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2019年12月29日

その276 きっと乗り越えられる

P8150186.jpg

何度かご紹介した
片手で愛を奏でるピアニスト
オラフさんがつらい状態です
右麻痺に加え左手の親指が
思わしくありません
気丈に頑張るオラフさんです
ですが想いは凹み
今オラフさんは
暗いトンネルの中にいます


オラフさんの演奏です
オラフさん当たり前だよ
悩むし 辛いよね
掛ける言葉も無いよーー

あたしがこの世界に来て
出会った言葉に

「神は乗り越えられる
 試練しか与えない」


ってあります
有名な言葉です
でも最初に聞いた時
適当な事言うなよ!
他人事だと思いやがって!
じゃーなんだよ
災害で亡くなった人や
病気や怪我で回復しない人は
乗り越えられなかったのか?
ふざけんなよ!
そんなふうに思いました
2年前に起きた大問題は
マヒーズになった時より
ある意味甚大でした
心も財も全て根こそぎ
持っていかれました
そんなあたしには
その言葉は絵空事でした
でも色んな励ましや
応援を得て心のリハビリが
始まりました
また心が前に歩き始めたんです
そして改めてその言葉を
調べ考え直しました

P4180085.jpg

「神は乗り越えられる
 試練しか与えない」


試練って何でしょうか?
聖書では 試練とは誘惑
の事を指しているそうです
つまりは
想い惑う心の葛藤です

かけがえのない人との別れ
どう仕様もない自分の身体
目の前に立ちはだかる壁
焦燥と苛立ちの日々
惑う想いは人それぞれです
それを試練と言うなら
乗り越えるべきものは
自らをを支配する心
そう
想いそのものなのでしょう


P4180125.jpg

先に見え隠れする不安
静かに忍び寄る焦り
進捗せぬ結果への憤り
あたしも大問題が起きた時は
心が折れていたのでしょう
完全に折れていたら
既にあたしはここには
いなかったと思います
ほんの僅かでしたが
心の根は残っていました
その根はこの世界の幾多の
辛い悲しい現実を知り
負けちゃ駄目だ!と
行間のエールを頂きました
苦しい戦いを共に挑む友を得
あたしの根はまた地中に
少しづつ張り始めました
最近、地面から小さい小さい
芽が出てきた様に思います
何度も言いますが
負けてたまるかは
己に忍び寄る負の想い
惑う苦しい想いです


P7310085.jpg

簡単にはいきません
うまくいきません
試行錯誤の日々です
オラフさんを始め
今まさに暗闇トンネルで
手探りしている方々
あたしも同じでした
いや今もそうかもしれません
最近のマヒーズ痙縮も酷く
痛みも増してます
でもーそれが試練なら
乗り越えてみせます
惑わず己を信じ
仮に先に灯りが今は
見えずとも
トンネルの出口は
きっとあると!

大丈夫です
大丈夫です
絶対に大丈夫です
歩き続ける心がある限り
必ず明日を掴みます
大丈夫です
こんなクソ親父でも
その確かな灯りが
見えてきたんですから
いま手探りの方も
絶対に大丈夫です
負けないでいきましょう
信じてください
あたしを!
自分を!
絶対に大丈夫です

P4100117.jpg

年の始めからの母の事
大事だったあの子の旅立ち
色んな事がありました
そのたびに得たこの世界の
多くの友の言葉
救われました
心から感謝いたします
そして一年間ホントに
ありがとうございました
来年もよろ〜スなのです
来年も明日を掴む
自分でいましょうぜ
皆様の新しい年が
祝福に満ちたもので
ありますよう
心から祈ります
m(_ _)m

P7150527.jpg




来年も続きます


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posted by むーさん at 15:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2019年12月22日

その275 母は17歳

P8140081.jpg

あたしはいつの間にか
母の歳を
追い越したらしいです
母78歳あたし57歳



母のアルツハイマーは
施設のスタッフの皆さんのお陰で
現状を維持しているどころか
今年の初めに倒れ
7月に名古屋に連れて来た時より
遥かに改善したかもしれません

2019-04-08 10.36.12.jpg

人は人と触れ合い
会話の中で生きなきゃ
駄目だと改めて思いました
あたしの事もかなり
認識できる様になりました
でも・・・
でもです! 
嫁君には
あのおじさんは誰?
時々、聞きます 
( ´ー`)フゥー...

しかし・・・
実の母から
おじさん呼ばわり
されるとは ・・・


あたしはいつの間にか
母の歳を
追い越したらしいです
繰り返しておきます (笑)

P8110160.jpg

母にとって施設は
あたかも学校であり
時には病院
そして母は17歳の女子高校生
スタッフの皆さんは
先生でありドクター
同僚さんは同級生
自分の事を
高校時代に呼ばれていた
愛称で呼んでいます
母にとってその頃の想い
それは人生一番の花壇
だったのかもしれません
嬉しそうに話す母の横顔が
少女のように見えるのは
言い過ぎでしょうか・・・

P1000728.jpg

あの時
母の事で多くの仲間から
熱く優しき助言を頂き
今日があります
心穏やかな今日の日は
本当にこの世界の
皆んなのおかげです
改めて御礼を申し上げます
心からありがとうございました
そしてこれからも
宜しくお願い致します

PC240109.jpg

少し早いですが
メリークリスマスです♪
全ての方の人生が
素敵で楽しいもので
ありますようにーーー
ありがとうを込めて




まだまだ続きます


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posted by むーさん at 11:53 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2019年12月14日

その274 薄紙重ねて

P4100075.jpg

12月だから
当たり前でしょうが
風が冬色です
日本の北から南から
季節の便りが届けられ
気がつけば発症から
12/19で7年が過ぎます
あの時13歳だった末娘は
二十歳なります
来月には成人式です

P6240137.jpg

この世界に来て
季節の便りは
より一層強く風のその香りを
運んでくれますが
あたしの7年の月日は
季節を感じる間もなく
ただ慌ただしくバタバタと
過ぎ去ったのかもしれません
大問題も合わせ
時はあたしが感じる季節
奪い去ったのでしょうか
あたしには
ただ暑い寒いだけの
そんな季節だったのかも
しれません
そんな季節だったのかも
しれません

P3060015.jpg

潤う季節の本当の趣を
あたしは取り戻したいと思います
どうぞこれからも季節の便りを下さい
ブログの中の季節の香りを
心豊かに感じられる
そんなマヒーズ8年目に
したいと思います

P4100017.jpg

タイトルの「薄紙重ねて」は
時々NOJIさんが話される
マヒーズのリハビリの事です
ちなみにNOJIさんの飾らない
言葉が好きです ^w^

リハビリの効果はまさに
薄紙のように薄い効果しか
体感できません
今日したリハビリがすぐに
その効果を見い出だせる事は
ほぼ無いのです
発症経過が長いと特にです
でもその薄紙も毎日重ね
あたしの様に7年を重ねれば
それなりの厚みになります
縦横に織り込んだ和紙の様に
丈夫になる事だってあるんです

P4120189.jpg

出来なかった事は山の様でした
今出来ない事も山の様です (^^;)
でも
出来る様になった事も
山の様にあります
7年前のあの日
暗に放り込まれたあの日から
あたしはリハビリと云う
再生事業に取り組んできました
だからこそ断言できるんです
リハビリは
決して裏切らないと!


P4030046.jpg

リハビリを諦めず
来る日も来る日も
ひたすら続ける事は
とても大変ですが
必ず何かを生みだします
時には
苦しいです
悲しいです
辛いです
痛いです
あたしも同じでした
自分を自分で信じられない
そんな日々すらもありました
でも不平不満は黙って
飲み込んできました
吐いても仕方ないからです
吐けばあたしの周りの人が
嫌な気持ちになるだけです

P4180124.jpg

もし吐きたい人がいたら
ブログで吐けばいいのです
あたしに吐いてください
非力だけど受け止めてあげます
あたしもここで多くの方に
受け止めて貰ったのですからー

7年前の12/19に起きた事は
昨日の様です
でもその前日12/18に
起きた事は7年前どころか
昨年の事すら覚えていません
だからこそ今この一瞬を
真摯に熱く生きなきゃ
絶対に駄目なんです
薄紙重ねていく様なリハは
まさに人生そのものなのかも
しれませんね
だから挫けず頑張るだけです
そんなファイトを誓う
あたしの8年目です (笑)

P4100107.jpg

この記事は本来12/19に
公開すべきなんですが
ちょっと早く公開しました
それは12/15は若くして
虹の橋を渡ってしまった
あの子の49日だからです
きっと極楽浄土か天国へ
たどり着いた事でしょう
そして新しい世界が始まったと
あたしは信じています
あの子から貰った
勇気と強さ優しさを
あたしはこの時期に改めて
振り返りたく公開しました
あの子に笑われぬ様
あの子の分まで
人生の薄紙も
重ねていこうと思います

P4160029.jpg


まだまだ続きます


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posted by むーさん at 08:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2019年12月04日

その273 闇の向こうに シーン1

P7150542.jpg

ぼんやり空を見上げ
呟いた
なんだ・・・
また降ってきたか
街は夜の帳を降ろし
人通りも途絶えた交差点
偽りの笑顔に満ちた
酒宴をやり過ごし
馴染みの「旅路」に寄ろうか
それとも帰ろうか
少し酔った頭で考えた
ただそれだけ
それだけだった
赤い車高の低い車が
甲高い排気音を闇夜に轟かせ
凄い勢いで近づいてくる

おいおいこの雪に
なんてスピードだよ!
アホなのか?
うん?
うん??
え?
ええ?
えええ?
信号は赤だぞ?
なんで止まらない?
止まれないのか?
え?
ええ?
えええ?
恐ろしい狂気は
真人(まさと)へと
おいおい冗談だろー

P5075110.jpg

若いOL風の子が
短い悲鳴を残し逃げ去る
真人は何故か動けない
どうしたことか
動けない

なんだよ!
どうしちまったんだ
俺はハネられるのか?
まさか
跳ねられてしまうのか?

年代物の映写機が映し出す
スローモーション
まるでゼンマイ仕掛けの
スローモーション
向かってくる狂気はコマ送り

P7310091.jpg

なぜ 動けないんだ
なぜ 逃げれないんだ
冷静に考える自分が
妙に腹立たしい

それはまるで黒魔法
そう暗黒の呪縛
地の底から湧き出た
悪しき手は
真人の足をつかむ
「もう、放さぬぞー」
乾いた笑い声が響く

降りしきる雪の中
奴は横滑りしながら近づく

P8070114.jpg

俺は死ぬのか?
ハネられて死ぬのか?
何でだ?
何でなんだ?
俺が何をしたんだ?

もう逃げようもない距離
真人は近づく怪物をぼんやりと
見つめるしかない
雪はやまない

PA041620.jpg

おっさん!
どいてくれよ
頼むからどいてくれよ
何やってんだよ
この野郎ー

もう駄目だ
あぁぁぁーー終わりだ
終わりになるーーー

何でだよ
何で電話なんか
してきやがった
あのバカは
靖子!
忘年会なんか行くなって
云っただろうが

おっさん!どいてくれよ
もう止まれねぇんだよ
頼むからどいてよー
みんな逃げたろがよ
あんたも逃げてよ
あぁぁぁーー駄目だ
ぶつかるー!!!
嫌だぁーーーー

制御出来ないのは
車だけじゃない
運転してる充(みちる)自身もだ
友達と気持ちよく飲んでいたんだ
本当はこんなとこに
いるはずじゃなかったんだ
少し酔ったから
来春、一緒になる靖子の
「迎えに来てね」
のお願いも断るはずだったのだ
なんでこんな事になったんだ
どうして
どうしてー
どうして!!!
どうしてなんだよ・・・
雪だし飲んでるし
いつもより注意して
運転してきたのに・・・
そんな事を錯乱寸前の頭で考えた

酒を甘く見すぎた彼は
ひとつ前の交差点の赤信号に
止まれなかったのだ
ブレーキとアクセルを
踏み間違えてしまったのだ
ニュースでよく聞く
高齢者がよくやる
踏み間違いのあれだ

ダメじゃん!年寄りは!!
運転なんてしないで
家で寝てろよ!
バカがよー
そう嘲笑してきた充自身が
こうなるとは想像さえ
していなかったのだ
全てはそんなに甘くない
彼は最後の時を迎えるその時に
知る事になったのだ

もう高鳴る心臓の音しか
聞こえない
自由のきかぬハンドルは
愛車を怪物と化し
神に祈るしかない自分を恨んだ
恨むしか出来ない自分を
恨んだのだ

PC280010.jpg

真人はたった数秒の事を
数時間の様に感じていた
今日の事 
今日までの事
これがよく云う
人生の走馬灯なのか
どんどん近づく魔の刻は
もう止めることなど
誰にも出来ぬのだ
ふと運転している
錆びついたような男の目と
目が合った刹那
今まで発した事もない
自らの絶叫を聞いた

P7150489.jpg

魔物は容赦なく真人を
跳ね飛ばした
凄まじい衝突音の中
宙を舞いながら
車はおもちゃのように
何度も横転して
角の宝石商に突っ込んだ
真人は上空から
それを見下ろしていた
消えゆく意識の中
何処か不思議と
頭だけは冷静な自分に
驚いたのは真人自身だった

あぁ俺はここで終わるのか
嫌だなぁ
まだ嫌だなぁ
文菜、慎一、美咲・・・・
死にたくない!!
まだ死にたくないよ
・・・・
・・・・
・・・・

雪が降り続く
12月の夜だった

P8210211.jpg



<編集後記?>

運転する皆んな
師走です
とにかく
安全運転でいきましょう
まさか酒を飲んで運転なんか
してないだろうね?

絶対に真人や充に
なってはいけません
事故は全てを奪い去ります

マヒーズドライバーさん
運転に慣れっ子になっちゃ
絶対にダメダメ!!
あの時ドキドキして
にぎり直したハンドル
あの日の想いは忘れないでね!
あたしも含め
いつも謙虚に
そして
慎重な運転でいきましょう

b1 (1).jpg

よかったら続編は誰か
書いてみてね^w^
構想はあるんだけど
何だかやたら多忙です (^^;)
真人(まさと)や充(みつる)
これからどうなるんでしょうねぇ
ハハハ (笑)
とにかく ご安全に!


まだまだ続きます


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posted by むーさん at 18:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 見えない闇の向こうに
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