2014年03月26日
ロウモン街オテル・ダムステルダムの自殺室
文明の世にあり得べしとも思えない自殺室の探検を思い立った、リカルド・ガリバルジという、莫迦に豪そうな名前の、若くして勇敢なる医学生である。
貧しい青年で、広い巴里に、これという相識もない、田舎から出て来て、医者の免状を取ろうと、一生懸命、ソルボンヌで勉強している。
貧しい青年で、広い巴里に、これという相識もない、田舎から出て来て、医者の免状を取ろうと、一生懸命、ソルボンヌで勉強している。
以前は丸ぽちゃで、顔の赤い、威勢の好かった女将セレスティンが、今は青く痩せて、焦いらして、怒りっぽく泣きっぽくなっているところへ、このリカルド・ガリバルジ君が飄然と現れた。もぞもぞした言葉つきで、自殺室の怪を調査したいから、許可して、便宜を計って呉れというのだ。英国の宝石商ブルウス・テイラアを第一に、お次ぎはカルヴァル、三番目は、木乃伊取りが木乃伊になった形のカミィル巡査と、こう鳥渡の間に三つの自殺が、しかも完全に同じ状況の下に続発して、もうすっかり「死の部屋」として余りにも有名になっている三階の十四号室である。
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