例祭 旧暦8月1日
主な神事 浜殿放生祭
2023年04月22日
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