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2024年05月11日

株騰勢に陰り、スタグフレーション懸念

午前10時に発表された5月の米ミシガン大学消費者調査では、消費者マインドが6カ月ぶりの低水準に落ち込み、1年先のインフレ期待は上昇した。景気減速感が利下げへの期待を後押しする一方、金融当局者からは高金利の長期化を示唆する発言がこの日も相次いだ。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、今年に入りインフレの根強さを示す指標が続いている点を指摘し、年内に利下げを開始することが適切になるとは思わないとの考えを示した。

  LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏は「米金融当局は物価安定と経済成長という2つの責務のバランスを取りながら綱渡りしている」と指摘。「当社では『スタグフレーション』のリスクが高まっているとみている。それがわれわれの基本シナリオではないが、市場が対処しなければならない懸念ではある」と述べた。

  ミシガン大消費者マインド指数(速報値)は67.4と、前月の77.2から低下し、6カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。1年先のインフレ期待は3.5%に上昇し、6カ月ぶり高水準となった。

米消費者センチメント急低下、インフレ期待上昇−ミシガン大調査

  インディペンデント・アドバイザー・アライアンス(IAA)のクリス・ザカレリ氏は、今年に入ってインフレ統計に多くの関心が集まってきたが、経済を支えている主な柱が個人消費であることを忘れてはならないと指摘。

  「予想を下回った消費者センチメントは、消費を当然の前提として考えるべきではないという警告のサインだ」とし、「インフレ期待も上昇しており、これは米金融当局にとってはダブルパンチだ」とリポートに記した。その上で、消費が減速してインフレ率が上昇すれば「多くの人が望んでいたようなゴルディロックス的シナリオの逆に向かうことになる」と述べた。

  ブック・リポートの著者でブリークリー・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏は今回のミシガン大消費者調査について、高金利が長期化する中で耐久財の購入意欲を示す指数が1年ぶりの低水準に下がったことを指摘。「米金融当局が積極的な利上げを行っていた数年前に抱いていた懸念を私は今も抱いている。利上げで経済がすぐに大きく落ち込むというよりも、じわじわと弱っていくということだ」と語った。
国債相場は下落。10年債利回りは約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%上昇した。スワップ市場は今年11月までの1回の利下げと、来年1月までの追加利下げを完全に織り込んでいる。

国債 直近値 前営業日比(BP) 変化率
米30年債利回り 4.64% 3.4 0.74%
米10年債利回り 4.50% 4.5 1.02%
米2年債利回り 4.87% 5.2 1.08%
米東部時間 16時38分
  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の顧客調査によると、パウエルFRB議長が追加利上げの可能性は低いとの考えを示したことを受けて、米長期債への投資意欲が大きく高まっている。

  デュレーション長期化に対する投資家の意欲を測る指標はここ1年で最も高く、BofAが2011年に調査を開始して以来の最高水準に近づいている。調査は米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の5月3ー8日にかけて実施された。

  ニューヨーク外国為替市場で円相場は155円台後半で推移した。市場では日米金利差を意識した円売りと、介入警戒の間で綱引きの状態が続いている。
日本銀行による0.25ポイントの追加利上げは、従来の予想より1カ月早く7月に行われると、BofAの通貨ストラテジストはみている。その次の追加利上げ予想も同じく1カ月、前倒しした。

  クラウディオ・パイロン氏率いる同行の為替アナリストは、「米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを開始する前であれば、日銀が現在の政策スタンスを維持する限り、市場は日銀を試し続ける」と10日のリポートで指摘。「日銀は同時に2つを得ることはできない。日銀が政策を引き締めるまで、市場は日銀を試し続けるだろう。当社では現在、7月の日銀利上げを予想している」とした。

  さらに「ドル・円が高値を更新しないようにするには継続的な介入が必要になるだろうが、その場合でも現行レンジを超えて円が上昇するには不十分だと当社はみている。日銀はまた、政策引き締めを示唆することで、ある程度の時間は稼げる。ちょうど今週がそうだった。しかし、示唆はすぐに実行に移さなくてはならない。さもなければ市場は再び日銀を試すだろう」と続けた。

2024年05月10日

年内の米利下げ観測でドル売り優勢に

10日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=155円台前半と、前日夕方から上昇して推移している。米国で新規失業保険申請件数の悪化を受けて利下げ観測が強まったことから、ドル売り・円買いが優勢となっている。一方、市場のボラティリティーが落ち着きを見せる中、日米金利差を背景とした円売り圧力も根強く、円の上値を抑えそうだ。


円は午前7時32分現在、対ドルで155円38銭で推移(9日午後5時時点は155円83銭)
9日の海外市場では一時155円95銭まで下落した後、下げ幅を縮小
  9日の為替相場はドルが主要16通貨に対してほぼ全面安。米新規失業保険申請件数が昨年8月以来の水準に悪化したことを受け、年内の利下げ観測が強まり、米国債利回りは低下した。米30年債入札が堅調だったことも金利低下に寄与し、ドルを押し下げた。円はドル安主導で海外時間序盤にかけての下げを縮小した。
円相場は米金利低下によるドル売り圧力に支えられるとみられるが、ボラティリティーの低下を背景に低金利の円を売って高金利のドルを買うキャリー取引の動きも出やすい。週末前で商業決済の多い五・十日(ごとおび)に当たることから、需給面でもドル買い・円売り圧力がかかりやすく、156円の節目を前に介入警戒感との綱引きの展開となりそうだ。

2024年05月09日

債券下落か、植田総裁講演受け先物夜間取引安い

9日の債券相場は下落が予想されている。日本銀行の植田和男総裁が利上げの前倒しに言及した8日夕の講演を受け、夜間取引の先物が売られた流れを引き継ぐ。米国で10年債入札の低調を背景に長期金利が上昇したことも相場の重しとなる。

物価見通しの上振れリスク大きくなれば「金利早めに調整」−日銀総裁

  日銀は午前8時50分に国債買い入れ方針などを据え置いた4月の金融政策決定会合の「主な意見」を公表する予定で、買い入れ減額や追加利上げに関する意見が注目される。

  三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、植田総裁講演と海外金利高を受けて相場は終日重い展開と予想。「植田総裁は岸田首相との会談後に発言トーンが変わった印象で、円安進行の影響があるだろう」と述べ、それに沿った内容が主な意見で出てくるかも注目だと言う。また、10日の30年国債入札に向けた調整で売られやすいとの見方も示した。

  同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.885〜0.910%(8日は0.875%で終了)、先物中心限月6月物は144円15銭〜144円46銭(同144円56銭)。

  先物夜間取引で6月物は8日の日中取引終値比20銭安の144円36銭で終えた。

2024年05月08日

FX投資家もついに円弱気、ドル買い・円売り比率が今年最高

通貨当局による円買い介入とみられる動きは、外国為替証拠金取引(FX)個人投資家に絶好のドルの買い場をもたらした。ゴールデンウイーク中のドル安・円高をきっかけに、個人投資家のドル買い・円売りのポジション比率は今年最高に膨らんだ。

  東京金融取引所によると、外国為替証拠金取引「くりっく365」での個人投資家のドル買い・円売りの持ち高は、当局による円買い介入が行われたとみられる4月29日や5月2日の早朝に円高が進行したことを受けて急激に増加。先週末3日時点で持ち高全体に対する比率は27.3%と、今年最高だ。
相場の流れに逆らう「逆張り」の取引スタイルで知られる日本の個人投資家は、世界の個人投資家関連FX取引のおよそ3割を占めるといわれている。国際通貨研究所の橋本将司上席研究員のリポートによると、東京外国為替市場委員会の集計をベースにした2023年4月の東京市場のスポット取引で、FX取引額は79%を占めた。

  日本銀行が公表した当座預金残高の増減要因見通しからは、政府・日銀は円買い介入を実施したとされている4月29日に5兆5000億円余りを投じたとみられ、1ドル=160円17銭だった円相場は154円54銭まで上昇した。5月2日には3兆5000億円程度を投入した可能性があり、157円台半ばから153円04銭まで上げた。その後は3日の米雇用統計を受けて151円86銭を付けた。

29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆

日本は約3.5兆円の為替介入実施した可能性、日銀当座預金見通し示唆

  市場ではイエレン米財務長官が為替介入に慎重な姿勢を示したことを受けて、介入継続に対する疑念が高まり、円は再び160円を試すとの見方が浮上している。神田真人財務官は7日午前、イエレン米財務長官の発言についてコメントを控えた上で、過度な変動によってファンダメンタルズからかい離する場合は適切な行動をとる考えを示した。

  外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、円急騰を受けた個人投資家は「待ちこがれていたものがようやく来たという感じだった」と話す。160円でドル売り・円買いポジションの損切りも出たとし、「介入を期待したポジションは悲喜こもごもで、152円付近でドルを買った人たちが一番うまくいった印象だ」と述べた。152円は22年、23年の対ドル安値も近く、ドル買い注文を置きやすかったと言う。

  ただ、個人投資家によるドル買い持ちの持続性は長くない可能性がある。2回目の介入が157円台で実施されたとみられるため、「155円台からは売り場探しとなり、157円に近づくと介入期待のドル売り・円買いに比率が傾く可能性がある」と外為どっとコムの神田氏は指摘した。
外為どっとコムの投資家のポジション動向では、4月29日の円反発を受けてドル買い・円売りの持ち高比率がドル売り・円買いの比率を逆転し、2日早朝の円上昇で年初来最高の67%台になった。3日に一時152円を割れた後も高水準を維持している。

2024年05月07日

円は対ドルで153円台後半、雇用統計受け米利下げ期待

7日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台後半で堅調に推移。市場予想を下回る雇用統計や連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言などを受けて米国の利下げ期待が高まり、ドルの重しになっている。日米金利差を背景とした円売り圧力が根強い一方、前週の市場で高まった2回の介入観測が円を下支えしている。


円相場は午前7時30分現在、対ドルで153円90銭(2日午後5時時点は155円50銭)
3日の米雇用統計発表後に一時151円86銭と4月10日以来の高値を付けたが、6日には一時154円01銭まで下落
  6日の米国市場で長期金利は4.49%程度と、4月上旬以来の低水準で終えた。3日の雇用統計発表後の金利低下基調が続いており、ドル指数も上値の重い展開となっている。金利スワップ市場では9月の利下げ確率が一時9割台まで上昇した。市場では、15日に発表される消費者物価指数(CPI)に注目が移っていきそうだ。

米雇用者数、6カ月ぶりの小幅な伸び−失業率は予想外に上昇

リッチモンド連銀総裁、金利上昇の本格的な影響はこれから表れる

  円相場は日本が連休中の3日に米雇用統計を受けて一時151円台まで上昇。その後は154円台まで徐々に上げ幅を縮めたが、介入警戒感が積極的な円売りを抑制している。日本が祝日だった4月29日と、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表後の日本時間2日早朝に円が急騰する場面があり、市場では政府・日本銀行が円買い介入を実施したとの見方が強い。

2024年05月06日

FRBの「データ次第」強迫観念に

S&P500種指数と米国債が1カ月ぶりに週間ベースで共に上昇
相反する経済指標がもたらすコストの大きさが一度ならず浮き彫りに
4月が終わり、5月に入った最初の週も経済指標が相反するシグナルを発し、データに依存する米連邦準備制度に先行しようとするウォール街のトレーダーに痛みを伴う教訓を与えた。

  インフレ懸念でクレジットや暗号資産(仮想通貨)から資金を引き揚げ、株式も手控えた後、S&P500種株価指数と米国債が1カ月ぶりに週間ベースの上昇で足並みをそろえ、弱気派は痛手を被った。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言と雇用情勢の軟化を示す統計が相場を後押しした。米政策金利の次の動きは表向き経済データ次第だが、そこに賭ける投資家にとって、相反する経済指標がもたらすコストの大きさが一度ならず浮き彫りになった。

  4月30日に発表された1−3月(第1四半期)の雇用コスト指数は1年ぶりの大幅上昇となり、米2年国債利回りは一時5%を上回った。しかし、週末に公表された4月の雇用統計では、平均時給の前年同月比上昇率が2021年以来で最も低い伸びにとどまり、米国債利回りは下げに転じた。

  小売売上高の増加が続く一方、1−3月の実質GDP(国内総生産)の伸びは鈍化した。一つ一つのデータが金融政策の決定に影響しかねないと確信するトレーダーにとって、日中の株価ボラティリティー指標の一つが昨年11月以降で最も高い水準に跳ね上がったことは混乱を招く。
英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジの学長で、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるモハメド・エラリアン氏はブルームバーグテレビジョンとの3日のインタビューで、「連邦準備制度が過度にデータに依存する不安が存在する。それは市場のボラティリティーを増大させる」と指摘した。

2024年05月05日

通貨安でGDPは上昇「いずれ1ドル110〜120円に落ち着く」

元財務相で経済学者の高橋洋一嘉悦大教授が4日、ABC「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」に出演。34年ぶりの円安が続く日本経済について、解説した。

 高橋氏は「円安上等 1ドル300円なら成長率20%」とぶち上げた。日本政府がドルを大量に保有しており、「円安のメリットを最も享受しているのは政府」として、現状で40兆円ほど儲けているとし、高橋氏は「円安埋蔵金」と命名。「儲けた分を国民に返せばいい」とした。

 G7の外貨準備対GDP比は、各国がほぼ5%以下なのに対して、日本だけは25%以上と突出している。

 各国の通貨は、安くなれば、GDPは上がるのが「世界の常識」という高橋氏。米国のトランプ前大統領は鉄鋼業界などを支持基盤にしていることなどから、ドル高円安の状況を「米国にとって大惨事」と憤慨している。

 対して、バイデン大統領がドル高の状況を是認。高橋氏はバイデン氏について、「気がつかない、単なるアホ。トランプははっきり言っていた。バイデンは無策だと。正しい」と断じた。

 その上で、「日米為替レートとマネタリーベース比の推移」という別のデータを示し、「いずれは1ドル110〜120円に落ち着く」と予想。さらにトランプ氏が11月の大統領選で再選すれば、円高に振れると話し、円安が永続的に続かないと予測した。

2024年05月04日

サマーズ氏、「円はどちらの方向にも動き得る」

日本政府・日銀が最近、大規模な為替介入を実施したと考えられているが、サマーズ元米財務長官は為替相場を動かす手段としての介入は効果が薄いと述べた。

  「資本市場の巨大さを考えれば、日本が実施したとされる規模でさえも介入は効果をもたらさないことは明らかと言えよう」とサマーズ氏はブルームバーグ・テレビジョンで発言。「民間セクターの資本フローが大きさで圧倒しているからだ」と続けた。

日本は約3.5兆円の為替介入実施した可能性、日銀当座預金見通し示唆

  ハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンに定期的に出演する同氏は「為替相場が通常の水準から大きくかい離すると、国家は介入する傾向がある」と指摘。「相場はその後、反対方向に動くことがある」として、「円相場が現行水準からさらに下がると確信を持って予想するのは避けたい。どちらの方向にも動き得るからだ」と述べた。

  サマーズ氏自身、財務省在任中の1990年代と2000年には主要7カ国(G7)によるユーロ買い協調介入を監督した経験がある。
「円が上昇したとしても、それは介入効果というより、これまでの動きに対する『反動』による部分の方がずっと大きいだろう」と述べた。

  同氏はまた、米経済においては為替レートに由来するディスインフレの衝動を見落としている専門家が多いとも指摘。

  「今のドルは極端に強い」とし、「実際のところ、ドルは単に強いだけではない。ドルは強さを増している」と発言。「それが米経済にディスインフレのバイアスを与えている」と説明した。

  一方でこの影響が弱まる可能性もあるとし、米連邦公開市場委員会(FOMC)にとってはインフレ率を目標の2%に下げる上で課題が増えることになると注意を促した。

  ドル高が「今後も続くとあてにできないだろう」とサマーズ氏。「FOMCが事態をやや静観し過ぎていると思われるのは、それも理由の一つだ」と述べた。

  現行の金利スタンスがどれほどタイトなのか、FOMCは判断を誤ったとの見方をサマーズ氏はあらためて示した。

FOMC、政策金利据え置き−インフレ沈静化の進展は失速 (3)

  「政策は有意に抑制的だとパウエル議長が確信を持っているならば、それは間違いだと私は考える」とサマーズ氏は話した。

  3日に発表された4月の雇用統計で雇用者数と賃金の増加ペース減速が示されたが、サマーズ氏は今週先に発表された単位労働コストを指摘し、「気がかりな高さだった」と述べた。
米雇用者数、6カ月ぶりの小幅な伸び−失業率は予想外に上昇 (3)

米国の単位労働コスト、1年ぶり大幅上昇−労働生産性の伸び減速 (1) 

  今週発表されたすべてのデータを総合すると、「今年は利下げなし、あるいはあってもほんの少しだろう」という週初めの感触にほとんど変わりはないとサマーズ氏は話した。

2024年05月03日

有名FXトレーダーが明かす“GWの悪夢”

異様な速さで円安が進んでいる。このところ1ドル155円前後で推移していた為替レートだが、4月26日(金)の日銀会合後の会見で植田和男総裁が“円安是認”とも取れる発言をした影響もあってか、未明には158円台、さらに連休中の29日(月)には一時160円を突破する“異常事態”となった。
FXトレーダーたちの悲鳴
 その後、一転して5円近く円高となり154円台をつけたことで、為替介入を疑う声も出ているが、この間、ネット上やSNSは“FXトレーダー”たちの悲鳴で埋め尽くされた。

「10年かけて貯めた500万円が人生初のロスカットで100万円以下に」
「27日の朝5時半にきた大暴騰でくらいました。-491万円!」
「もうどうでもよくなって全部損切り。年収よりも損切り額の方が大きい」

 中には、円安への対応策を示さない植田総裁や、なかなか為替介入に踏み切らない財務省の神田眞人財務官に向けた“呪詛の言葉”もちらほら……。

 そうした中でひと際注目を集めたのが、Xで写真付きで「-4155万円」のロスカットを報告した「あっきん」氏(@_akkin_nara)の投稿だった。

 元公務員トレーダーとしてFX界隈では名の知れた人物で、Xには「ついにあのあっきんさんもロスカットか…」といった反応も多く見られた。

 とはいえ、いったいなぜ、4000万円もの損切りをすることになったのか。FXトレーダーにとって、今回の円安がいかに想定外だったのか、あっきん氏本人に取材した。
27日未明に4155万円の強制ロスカット
 あっきん氏は41歳の経営者/トレーダーで、23歳の時に公務員を辞めるためにFXによる資産運用を開始。トレードの結果をブログやSNSで公表するスタイルに定評がある。

「私が持っていたポジションは“ユーロ売り/円買い”です。つまり、ユーロに対して円が値上がりすれば利益になるのですが、逆に円安が進むと損をしてしまうトレード。このポジションを持ち始めたのは2022年4月頃なので、約2年間含み損を抱えていたことになります。それがいよいよ強制ロスカットになったのが、27日未明のことでした」(あっきん氏)

 あっきん氏がもっとも取引量の多いドル/円ではなく、ユーロ/円でトレードしていたのは、このポジションを持っていた2022年の各国の金利差に理由がある。日本は当時、まだ-0.1%のマイナス金利。対するアメリカは2月には0.25%だった金利を、3月に0.5%、5月に1%、そして、6月に1.75%まで上昇させ、本格的な利上げ政策の途上にいた。

 外国通貨に対しショート(売り)ポジションで入る場合、円よりも金利が高い場合はその金利差によって生じるコストを支払う必要があり、逆にロング(買い)ポジションの場合は金利差によって生じた利益を、トレードによって生まれる利益とは別に受け取ることができる。これを「スワップ」と呼ぶ。

2024年05月02日

今後の短期金利、経済・物価情勢に応じ設定と複数委員

日本銀行が17年ぶりの利上げを決めた3月18、19日の金融政策決定会合で、先行きの短期金利はその時々の経済・物価情勢に応じて適切に設定していくことを、現時点では緩和的な金融環境が継続するとみていることとのバランスを取りながら情報発信していくことが重要との見解を何人かの委員が示した。2日に議事要旨を公表した。

他の発言
国債購入、能動的政策手段としては用いない−何人かの委員
将来的には国債買い入れを減額し、保有残高も縮小が望ましい−何人かの委員
今回、金融正常化のスタートラインに立つことが適当−1委員
米欧のような金融引き締め局面への転換とは異なる−何人かの委員
金融引き締めへのレジーム転換ではない、明確に伝えていくことが重要−1委員
  会合では世界最後のマイナス金利を解除し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入の終了も決定。国債買い入れは「これまでとおおむね同程度の金額で継続する」とし、足元では月間6兆円となっているとも注記した。2%の物価安定目標の実現が見通せる状況に至ったとする一方、「当面、緩和的な金融環境が継続する」ことも明記した。

  日銀の利上げにもかかわらず、日米金利差などを背景に円安が進行。4月26日の会合で日銀が政策を据え置いたこともあり、29日には34年ぶりの安値を更新する1ドル=160円17銭に下落し、直後に154円台に急騰するなど乱高下した。日銀当座預金残高の変化を基に、市場では5兆円規模の円買い介入が行われた可能性が大きいとみられており、1日の海外市場の取引終盤での円急伸に関しても介入観測が出ている。
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