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2019年06月15日

『延命治療のお話』

『延命治療のお話』
スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草(268)
公開日:2019/04/18 企画・制作 ケアネット

ニ百六十八の段 延命治療のお話
外来診療をしていると、たまに延命治療の話になることがあります。

主として高齢女性の場合です。

「体が不自由になってまで生きたくない」

「頭がボケてまで生きたくない」

「だから、延命治療はやめて欲しい」

だいたいこんな感じ。

こういう話が出たら、ちょうどいいタイミングなのでご本人の意思を確認します。

こういったイメージでしょうか。

「皆さん、そうおっしゃいますよ」

「線を引くとしたら、自分で食べて自分でトイレに行けるかどうか、その辺ですかね」

ここは個人個人で違うので、本人の意思確認が必要です。

四肢麻痺の寝たきり状態になっても生きたいという人もいるのは事実。

さらに必要な確認があります。

DNR(Do Not Resuscitate:蘇生処置拒否)とか、そんな大げさな話ではありません。

何をもって延命治療と称するのか、です。

痛いこと、苦しいこと。

それがキーワードだと私は思います。

「回復して自立できる見込みが高ければ、つらい治療でも耐える」

「寝たきりの可能性が高ければ痛い治療は勘弁して欲しい」

「奇跡的に回復するかもしれないので、苦しくない治療は続けて欲しい」

その辺が最も多いようです。よく、

「挿管はどうしましょう、心臓マッサージはどうしましょう、昇圧剤はどうしましょう」

と尋ねる先生がいますが、そもそも挿管の何たるか、心臓マッサージの何たるかから説明しなくてはなりません。

忙しい外来でできたモンじゃないし、何か違和感があります。

どの程度まで回復したら意味があると思うのか
痛いこと、苦しいこと、も我慢するのか
その辺だけ確認しておきます。


確認するだけでなく、カルテにも書きます。

後は、自分が意思表示できなくなったら誰に意思決定を頼むか?

それも大切です。

とはいえ、いざ重大な局面になると何も決められない人が多いのが現実。

だから、本人の意思を確認してカルテに書いておきます。

そうそう、1つ大切な事を忘れていました。

「いよいよの時は苦しみだけはとって欲しい」

これを言う人もすごく多いですね。

最も大切なことかもしれません。

ということで最後に1句

『幕引きも 準備が大切 心せよ』

中島 伸 ( なかじま しん ) 氏
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 脳神経外科、総合診療科

[略歴]
昭和34年神戸市生まれ。昭和59年大阪大学医学部卒業。麻酔科、脳神経外科、放射線科、救急などで研修する。平成6年〜9年の間、米国ボストンのハーバード大学およびブリガム・アンド・ウイミンズ病院に留学した。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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