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2014年04月21日
主将が病気となって
ヒッソリと静かにして居る。氏郷は潮合を計って政宗の方へ使者を出した。それがしは只今打立ち候、油断無くゆるゆる御養生の上、後より御出候え、というのであった。そして氏郷は諸軍へ令した。

常山蛇勢の陣というのは、これとは異なるものである。何はあれ関勝蔵の一隊を境にして、前の諸隊は一揆勢に向い、後の三与は政宗に備えながら、そして全軍が木村父子救援の為に佐沼の城を志して、差当りは高清水の敵城を屠らんと進行したのは稀有な陣法で、氏郷雄毅深沈とは云え、十死一生、危きこと一髪を以て千鈞を繋ぐものである。既に急使は家康にも秀吉にも発してあるし、又政宗が露骨に打って掛るのは、少くとも自分等全軍を鏖殺にすることの出来る能く能く十二分の見込が立た無くては敢てせぬことであると多寡を括って、其の政宗の見込を十二分には立たせなくするだけの備えを仕て居れば恐るるところは無い、と測量の意味であるところの当時の言葉の「下墨」を仕切って居り、一揆征服木村救援の任を果そうとして居るところは、其の魂の張り切り沸り切って居るところ、実に懦夫怯夫をしてだに感じて而して奮い立たしむるに足るものがある。
カーテン オーダー
Posted by salchan at 21:02 | この記事のURL
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