2013年12月28日
なぜお染という可愛らしい名
江戸時代にもやはりこれによく似た感冒が非常に流行して、その時に誰かがお染という名を付けてしまった。今度の流行性感冒もそれから縁を引いてお染と呼ぶようになったのだろうと、或る老人が説明してくれた。
そこで、お染という名を与えた昔の人の料簡は、おそらく恋風と云うような意味で、お染が久松に惚れたように、すぐに感染するという謎であるらしく思われた。それならばお染に限らない。お夏でもお俊でも小春でも梅川でもいい訳であるが、お染という名が一番可憐らしくあどけなく聞える。猛烈な流行性をもって往々に人を斃すような此の怖るべき病いに対して、特にお染という最も可愛らしい名を与えたのは頗るおもしろい対照である、さすがに江戸っ子らしいところがある。しかし、例の大コレラが流行した時には、江戸っ子もこれには辟易したと見えて、小春とも梅川とも名付け親になる者がなかったらしい。ころり[#「ころり」に傍点]と死ぬからコロリだなどと知恵のない名を付けてしまった。
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