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2014年03月07日
また何か初まる
今秋本が彼女の動静を探らせに、わざわざ番頭を寄越したとなると、場合は葉子に不運であった。
 やがて下宿の別室で、葉子は番頭に逢ったが、昨夜の彼女の居所を、すでに感づかれているようにも思えた。
「仕方ないからよそへ原稿書きに行っていたと言って胡麻化して、御馳走して帰したわ。」

忘れものの手提もあって、番頭を送り出すと、じきに舞い戻って来て庸三に報告するのだった。
「悪いところへやって来たもんだな。」
 葉子は今起きたばかりの庸三の傍へ来て、空洞な笑い声を立てたが、悄然卓子に頬肱をついている姿も哀れにみえた。
 やがて多事だったその年も、クリスマスが近づいて来た。庸三は時に葉子の下宿の方へ足の向くこともあったが、そのころになると、彼女の窓の赭いカアテンに、例のスタンドの明りが必ず映っているとも決まらなかった。
歯学部 進級試験 過去問
Posted by salchan at 12:34 | この記事のURL
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