2019年02月25日
突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード
船員の外傷、疾病を見たことがありますが、通関の職員の方がついてきてくれたのと、勤務医ですので、支払いのことまで気が回りませんでした。
突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード
公開日:2017/10/13 企画・制作 ケアネット
訪日外国人の増加に伴い、医療機関でも外国人患者さんへ対応する機会が増えることが予想されています。
しかし言語や文化の違いから、思わぬ事態に発展することも珍しくありません。
本コラムでは、医療機関での体制作りの参考としていただくために、全国の医療機関に医療通訳サービスを提供する一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチの澤田 真弓氏に実際にあった事例を紹介していただきます。
第7回 訪日外国人患者の医療費で未収を発生させないために
<Case7>
高齢の中国人夫婦が来院。妻が骨折と診断され手術が必要となり、すぐに入院することになりました。
医事課職員が概算医療費(※約300万円)の提示と支払い方法の確認をしたところ、夫婦が持っているカードは中国国内で主にデビットカードとして発行されている「銀聯(ぎんれん)カード」のみでした。
病院の会計では銀聯カードの決済対応はしておらず…。
※日本国民は、通常3割負担なので、自己負担額は、90万。
65歳以上が60万、75歳以上で30万円、
所得により、上限10万円、20万円までの負担なので、それ以上は後日還付されます(入院する前に市役所で手続を取っておけば、3ヶ月を待たずに、最初から上限額でOKになります)管理人注。
対談相手
市立千歳市民病院
事務局次長 貫田 雅寿 氏
事務局総務課調整係 係長 黒田 尚樹 氏
事務局医事課医事係 主任 菊地 真一 氏
JIGH:今回は、北海道千歳市の市立千歳市民病院事務局の貫田さん、黒田さん、菊地さんにお話を伺います。このご夫婦の支払いはどうなったのでしょうか。
菊地:支払い方法について相談した結果、コンビニATMで引き出し限度額を毎日引き出してもらうことで、何とか退院日までに全額をお支払いいただくことができました。
JIGH:北海道では訪日外国人数が右肩上がりで増加しており、「外国人患者さんの受け入れ」は注目度の高いトピックだと伺っています。この事例では、会計時の支払いについての課題が浮き彫りになっていますね。
菊地:私たちの病院は空港のすぐ近くにあるので、患者さんが空港から運ばれてきたり、帰国直前の患者さんが来院したりすることがあります。
そういった方々は手元に現金(日本円)がなかったり、この事例のように利用できるクレジットカードを持っていなかったりして、医療費の未払いが発生するリスクがどうしてもあります。
JIGH:医療費の未払い防止のため、何か対策は取られているのでしょうか。
貫田:今回紹介した事例を受け、銀聯カード決済の導入を決定しました。
北海道にはアジア圏からの観光客が多く、実際に銀聯カードしか持っていないという方も多くいらっしゃいます。
銀聯カードの決済手数料は少し高いのですが、患者さんに対するサービス向上という側面のほかに、高額となる医療費の未払いリスクを回避するという点でメリットの方が勝るという判断で、導入しました。
JIGH:先進的な取り組みですね。導入後の利用状況はいかがですか。
黒田:これまで実際に銀聯カードで決済をされた患者さんは、1名です。
ただ、この患者さんは脳神経外科での手術が必要で、医療費は700万円と高額でした。
利用実績は少ないものの、今後もいつ発生するか分からない高額医療費の未収を防ぐための、体制整備という意味合いが大きいですね。
JIGH:銀聯カードへの対応のほか、未収金発生防止のために取り組まれていることがあれば教えてください。
菊地:外国人患者さんが受診されたら、
まず医事課職員が医療費の概算を事前に提示し、支払い方法について確認します。
保険に加入されている外国人患者さんは、肌感覚では4割程度という印象です。
ただしほとんどの場合、いったんは患者さんが医療機関に医療費を支払う保険内容になっているので、どうしても患者さんに支払い義務が発生します。
そのため事前のオペレーションを徹底し、患者さんに納得していただくことで、未払いリスクを回避するようにしています。
JIGH:やはり体制整備が重要ということですね。本日はありがとうございました。
<本事例からの学び>
訪日外国人患者さんの医療費未払い防止には、多様な支払い方法への対応と、事前の概算確認が重要!
澤田 真弓 ( さわだ まゆみ ) 氏
一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ / mediPhone 理事 CEO
[略歴]
東京外国語大学 外国語学部 欧米第一課程 英語専攻卒業。北京大学漢語進修プログラム修了後、インペリアルカレッジロンドンにて経営学修士号取得。帰国後、グーグル株式会社を経て、JIGHに参画。2014年、電話医療通訳のmediPhone(メディフォン)を立ち上げ、全国の医療機関に予約なしで、電話1本でつながる医療通訳サービスを提供する。利用施設数は300以上(2017年2月時点)。10言語に対応(英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ヒンディー語・タイ語・ロシア語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語)。
突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード
公開日:2017/10/13 企画・制作 ケアネット
訪日外国人の増加に伴い、医療機関でも外国人患者さんへ対応する機会が増えることが予想されています。
しかし言語や文化の違いから、思わぬ事態に発展することも珍しくありません。
本コラムでは、医療機関での体制作りの参考としていただくために、全国の医療機関に医療通訳サービスを提供する一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチの澤田 真弓氏に実際にあった事例を紹介していただきます。
第7回 訪日外国人患者の医療費で未収を発生させないために
<Case7>
高齢の中国人夫婦が来院。妻が骨折と診断され手術が必要となり、すぐに入院することになりました。
医事課職員が概算医療費(※約300万円)の提示と支払い方法の確認をしたところ、夫婦が持っているカードは中国国内で主にデビットカードとして発行されている「銀聯(ぎんれん)カード」のみでした。
病院の会計では銀聯カードの決済対応はしておらず…。
※日本国民は、通常3割負担なので、自己負担額は、90万。
65歳以上が60万、75歳以上で30万円、
所得により、上限10万円、20万円までの負担なので、それ以上は後日還付されます(入院する前に市役所で手続を取っておけば、3ヶ月を待たずに、最初から上限額でOKになります)管理人注。
対談相手
市立千歳市民病院
事務局次長 貫田 雅寿 氏
事務局総務課調整係 係長 黒田 尚樹 氏
事務局医事課医事係 主任 菊地 真一 氏
JIGH:今回は、北海道千歳市の市立千歳市民病院事務局の貫田さん、黒田さん、菊地さんにお話を伺います。このご夫婦の支払いはどうなったのでしょうか。
菊地:支払い方法について相談した結果、コンビニATMで引き出し限度額を毎日引き出してもらうことで、何とか退院日までに全額をお支払いいただくことができました。
JIGH:北海道では訪日外国人数が右肩上がりで増加しており、「外国人患者さんの受け入れ」は注目度の高いトピックだと伺っています。この事例では、会計時の支払いについての課題が浮き彫りになっていますね。
菊地:私たちの病院は空港のすぐ近くにあるので、患者さんが空港から運ばれてきたり、帰国直前の患者さんが来院したりすることがあります。
そういった方々は手元に現金(日本円)がなかったり、この事例のように利用できるクレジットカードを持っていなかったりして、医療費の未払いが発生するリスクがどうしてもあります。
JIGH:医療費の未払い防止のため、何か対策は取られているのでしょうか。
貫田:今回紹介した事例を受け、銀聯カード決済の導入を決定しました。
北海道にはアジア圏からの観光客が多く、実際に銀聯カードしか持っていないという方も多くいらっしゃいます。
銀聯カードの決済手数料は少し高いのですが、患者さんに対するサービス向上という側面のほかに、高額となる医療費の未払いリスクを回避するという点でメリットの方が勝るという判断で、導入しました。
JIGH:先進的な取り組みですね。導入後の利用状況はいかがですか。
黒田:これまで実際に銀聯カードで決済をされた患者さんは、1名です。
ただ、この患者さんは脳神経外科での手術が必要で、医療費は700万円と高額でした。
利用実績は少ないものの、今後もいつ発生するか分からない高額医療費の未収を防ぐための、体制整備という意味合いが大きいですね。
JIGH:銀聯カードへの対応のほか、未収金発生防止のために取り組まれていることがあれば教えてください。
菊地:外国人患者さんが受診されたら、
まず医事課職員が医療費の概算を事前に提示し、支払い方法について確認します。
保険に加入されている外国人患者さんは、肌感覚では4割程度という印象です。
ただしほとんどの場合、いったんは患者さんが医療機関に医療費を支払う保険内容になっているので、どうしても患者さんに支払い義務が発生します。
そのため事前のオペレーションを徹底し、患者さんに納得していただくことで、未払いリスクを回避するようにしています。
JIGH:やはり体制整備が重要ということですね。本日はありがとうございました。
<本事例からの学び>
訪日外国人患者さんの医療費未払い防止には、多様な支払い方法への対応と、事前の概算確認が重要!
澤田 真弓 ( さわだ まゆみ ) 氏
一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ / mediPhone 理事 CEO
[略歴]
東京外国語大学 外国語学部 欧米第一課程 英語専攻卒業。北京大学漢語進修プログラム修了後、インペリアルカレッジロンドンにて経営学修士号取得。帰国後、グーグル株式会社を経て、JIGHに参画。2014年、電話医療通訳のmediPhone(メディフォン)を立ち上げ、全国の医療機関に予約なしで、電話1本でつながる医療通訳サービスを提供する。利用施設数は300以上(2017年2月時点)。10言語に対応(英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ヒンディー語・タイ語・ロシア語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語)。
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