その267　タブー？「傷追い人」: むーさんの負けてたまるか

2019年10月14日

その267　タブー？「傷追い人」

今回の台風でお亡くなりになった
方を思うと残念でなりません
こんな悲しみはいつまで
繰り返されるんのでしょうか
まだ幼い
これからもの子もいました　
残念です　残念でなりません
心からお悔やみを申し上げます
また甚大な被害を受けられ
未だ大変な方も大勢です
一刻も早い復旧を念願し
謹んでお見舞いを申し上げます

＜本文＞

2019 10 6 伊良湖岬にて

傷って何だろう
身体の傷もある
心の傷もある
麻痺も
高次脳機能障害も
傷って言っていいだろう
隠して生きようが
晒して生きようが
傷には違いない
そこには確かに傷があるのだ
いつの日かその傷を埋めようと
一人もがく者・・・

人には見えない
心に刻まれた傷もある
生まれた時から既にある傷もある
どこで線引をしても
刻まれた傷は深く悲しい
心の傷も身体の傷も同じなのだ
とんでもない傷なのだ
そして日々の生活はその傷を
更にえぐる事さえもあるのだ

麻痺って云う傷も
重度であれ軽度であれ
その負った傷を癒そうと
誰しも明日を信じ傷を追う

2019 10 6 伊良湖岬にて

辛い言い方だけれどー
重度麻痺が回復する事は
非常に稀だ
どんなにリハビリしても
その回復は運かもしれない
7年近くとんでもないリハビリを
続けてきたけれどー
あの長嶋監督でさえ
あれだけの訓練をしてさえもー
それはとても難しい
悲しいほど難しい
手は親指以外7年全く動かない
足首もピクリともしない
だから麻痺＝傷の本質を
誰も語らないタブーなのだ
少し悔しいが
回復する人は回復する
それは何も悪い事じゃないし
彼らだって必死にリハビリを
してきたのだろう
むしろめでたい事なのだ
羨ましい事だし
素晴らしい事なのだ
でも現実の多くは苦しく辛い
そんなに簡単な事じゃない
先行きの不安にいたたまれず
辛く悲しい便りも頂く
あたしは答えてあげたい
それでも
前を向くのだ
前に行くのだ

2019 10 6 伊良湖岬にて

どうせ回復しないならー
やっても無駄だからー
だから何もしない？
何もしないのか？？
それは違う
全く違う
あたしは何とかして
少しでも歩いて
少しでも麻痺した手で
モノを掴もうとする
開かない指であっても
動かない足首であっても
絶対に諦めない
絶対に負けない
何もせずにはいられない
それはあたしが
傷追い人だからだ
その傷を埋めるべく
無駄だとしても
その想いに掛けるのだ
明日を見据える者だけが
傷追い人なのだ
奇跡と云う結果には
見えない努力があるのだ
その想いや行為は
気高く尊いものなのだ
傷追い人とは
自らの想いを
追い求める者なのだ