2019年02月23日
便秘が、全死亡・心血管イベントリスクと関連
便秘が、全死亡・心血管イベントリスクと関連
提供元:ケアネット 公開日:2019/01/30
便秘は日常診療で最も遭遇する症状の1つであり、アテローム性動脈硬化症の発症と関連している(腸内微生物叢の変化による可能性)が、心血管イベント発症との関連についてはほとんど知られていない。
今回、米国退役軍人コホートにおける研究から、
便秘であることと便秘薬の使用が
それぞれ独立して、
全死因死亡、
CHD(冠動脈疾患)発症、
虚血性脳卒中発症
のリスクと関連していたことを、
米国テネシー大学/虎の門病院の住田 圭一氏らが報告した。Atherosclerosis誌オンライン版2018年12月23日号に掲載。
2004年10月1日〜2006年9月30日(ベースライン期間)に、
推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以上であった米国退役軍人335万9,653例において、
2013年まで(最長10年)追跡し、
便秘の有無(診断コードと便秘薬の使用により定義)・
便秘薬の使用(なし、1種類、2種類以上)と、
全死因死亡率・冠動脈疾患(CHD)発症・虚血性脳卒中発症との関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・335万9,653例のうち、23万7,855例(7.1%)が便秘と同定された。
・人口統計、一般的な併存症、薬物治療、社会経済的地位に関する多変量調整後、
便秘の患者は、便秘ではない患者と比べて
全死因死亡率が『12%』高く
(ハザード比[HR]:1.12、95%CI:1.11〜1.13)、
CHD(狭心症、心筋梗塞)発症率が『11%』
(HR:1.11、95%CI:1.08〜1.14)、
虚血性脳卒中(脳梗塞、脳塞栓)発症率が『19%』高かった
(HR:1.19、95%CI:1.15〜1.22)。
・便秘薬使用なしの患者に比べ、
1種類および2種類以上の便秘薬使用患者のHR(95%CI)はそれぞれ、
全死因死亡率で1.15(1.13〜1.16)および1.14(1.12〜1.15)、
CHD発症率で1.11(1.07〜1.15)および1.10(1.05〜1.15)、
虚血性脳卒中発症率で1.19(1.14〜1.23)および1.21(1.16〜1.26)であった。
(便秘薬服用患者の方が、死亡率、発症率は高いものの、下剤の種類が1種類か2種類以上かには差は見られなかった。管理人追記)
(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Sumida K, et al. Atherosclerosis.2018 Dec 23;281;114-120.
提供元:ケアネット 公開日:2019/01/30
便秘は日常診療で最も遭遇する症状の1つであり、アテローム性動脈硬化症の発症と関連している(腸内微生物叢の変化による可能性)が、心血管イベント発症との関連についてはほとんど知られていない。
今回、米国退役軍人コホートにおける研究から、
便秘であることと便秘薬の使用が
それぞれ独立して、
全死因死亡、
CHD(冠動脈疾患)発症、
虚血性脳卒中発症
のリスクと関連していたことを、
米国テネシー大学/虎の門病院の住田 圭一氏らが報告した。Atherosclerosis誌オンライン版2018年12月23日号に掲載。
2004年10月1日〜2006年9月30日(ベースライン期間)に、
推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以上であった米国退役軍人335万9,653例において、
2013年まで(最長10年)追跡し、
便秘の有無(診断コードと便秘薬の使用により定義)・
便秘薬の使用(なし、1種類、2種類以上)と、
全死因死亡率・冠動脈疾患(CHD)発症・虚血性脳卒中発症との関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・335万9,653例のうち、23万7,855例(7.1%)が便秘と同定された。
・人口統計、一般的な併存症、薬物治療、社会経済的地位に関する多変量調整後、
便秘の患者は、便秘ではない患者と比べて
全死因死亡率が『12%』高く
(ハザード比[HR]:1.12、95%CI:1.11〜1.13)、
CHD(狭心症、心筋梗塞)発症率が『11%』
(HR:1.11、95%CI:1.08〜1.14)、
虚血性脳卒中(脳梗塞、脳塞栓)発症率が『19%』高かった
(HR:1.19、95%CI:1.15〜1.22)。
・便秘薬使用なしの患者に比べ、
1種類および2種類以上の便秘薬使用患者のHR(95%CI)はそれぞれ、
全死因死亡率で1.15(1.13〜1.16)および1.14(1.12〜1.15)、
CHD発症率で1.11(1.07〜1.15)および1.10(1.05〜1.15)、
虚血性脳卒中発症率で1.19(1.14〜1.23)および1.21(1.16〜1.26)であった。
(便秘薬服用患者の方が、死亡率、発症率は高いものの、下剤の種類が1種類か2種類以上かには差は見られなかった。管理人追記)
(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Sumida K, et al. Atherosclerosis.2018 Dec 23;281;114-120.
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