FXトレーダーたちの悲鳴
その後、一転して5円近く円高となり154円台をつけたことで、為替介入を疑う声も出ているが、この間、ネット上やSNSは“FXトレーダー”たちの悲鳴で埋め尽くされた。
「10年かけて貯めた500万円が人生初のロスカットで100万円以下に」
「27日の朝5時半にきた大暴騰でくらいました。-491万円!」
「もうどうでもよくなって全部損切り。年収よりも損切り額の方が大きい」
中には、円安への対応策を示さない植田総裁や、なかなか為替介入に踏み切らない財務省の神田眞人財務官に向けた“呪詛の言葉”もちらほら……。
そうした中でひと際注目を集めたのが、Xで写真付きで「-4155万円」のロスカットを報告した「あっきん」氏(@_akkin_nara)の投稿だった。
元公務員トレーダーとしてFX界隈では名の知れた人物で、Xには「ついにあのあっきんさんもロスカットか…」といった反応も多く見られた。
とはいえ、いったいなぜ、4000万円もの損切りをすることになったのか。FXトレーダーにとって、今回の円安がいかに想定外だったのか、あっきん氏本人に取材した。
27日未明に4155万円の強制ロスカット
あっきん氏は41歳の経営者/トレーダーで、23歳の時に公務員を辞めるためにFXによる資産運用を開始。トレードの結果をブログやSNSで公表するスタイルに定評がある。
「私が持っていたポジションは“ユーロ売り/円買い”です。つまり、ユーロに対して円が値上がりすれば利益になるのですが、逆に円安が進むと損をしてしまうトレード。このポジションを持ち始めたのは2022年4月頃なので、約2年間含み損を抱えていたことになります。それがいよいよ強制ロスカットになったのが、27日未明のことでした」(あっきん氏)
あっきん氏がもっとも取引量の多いドル/円ではなく、ユーロ/円でトレードしていたのは、このポジションを持っていた2022年の各国の金利差に理由がある。日本は当時、まだ-0.1%のマイナス金利。対するアメリカは2月には0.25%だった金利を、3月に0.5%、5月に1%、そして、6月に1.75%まで上昇させ、本格的な利上げ政策の途上にいた。
外国通貨に対しショート(売り)ポジションで入る場合、円よりも金利が高い場合はその金利差によって生じるコストを支払う必要があり、逆にロング(買い)ポジションの場合は金利差によって生じた利益を、トレードによって生まれる利益とは別に受け取ることができる。これを「スワップ」と呼ぶ。
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