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2019年07月01日

左手(とリズムコントロール)は添えるだけ(解説:香坂 俊 氏)

(心房細動の治療で脚光を浴びているアブレーション治療だが、
再発率が75%、
対症療法であって、根治術ではないことが症例の集積によってわかってきた)


左手(とリズムコントロール)は添えるだけ(解説:香坂 俊 氏)−1036

提供元:臨床研究適正評価教育機構 公開日:2019/05/07

香坂 俊( こうさか しゅん ) 氏

慶應義塾大学 循環器内科 専任講師

J-CLEAR評議員

オリジナルニュース

症候性心房細動、即時的な洞調律復帰は必要か/NEJM(2019/04/03掲載)

心房細動(AF)治療は
カテーテルによる肺静脈焼灼術(いわゆるアブレーション)の登場により、ハート.jpg

多くのブレイクスルーが起きているかのように見えるが、
実をいうと「リズムコントロールで無理をしない」という軸はブレていない。

このことはつい最近結果が発表され巷で話題となっている
CABANA試験からも裏打ちされている
(10ヵ国126施設が参加した非盲検無作為化試験:
「症候性AFへのアブレーションの効果、CABANA試験で明らかに/JAMA」)。

今回発表されたRACE-7試験の結果も
この「リズムコントロールで無理をしない」
というコンセプトを急性期に拡張したものである
(新規発症AFに対して除細動による
リズムコントロールを行うべきかランダム化によって検討:
4週間後の洞調律維持率や心血管イベント発症率に有意な差を認めなかった)。

このRACE試験の系譜でもそうなのであるが、
今までAFでリズムコントロールが
レートコントロールに予後改善という側面で勝ったことはない。

現段階でリズムコントロール戦略は症状に応じて
「添えるだけ」という捉え方でよいのではないかと自分は考えている。

 現状のおおまかなAF治療方針
 1.血行動態が不安定なときは電気的除細動を考慮
 2.それ以外はレートコントロール(lenientでよい)
 3.長期的にはCHADS2-VAScに従って抗凝固薬を導入
 4.AFの症状が日常生活に影響を及ぼすようであればリズムコントロール
 5.その際は抗不整脈薬がダメなときに初めてアブレーション考慮
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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