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2019年07月10日

「骨折ハイリスク患者では5年のビスホスホネート製剤使用後、さらに3〜5年使用しても良い」

「骨折ハイリスク患者では5年のビスホスホネート製剤使用後、さらに3〜5年使用しても良い」
腰痛.jpg

高骨折リスク患者とは、
既に椎体骨折、大腿骨近位部骨折の既往があったり、
プレドニン(副腎皮質ホルモン)7.5mg/日以上内服していたりするような患者です。
つまりビス剤は計8〜10年使用しても良いだろうというのです。

骨粗鬆症まとめです。

DXA法で腰椎と大腿骨頚部の骨密度を測定、OH(ビタミンD)トータル血中濃度を測定、
既存の骨折歴を聞いて、診断し、治療法を選択しています。

圧迫骨折で、ご本人あるいは家族で皮下注射が可能ならば、
フォルテオ(副甲状腺ホルモン)を使用しています。
副甲状腺ホルモンは”骨を破壊しろ”と破骨細胞に命令します。
骨が壊されると、ヒトの骨を作るスイッチが入ります。
これを毎日皮下注射してやると
骨を作り続けるので、本当に骨が強くなります。

ビスホスホネート製剤は、破骨細胞を抑制するので、壊れるスピードが遅くなり、
相対的に骨が強くなります。

転倒して、尻もちをつくと圧迫骨折、
横倒しに倒れると、大腿頚部骨折、
75歳前後からは骨折が残念ながら、ついてきます。

転倒の危険性を増やしている1つとして、
日本で安易に処方されているベンゾジアゼピン(精神安定剤とか入眠剤と言って処方されるもの)や、
日本でよくある polypharmacy (多数薬剤投与)が挙げられます。

最近、高齢者の交通事故が問題になっていますが、
認知症だけが問題なのではなく、
医師が安易に処方している眠剤や polypharmacy (多数薬剤投与)が
原因の可能性があります。
眠剤でなくとも 4 種、5 種類以上の polypharmacy (多数薬剤投与)は それだけで転倒の原因になります

以前「フラフラする」という主訴のおばあさんが外来に来られました。
他院で 6 種類ほどの、あまりコア薬でない薬を処方されていたので
全て切ってみたら途端に主訴は全くなくなりケロリと改善してしまいました。

またある総合病院の各科に受診されている患者さんの薬を調べたら
なんと1日27種類の薬を処方されていました。
『多数無責任体制』になっているのです。

米国では州により外来でのベンゾジアゼピン系の処方が禁じられています。
多彩な副作用があるからです。
どうしても眠剤を出すなら嗜癖性のない
デジレル(トラゾドン、抗うつ薬)かロゼレム(ラメルテオン、メラトニン受容体作動薬)
を処方するのです。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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