2019年02月22日
小児のNAFLDが低糖食で有意に改善
大人もまねしよう!
小児のNAFLD(脂肪が肝臓にたまるでけではなく、肝細胞がどんどん破壊される状態)が加糖の食品・飲料、天然の甘いフルーツジュースから一般的に摂取されるグルコース、フルクトース、スクロースを減少させるだけで、著明に改善!
小児のNAFLDが低糖食で有意に改善
2019年02月07日 17:31
Getty Images OcusFocus
小児の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は2型糖尿病、末期肝疾患、肝がん、心血管疾患のリスク増加と関連することから、長期的な健康には診断と迅速な治療が非常に重要となる。
米・Emory UniversityのMiriam B. Vos氏らは、10歳代の男子を対象にランダム化臨床試験を実施した結果、遊離糖(グルコースなど)の少ない低糖食は通常の食事と比較してNAFLDを有意に改善したとJAMA(2019; 321: 256-265)に報告した。
低糖食の効果はこれまで未証明
米国ではNAFLDの罹患率が1988年から2010年にかけて顕著に上昇し、小児で最も多い肝疾患となっている。男子の方が女子より多く、他の人種や民族に比べてヒスパニック系が多い。
Vos氏は今回の研究の背景について、「NAFLDの小児診療ガイドラインでは健康的な食事が推奨されているが、多量の糖が添加された食事や飲料を集中的に減らすことが有効な治療であることはこれまで証明されていなかった」と説明している。
今回の試験は、NAFLDの男子(11〜16歳)40例(ヒスパニック系が95%)を対象として2015年8月〜17年7月に実施された。
対象は低糖食群と対照群に1:1でランダムに割り付けられ、低糖食群は遊離糖含有量の少ない食事(1日のカロリー摂取量の3%未満)を家族とともに摂取し、対照群は各自の通常の食事を摂取した。週2回の電話で摂食の遵守状況が確認された。
低糖食群では、加糖の食品・飲料、天然の甘いフルーツジュースから一般的に摂取されるグルコース、フルクトース、スクロースを減少させることで、食事中の遊離糖を減少させた。
脂肪肝が顕著に改善
主要評価項目は8週間後の脂肪肝の変化とし、肝臓中の脂質を定量するMRIプロトン密度脂肪画分測定と呼ばれる最先端の正確な方法により測定した。
その結果、
ベースラインから8週間後の脂肪肝の減少幅は
対照群の21%→20%に対し、
低糖食群では25%→17%と有意に大きく、
調整後の平均差は−6.23%
(95%CI −9.45〜−3.02%、P<0.001)であった。
この他、12の副次評価項目も測定され、そのうち5つは有意な変化が認められた。
ALT値やコレステロール値の低下は、対照群より低糖食群の方が有意に大きかった。
また、低糖食群における低糖食遵守の状況は良好で、20例中18例が期間中、遊離糖からのカロリー摂取は3%未満であったと報告した。試験参加による有害事象は見られなかった。
今回の研究結果について、Vos氏は「低糖食を摂取したNAFLD児では、肝臓の脂肪と炎症がいずれも顕著に改善された。この結果に、われわれは興奮している」としながらも、「今後、より長期の試験を実施し、低糖食がNAFLDの"治癒"に十分かどうかを確認する必要がある」と述べている。
現実的な方法の確立が課題
筆頭研究者でUniversity of California, San DiegoのJeffrey B. Schwimmer氏は「医師が患者や家族にカウンセリングを提供しても、効果的な低糖食を長期間続けることは非常に難しい」と注意した上で、「今回、研究チームが全ての食事の計画、購入、提供を行った場合、患児とその家族は8週間まで低遊離糖食を続けられることが示された。あまり実用的な介入法とはいえないが、この種の介入は少なくとも短期的にはNAFLDのバイオマーカーを低下させることが示された」と指摘。
また、「男子と女子、さらには全ての民族で長期的な臨床的利益を示すため、また実際の診療で患者に低遊離糖食を実現するにはどうすればよいかを解決するため、さらなる研究が必要だ」と述べている。
小児のNAFLD(脂肪が肝臓にたまるでけではなく、肝細胞がどんどん破壊される状態)が加糖の食品・飲料、天然の甘いフルーツジュースから一般的に摂取されるグルコース、フルクトース、スクロースを減少させるだけで、著明に改善!
小児のNAFLDが低糖食で有意に改善
2019年02月07日 17:31
Getty Images OcusFocus
小児の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は2型糖尿病、末期肝疾患、肝がん、心血管疾患のリスク増加と関連することから、長期的な健康には診断と迅速な治療が非常に重要となる。
米・Emory UniversityのMiriam B. Vos氏らは、10歳代の男子を対象にランダム化臨床試験を実施した結果、遊離糖(グルコースなど)の少ない低糖食は通常の食事と比較してNAFLDを有意に改善したとJAMA(2019; 321: 256-265)に報告した。
低糖食の効果はこれまで未証明
米国ではNAFLDの罹患率が1988年から2010年にかけて顕著に上昇し、小児で最も多い肝疾患となっている。男子の方が女子より多く、他の人種や民族に比べてヒスパニック系が多い。
Vos氏は今回の研究の背景について、「NAFLDの小児診療ガイドラインでは健康的な食事が推奨されているが、多量の糖が添加された食事や飲料を集中的に減らすことが有効な治療であることはこれまで証明されていなかった」と説明している。
今回の試験は、NAFLDの男子(11〜16歳)40例(ヒスパニック系が95%)を対象として2015年8月〜17年7月に実施された。
対象は低糖食群と対照群に1:1でランダムに割り付けられ、低糖食群は遊離糖含有量の少ない食事(1日のカロリー摂取量の3%未満)を家族とともに摂取し、対照群は各自の通常の食事を摂取した。週2回の電話で摂食の遵守状況が確認された。
低糖食群では、加糖の食品・飲料、天然の甘いフルーツジュースから一般的に摂取されるグルコース、フルクトース、スクロースを減少させることで、食事中の遊離糖を減少させた。
脂肪肝が顕著に改善
主要評価項目は8週間後の脂肪肝の変化とし、肝臓中の脂質を定量するMRIプロトン密度脂肪画分測定と呼ばれる最先端の正確な方法により測定した。
その結果、
ベースラインから8週間後の脂肪肝の減少幅は
対照群の21%→20%に対し、
低糖食群では25%→17%と有意に大きく、
調整後の平均差は−6.23%
(95%CI −9.45〜−3.02%、P<0.001)であった。
この他、12の副次評価項目も測定され、そのうち5つは有意な変化が認められた。
ALT値やコレステロール値の低下は、対照群より低糖食群の方が有意に大きかった。
また、低糖食群における低糖食遵守の状況は良好で、20例中18例が期間中、遊離糖からのカロリー摂取は3%未満であったと報告した。試験参加による有害事象は見られなかった。
今回の研究結果について、Vos氏は「低糖食を摂取したNAFLD児では、肝臓の脂肪と炎症がいずれも顕著に改善された。この結果に、われわれは興奮している」としながらも、「今後、より長期の試験を実施し、低糖食がNAFLDの"治癒"に十分かどうかを確認する必要がある」と述べている。
現実的な方法の確立が課題
筆頭研究者でUniversity of California, San DiegoのJeffrey B. Schwimmer氏は「医師が患者や家族にカウンセリングを提供しても、効果的な低糖食を長期間続けることは非常に難しい」と注意した上で、「今回、研究チームが全ての食事の計画、購入、提供を行った場合、患児とその家族は8週間まで低遊離糖食を続けられることが示された。あまり実用的な介入法とはいえないが、この種の介入は少なくとも短期的にはNAFLDのバイオマーカーを低下させることが示された」と指摘。
また、「男子と女子、さらには全ての民族で長期的な臨床的利益を示すため、また実際の診療で患者に低遊離糖食を実現するにはどうすればよいかを解決するため、さらなる研究が必要だ」と述べている。
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