◆なぜ公務員やお役所の仕事は非効率的なのか?
お役所仕事は非効率だってよく言われるが,なんで効率化しないんだろうって思ってる人は多いだろう,ずばり言うとその必要が無いからである,効率的にやる必要が無いのである,効率が悪かろうが,時間がかかろうが予算がかかろうがその業務が流れていればそれで万事OKなわけ
いま動いてるシステムや手順なんかを変えるとなると関係部署への説明や根回しや,膨大な関係文書や資料の作成,場合によっては議会に諮ったり,条例等の改正が必要だったり,どっかから予算を引っ張ってきたり,とにかく面倒くさくて大変なのである
その新しいシステムや手順のおかげで,想定外の新たなトラブルが起きる危険性も有る,そんな危険を冒してまで変えようなんて誰も思わない,責任取らされるのイヤだしね
そもそもそういう努力をして,非常にうまく行ったとしても給料が上がる訳じゃないし,昇進するわけでもない,さらに言えば公務員になろうって人は,人生堅実路線の安全志向なんで,そういうチャレンジ精神がもともと希薄である,お役所は安泰である
◆なぜ公務員やお役所は危機管理意識が薄いのか?
なぜ公務員とかお役所は,危機管理意識が薄いのか,って聞くと,そりゃ意識が低いからとか,身分が保障されてるし,とかいろんな意見が出てきそうだが,もっとも大きい理由は「失うモノが無い」ということだと思われる,例えば一般の会社とかだったら,一番大事なものはその会社の「信頼」や「信用」だろう,それを,失ったら,会社が潰れてしまうかもしれない
でも,お役所は「信頼」とか「信用」を失うという概念がない,というかそういうものが業務上必要ない,へたに信頼・信用関係になると癒着とか言われちゃう,規則に則って業務をこなしさえすれば,信用失墜というような事態は起きないように,組織も運用システムもできあがってる
なにかヤバイことが起きたって知ったこっちゃない,そういう出来事があっても,別に「それがどうした」ですましちゃう,マスコミとか嗅ぎつけてしまった場合は,ひたすら頭下げて「2度とこのようなことがおきないように・・」とかなんとか記者会見やって,嵐が去るのを待つだけ(頭下げるのタダだし)
だれも責任取らない,責任取らなくてもいいようなシステムが作って有るわけ,どうにもこうにもならないときは末端を処分するとか,証拠の書類は間違って廃棄されちゃったことにする,こうして上層部には被害が及ばないようにする,まあ,いろいろ便法が有るわけですよ
◆お役所内でつつがなく過ごすために−その1
お役所という所は,一般の会社などと違って,働く目的が営利追求ではないというちょっと特殊な面も有るわけだが,こういう職場でつつがなく過ごすにはどうすればいいか,そのための基本的な身の処し方をお教えしよう
まず一番大事なことは,とにかく上司の言うことに逆らわないこと,これにつきる,多少理不尽なことであっても,法に触れない限り,公務員は上司の命令に従うことが求められる,上司の言うことはたとえ文書化されてなくて口頭であっても職務命令である,命令であるから違法な命令でない限り必ず従わなければならない
例えば上司の職務命令に意見したり文句言ったりしたとしよう,相手はどういう態度を取ると思う?その上司は,決してあなたを諭したり怒ったりはしない,あっそうとか軽く受け流しちゃう,ここであなたは彼が自分の意見を聞いてくれたと思ったら大間違いである,彼の頭の中では「こいつはダメだ」「使い物にならん」って情報が蓄積されていく
そいうことが何度かあると,最終的にどうなるかというと,もう昇任してもいい年齢なのに,昇任の推薦をしないとか,人事異動等で皆がいやがるような部署に異動させられるとかが起きる,こうして合法的に報復する
上司から頼まれた仕事に対して,意見言ったり,反対したりしたときに,その上司が「あ〜そういう考え方もあるねぇ」とか「じゃ◇◇にも聞いてみるかな」とかの言葉に,自分の意見に耳を傾けてくれたって思ったらダメなのである,彼の頭の中では「あいつは来年は異動だな」ってなっちゃうんだから
上司だって強引に,いいから私の言うとおりにヤレ!な〜んて言ってパワハラで訴えられるなんてイヤだからね,保身です,でもちゃんとしっぺ返しする,これは覚えていた方がいいよ
たとえあなたの意見が100%正しくても,公務員の世界では,上司の言うことが正義であり,真理であり,正しい道なのである,だから絶対に上司の言うことにさからってはいけない,淡々と言われた業務をこなすべし
◆お役所内でつつがなく過ごすために−その2
公務員といえども,やっぱり早く昇任したいのが人情,昇任すると給料もあがるしね,しかし,同期入庁でも早い遅いが生じる,早い人はどういう人かというと「要領のいい人」なんだが,とりあえずそれはちょっと置いといて・・・
公務員の世界には各部署ごとに一種の「仲良しグループ」が存在する,これは目に見える場合もあるが意外とわかんないというか,新人にはわからないかもしれない
で,このグループの中で,私の課長ポストは次は課長補佐の◇◇君ね,◇◇君の後任は係長の◆◆君でいいだろうって,回されていくのよ,だから早く昇任したかったら,この仲良しグループに属する必要がある,このグループに属してると安泰である
そのグループに属するのはどうするかということだが,まず,上司の言うことを良く聞き,もちろん仕事もそつなくこなして,残業なんかも文句言わない,上司より先に帰ってはいけない,バリバリの仕事人間になれってコトではない,極端な話,期限に間に合い,間違いさえなければ,その他はどうでもいい,テキトーでいい
その上で,上司の出席する飲み会は必ず出席する,ここで,上司に酌をしながら上司の愚痴や自慢話や説教話をよ〜く聞いてあげる,毎回聞かされる同じ話でも同情したり感動したりしてあげなくてはいけない,これでいい,これであなたも上司から「うん,こいつはできるヤツだって思われる,そういう印象付けができればOK,人事考課や人事異動で有利になり,あなたも立派なグループ仲間!
つまり最初に言った「要領のいい人」になれたわけ
ええっ,公務員の上司ってそんなアホな人がなってんの?と疑問に思われるかもしれないが,その上司も「要領のいい人」を演じて,その地位に居るわけでありまして・・・
行政的な業務は,規則や条例に則って淡々と進めるだけだから,誰がやってもだいたい同じ結果になって,業務上の評価は大して差が付かない,で,上に述べたような日常のちょっとした,おつきあい等が上手に対応できるかどうか,なんていうことで個人の評価がなされてしまう
そういうもんなんです,公務員の世界って,まあ魂まで売る必要は無いからそういう役を演じればいいわけですよ,上司に嫌われちゃうと悲惨だよ,いきなり異動命令が来たりして,学業期の子供とかいたら,かわいそうなことになる
単身赴任っていう手もあるけど,家を建てた途端に異動になって,20年自分の家に住んでないとかね,すごい遠隔地に単身赴任してて,半年ぶりに自宅に帰ったら小さな子供が自分を忘れてて,泣き出したとか笑えない話がゴマンとある
だいぶ前だが,知り合いの公務員が,同じ町に引っ越してきたんで,ちょっと飲まないか,って誘ったら,最近,10年続けて毎年転勤させられてるって愚痴って,もう引っ越し用段ボール箱から,必要最低限しか荷物出さないの,またすぐ転勤かもしれないし,って言ってたけど,翌年また異動になっちゃった,いいヤツなんだけど典型的な,要領よく振る舞えないヤツだったからねぇ,その後音沙汰が無い
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