10年物日本国債利回り、現在の0.88%程度から2%に向かうと予想
RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは、円が乱高下し為替介入観測が広がる中で円に賭けてはいない。
マーク・ダウディング最高投資責任者(CIO)によれば、ブルーベイは26日、日本銀行の金利据え置きを受け、円高を見込んだ賭けを手じまいした。円相場は週明け29日に新たに34年ぶりの安値水準に下げた後、一時2.5%上昇した。これは日本の通貨当局の介入によるものだとの見方がトレーダーの間にある。同社は1140億ドル(約17兆8000億円)強の債券資産を運用する。
以前からブルーベイは、日銀の政策引き締めで日本国債は値下がりし、それに続く金利上昇が円の魅力を高めると主張してきた。だが、日本国債を引き続きショートにしているダウディング氏にとって、円押し上げに向けた日本の行動から得られそうな効果はコストに見合わなかった。
日本国債ショートが最善投資、日銀来週にも政策修正−ブルーベイ (3)
ダウディング氏は29日、自社のロンドンオフィスでのインタビューで、「介入を当てにした取引もできるが、かなりリスキーな領域にある」とし、「現在のように金利差が不利に働いている場合、円ロングは高くつくということだ」と語った。
同氏によれば、ブルーベイが直近で行ったユーロに対する円ロング構築の理由は、日欧間の金利差が米国に比べて小幅な点にある。同社は、日銀の政策決定直前にはロングポジションを選好するだろうが、タカ派的なシフトがなければ再び手じまいするだろうとも述べた。
日銀の26日の政策据え置き決定を受け、円安が再び加速した。日銀は長年にわたる異例の金融緩和策をより早急に終了させることを示唆し米国との金利差を縮小することで、円安に歯止めをかけるようとするのではとの観測が広がっていた。
「円を保有したくなる瞬間が来るのは確かだが、そのタイミングは選ぶことになり、そうした政策が実施されるタイミングを選ぶ必要がある」とダウディング氏は語った。
ブルーベイは2022年に日本国債相場の下落に賭けて利益を得たファンドの一つ。現在は関連ファンドの中でショートの配分を最大化しているとダウディング氏は説明した。10年物日本国債利回りは現在の0.88%程度から2%に向かうと予想している。
日本国債ビッグショート復活、日銀の負けに賭けるヘッジファンド (1)
同氏は日銀の26日の決定について、「もっと踏み込むべきだったという点で誤った」と指摘。「まるで日本の通貨当局が米国の景気減速と利下げを期待し、祈っているようなものだ。日本の政策行動ではなく米国の政策行動のおかげで金利差が縮小するのであれば、事実上、日本の通貨当局への圧力は緩和されるからだ」と論じた。
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