2019年06月18日
高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイント
(どういう状態になっても身体を動かすことはいいことだ!)
第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイント【高齢者糖尿病診療のコツ】
公開日:2019/04/16
患者さんごとに「個別の治療」、「個別の管理目標」が求められる高齢者の糖尿病診療。
判断に迷う場面も多いのではないでしょうか。
事前アンケートで寄せられた、
高齢者特有の問題に対する診療上の迷いや疑問に、
東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科の先生方が回答します。
Q4 転倒・骨折リスク低減に、推奨できる運動はありますか?
転倒・骨折リスクの低減には、バランス運動が効果的です。
例えば片足立ちは、体幹を支える大腿四頭筋の筋力維持に有効です。
転倒防止に机や椅子につかまって行っても構わないので、
片足立ちを左右30秒ずつ、1日3回程度から開始して、
徐々に時間を延ばしていきます。
これらの運動は道具も不要で膝などへの負担も少ないため、取り組みやすく、おススメです。
最近では、慢性腎臓病においても運動は腎機能を悪化させず、一部は改善するという報告があります。
また、定期的な運動を行っている血液透析患者の生命予後は、
運動を行っていない患者に勝るという報告もあります7)。
合併症があり、思うように運動できない場合でも、
「家の中の掃除や簡単な料理など、家事を行ってみる」ところから始めて、
「少しでも外出してみる」方向へ進み、徐々に自信がついてから、
「これなら続けられる」と感じて自己効力感を高めていくことができれば、
運動の効果が期待できると思います。
また、1つの運動に飽きてしまったら、いくらでも別の運動に変えていって構いません。
高齢糖尿病患者に対する運動療法の目的は、
健康寿命を延ばすことです。
個人差が大きいため、個々に合った運動療法が見つかるまで色々な方法を提案し、その中から患者さん自身が選び、継続していけるようになることが望ましいでしょう。
参考文献
1) Singh NA, et al. J Am Med Dir Assoc.2012; 13: 24-30.
2) Lee J, et al. Diabetes Therapy.2017; 8: 459-473.
3) Liao C-D, et al. Nutrients.2018.Dec 4[Epub ahead of print]
4) Yardley JE, et al. Diabetes Care.2012; 35: 669-675.
5) Okamoto T, et al. J Appl Physiol.2007; 103: 1655-1661.
6) Levine JA, et al. Science.2005; 307: 584-586.
7) Greenwood SA, et al. J Kidney Dis.2015; 65: 425-434.
第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイント【高齢者糖尿病診療のコツ】
公開日:2019/04/16
患者さんごとに「個別の治療」、「個別の管理目標」が求められる高齢者の糖尿病診療。
判断に迷う場面も多いのではないでしょうか。
事前アンケートで寄せられた、
高齢者特有の問題に対する診療上の迷いや疑問に、
東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科の先生方が回答します。
Q4 転倒・骨折リスク低減に、推奨できる運動はありますか?
転倒・骨折リスクの低減には、バランス運動が効果的です。
例えば片足立ちは、体幹を支える大腿四頭筋の筋力維持に有効です。
転倒防止に机や椅子につかまって行っても構わないので、
片足立ちを左右30秒ずつ、1日3回程度から開始して、
徐々に時間を延ばしていきます。
これらの運動は道具も不要で膝などへの負担も少ないため、取り組みやすく、おススメです。
最近では、慢性腎臓病においても運動は腎機能を悪化させず、一部は改善するという報告があります。
また、定期的な運動を行っている血液透析患者の生命予後は、
運動を行っていない患者に勝るという報告もあります7)。
合併症があり、思うように運動できない場合でも、
「家の中の掃除や簡単な料理など、家事を行ってみる」ところから始めて、
「少しでも外出してみる」方向へ進み、徐々に自信がついてから、
「これなら続けられる」と感じて自己効力感を高めていくことができれば、
運動の効果が期待できると思います。
また、1つの運動に飽きてしまったら、いくらでも別の運動に変えていって構いません。
高齢糖尿病患者に対する運動療法の目的は、
健康寿命を延ばすことです。
個人差が大きいため、個々に合った運動療法が見つかるまで色々な方法を提案し、その中から患者さん自身が選び、継続していけるようになることが望ましいでしょう。
参考文献
1) Singh NA, et al. J Am Med Dir Assoc.2012; 13: 24-30.
2) Lee J, et al. Diabetes Therapy.2017; 8: 459-473.
3) Liao C-D, et al. Nutrients.2018.Dec 4[Epub ahead of print]
4) Yardley JE, et al. Diabetes Care.2012; 35: 669-675.
5) Okamoto T, et al. J Appl Physiol.2007; 103: 1655-1661.
6) Levine JA, et al. Science.2005; 307: 584-586.
7) Greenwood SA, et al. J Kidney Dis.2015; 65: 425-434.
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8892942
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック