一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)は、群馬県富岡市一ノ宮にある神社。式内社(名神大社)、上野国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。
拝殿(左)・本殿(右奥)(いずれも国の重要文化財)
概要
群馬県南西部、鏑川左岸の河岸段丘上に鎮座し、信州街道に面する。物部君(毛野氏同族)が祖神を祀ったことに始まり、古代には朝廷から、中世以降は武家からも崇敬された。
境内は正面参道からいったん石段を上がり、総門を潜ったところから石段を下ると社殿があるという、いわゆる「下り宮」と呼ばれる配置となっている。社殿は江戸時代に第3代将軍徳川家光・第5代綱吉により整えられ、本殿・拝殿・楼門等が重要文化財に指定されている。また、鹿占習俗(国選択・県指定無形民俗文化財)を始めとした多くの特殊神事を行っている。
表参道と大鳥居 大鳥居までは表参道の石段を上がる
祭神
祭神は以下の2柱。
経津主神(ふつぬしのかみ)
葦原中国(日本)平定に功績があったとされる神。貫前神社では物部氏の祖神と紹介している。
姫大神(ひめおおかみ)
祭神の名前は不詳。一説には、綾女庄(当地の古い呼称)の養蚕機織の神とされる。
なお、『一宮巡詣記』では「本尊稚日女尊、相殿経津主命」と記載され主神は女神とされている。
総門(惣門) 大鳥居と総門は同じ高さにある
楼門 総門から先、楼門・社殿へは石段を下りる
歴史
創建
社伝によると、創建は安閑天皇元年(534年?)3月15日、鷺宮(現 安中市の咲前神社に比定)に物部君姓磯部氏が氏神である経津主神を祀り、荒船山に発する鏑川の流域で鷺宮の南方に位置する蓬ヶ丘綾女谷に社を定めたのが始まりといわれる。その後、天武天皇2年(私年号では白鳳2年、673年)に最初の奉幣が行われた。
一方、室町時代成立の『神道集』には、安閑天皇2年(535年?)3月中頃に抜鉾大明神が笹岡山に鉾を逆さに立てて御座、白鳳6年(677年)3月に菖蒲谷に社壇が建立されたと記載されている。
拝殿(重要文化財)
文化財
重要文化財(国指定)
貫前神社 3棟(建造物) - 本殿は1912年(明治45年)2月8日指定、拝殿は1976年(昭和51年)5月20日指定、楼門は1976年(昭和51年)5月20日指定。
本殿(附 棟札2枚) - 江戸時代前期(1635年)造営。桁行三間、梁間三間、一重二階、入母屋造、妻入、向拝三間、檜皮葺。
拝殿(附 棟札1枚) - 江戸時代前期(1635年)頃造営。桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、正面軒唐破風付、檜皮葺。
楼門 - 江戸時代前期(1635年)造営。一間一戸楼門、入母屋造、銅板葺。
白銅月宮鑑(工芸品) - 宝物館保管。唐代の作。1912年(明治45年)2月8日指定。
銅鏡 2面(梅雀文様、竹虎文様)(工芸品) - 宝物館保管。鎌倉時代の作。1917年(大正6年)4月5日指定。
現地情報
所在地
群馬県富岡市一ノ宮1535
交通アクセス
鉄道
最寄駅:上信電鉄上信線 上州一ノ宮駅(徒歩約15分)
タクシー
富岡市観光乗合タクシー(JR松井田駅または上信線上州富岡駅から)で、「貫前神社」停留所下車(下車後徒歩すぐ)
車
駐車場:有り
上信越自動車道 富岡ICまたは下仁田ICから、どちらも約20分
2023年01月11日
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