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2014年01月23日
それはステキに広い
明るい部屋であった。北と、西と、南の三方に、四ツ宛並んだ十二の窓の中で、北と西の八ツの窓は一面に、濃緑色の松の枝で蔽われているが、南側に並んだ四ツの窓は、何も遮るものが無いので、青い青い朝の空の光りが、程近い浪の音と一所に、洪水のように眩しく流れ込んでいる。その中に並んで突立っている若林博士の、非常に細長いモーニング姿と、チョコナンとした私の制服姿とは、そのままに一種の奇妙な対照をあらわして、何となく現実世界から離れた、遠い処に来ているような感じがした。

その時に若林博士は、その細長い右手をあげて、部屋の中をグルリと指さしまわした。同時に、高い処から出る弱々しい声が、部屋の隅々に、ゆるやかな余韻を作った。
「この部屋は元来、この精神病科教室の図書室と、標本室とを兼ねたものでしたが、その図書や標本と申しますのは、いずれもこの精神病科の前々主任教授をつとめていられました斎藤寿八先生が、苦心をして集められました精神病科の研究資料、もしくは参考材料となるべき文書類や、又はこの病院に居りました患者の製作品、若くは身の上に関係した物品書類なぞで、中には世界の学界に誇るに足るものが尠くありませぬ。
不労所得で脱サラを目指す元学生パチプロのブログ
Posted by salchan at 05:53 | この記事のURL
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