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2013年12月17日
だから、知っていることをいえ
という顔で、寮長は慶一を見据えた。
 経験というのは、思わぬところで収穫をもたらすことがある。緊張した場面で寮長と対座するのは、慶一にとって、これがはじめてのことではない。寮長のするどい凝視に、慶一は耐えた。

寮長はため息をつき、またタバコに手をのばし、さっきと同じようにためらい、こんどは、いまいましげにパッケージを手にした。
「年をとると、徹夜はこたえる。勘もにぶくなる。きみなら、なにか知っているはずだと思ったんだがな」
 寮長は腕時計を見て、いかん、とつぶやき、立ちあがって部屋を出ていった。
 さっきから、義晴が窓の外に立ち、チャンスをうかがっていた。このすきをのがさず、慶一は窓に走りよった。
「浅井先輩からの伝言です。“ぜったいに、なにもいうな”」
「わかった。安心するように、高志にいってくれ」
 ノブのまわる音がして、慶一は手で義晴を追いはらい、外の空気を吸っていた、という思い入れで、ゆっくりと寮長をふりかえった。
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Posted by salchan at 11:15 | この記事のURL
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