2019年03月22日
清潔すぎる環境は、健康へのリスクとなります
すずひろクリニックHPから転写(内科・リウマチ科・アレルギー科・皮膚科 さいたま市)
https://suzuhiro-clinic.com/index.html
アレルギー疾患
花粉、食べ物、ハウスダストなどの様々な特定の抗原が体内に侵入してくると、前触れなく、過敏な反応が出現するのがアレルギー疾患です。
アレルギー疾患に対して、一般的には、抗アレルギー薬が用いられます。
この薬剤により、一定の効果は得られます。花粉症の時期には、大切な薬です。
しかし、アレルギー反応が出やすい間は、薬剤を使用し続けなければならないというデメリットもあります。また、この薬剤は、対症療法薬であり、アレルギー体質そのものを改善する効果はありません。
アレルギー疾患の分野において、近年、「衛生仮説」という学説が注目されています。
第二次世界大戦後、衛生状態が急速に良くなって、
寄生虫やさまざまな感染症が身近から消えてしまったことが、
アレルギー疾患が増えた大きな要因であるという学説です。
本来は、寄生虫やダニなどの排除をするために働いて体を守ることに役立っていたIgEを主体とした免疫系の一部が、
バリア機能のない皮膚から入ってきた抗原を誤って敵として認識し、攻撃するようになったのがアレルギー疾患である、という考え方です。
これは、衛生環境の良い米国内で居住することが、アレルギー疾患を発症するリスクそのものになっていることを示しています。
日本も、衛生環境は米国同様良好ですので、「現代の日本国内で居住することは、アレルギー疾患を発症するリスクそのものである」と考えられます。すなわち、「きれいすぎる環境の中で生活すると、アレルギー疾患を発病する」、ということです。
実際、当院においても、本国(東アジアや東南アジア)に住んでいるときは、もともとアレルギー疾患はなかったのに、来日し、日本国内に在住するようになってから、アレルギー疾患を発病された症例を多数拝見しています。
日本では、アレルギー疾患が急激に増加しはじめた昭和30年代半ばより以前の環境、
すなわち、特定の感染症や寄生虫症が、広く蔓延していた環境(=一般的には劣悪と考えられている環境)、の中で生活していたことが、アレルギー疾患の発症の予防に極めて役に立っていたと考えられます。
2013欧州呼吸器学会においても、就学前に農村で暮らした子どもは学齢期のアレルギー性鼻炎が7割減ることが示されています。
清潔すぎない生活環境で暮らした子どもはアレルギー疾患にかかりにくいという「衛生仮説」を裏付ける成果の1つとして注目されます。
日本においては、花粉症発症の低年齢化、発症頻度の上昇が認められています。
現在、50歳以上の方は、ご自分が幼小児期のころと、現代では、生活環境の衛生度において、隔世の感を感じておられると思います。
清潔で快適な生活環境に慣れた現代の日本人は、50年以上前の日本の環境の中では、生活することはほぼ不可能です。
1960年以前の日本人の生活環境を想像する自体が、かなり困難です。
当時を撮影した記録映画、ドキュメンタリー、NHKアーカイブズなどを見て、実感するのがベストです。
未開の国かと思われること必須です。
1970年以降に日本の都市部に生まれた方は、
すでに生まれたときから、衛生環境が飛躍的に向上していました。
清潔な環境の中で生活することに慣れているため、
「その清潔すぎる環境は、健康へのリスクとなります」というメッセージを、実感を伴って理解されることは困難です。
『衛生仮説』は、もともと1989年にストラカン(英国の疫学者)が提唱した概念で「感染症が多い環境の方がアレルギーが少ない」という報告に端を発する(管理人註)
https://suzuhiro-clinic.com/index.html
アレルギー疾患
花粉、食べ物、ハウスダストなどの様々な特定の抗原が体内に侵入してくると、前触れなく、過敏な反応が出現するのがアレルギー疾患です。
アレルギー疾患に対して、一般的には、抗アレルギー薬が用いられます。
この薬剤により、一定の効果は得られます。花粉症の時期には、大切な薬です。
しかし、アレルギー反応が出やすい間は、薬剤を使用し続けなければならないというデメリットもあります。また、この薬剤は、対症療法薬であり、アレルギー体質そのものを改善する効果はありません。
アレルギー疾患の分野において、近年、「衛生仮説」という学説が注目されています。
第二次世界大戦後、衛生状態が急速に良くなって、
寄生虫やさまざまな感染症が身近から消えてしまったことが、
アレルギー疾患が増えた大きな要因であるという学説です。
本来は、寄生虫やダニなどの排除をするために働いて体を守ることに役立っていたIgEを主体とした免疫系の一部が、
バリア機能のない皮膚から入ってきた抗原を誤って敵として認識し、攻撃するようになったのがアレルギー疾患である、という考え方です。
これは、衛生環境の良い米国内で居住することが、アレルギー疾患を発症するリスクそのものになっていることを示しています。
日本も、衛生環境は米国同様良好ですので、「現代の日本国内で居住することは、アレルギー疾患を発症するリスクそのものである」と考えられます。すなわち、「きれいすぎる環境の中で生活すると、アレルギー疾患を発病する」、ということです。
実際、当院においても、本国(東アジアや東南アジア)に住んでいるときは、もともとアレルギー疾患はなかったのに、来日し、日本国内に在住するようになってから、アレルギー疾患を発病された症例を多数拝見しています。
日本では、アレルギー疾患が急激に増加しはじめた昭和30年代半ばより以前の環境、
すなわち、特定の感染症や寄生虫症が、広く蔓延していた環境(=一般的には劣悪と考えられている環境)、の中で生活していたことが、アレルギー疾患の発症の予防に極めて役に立っていたと考えられます。
2013欧州呼吸器学会においても、就学前に農村で暮らした子どもは学齢期のアレルギー性鼻炎が7割減ることが示されています。
清潔すぎない生活環境で暮らした子どもはアレルギー疾患にかかりにくいという「衛生仮説」を裏付ける成果の1つとして注目されます。
日本においては、花粉症発症の低年齢化、発症頻度の上昇が認められています。
現在、50歳以上の方は、ご自分が幼小児期のころと、現代では、生活環境の衛生度において、隔世の感を感じておられると思います。
清潔で快適な生活環境に慣れた現代の日本人は、50年以上前の日本の環境の中では、生活することはほぼ不可能です。
1960年以前の日本人の生活環境を想像する自体が、かなり困難です。
当時を撮影した記録映画、ドキュメンタリー、NHKアーカイブズなどを見て、実感するのがベストです。
未開の国かと思われること必須です。
1970年以降に日本の都市部に生まれた方は、
すでに生まれたときから、衛生環境が飛躍的に向上していました。
清潔な環境の中で生活することに慣れているため、
「その清潔すぎる環境は、健康へのリスクとなります」というメッセージを、実感を伴って理解されることは困難です。
『衛生仮説』は、もともと1989年にストラカン(英国の疫学者)が提唱した概念で「感染症が多い環境の方がアレルギーが少ない」という報告に端を発する(管理人註)
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