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2019年03月06日

心臓超音波検査;心エコー(UCG)の僧帽弁逆流速度が患者の予後に直結!

心臓超音波検査;心エコー(UCG)の僧帽弁逆流速度が患者の予後に直結!

高齢化の進展により弁膜症患者数は増加しており、中でも『僧帽弁逆流症(閉鎖不全症)』は最もよくみられる弁膜症の一つ

心機能が低下したり心房細動や肺高血圧症などの合併症が生じたりした場合に、手術を検討していた。
国循E波、E波と予後.jpg

国立循環器病研究センター(国循)で
2012年から2015年までに心エコー図検査を実施した僧帽弁逆流症患者1,312名のうち、
無症状の器質性僧帽弁逆流症患者188名について僧帽弁通過血流速度(注1)と予後の関係について解析した。

その結果、僧帽弁通過血流速度のE波が大きい患者ほど、
心血管死やうっ血性心不全、左室機能低下、心房細動、肺高血圧症などの心血管イベントを有意に多く発症することが明らかになった。

今後の展望・課題

E波の測定は、他の心エコーによる逆流の評価法と比べて、より簡便かつ測定者間での誤差が非常に少ないため、今後、適切な治療時期や治療法を検討するに当たり、広く活用できる指標となると考えられる。

2018年4月よりわが国でも僧帽弁逆流症に対するカテーテル治療「MitraClipレジスタードマーク」が保険償還されており、
今後「MitraClipレジスタードマーク」も含めた僧帽弁逆流症の治療指針となる弁膜症治療ガイドライン策定等にも役立つことが期待されている。

(注1)僧帽弁通過血流速度

左心房から左心室に向かって僧帽弁を通過する血流のスピード。心エコー図検査で「パルスドプラ法」を用いて計測したものが左室流入血流波形で(図1)、非常に簡便性の高いエコー指標である。E波は、僧帽弁逆流症の患者では大きくなるということは知られていたが、予後予測因子として使えるかどうかの検証は行われていなかった。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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