2019年02月18日
緑内障は、成人になって失明にいたる一番頻度の高い怖い病気です
緑内障は、成人になって失明にいたる一番頻度の高い怖い病気です。
『正常眼圧緑内障、未治療のままだと5年で進行』
厚生労働省研究班の調査によると、
我が国における失明原因の第1位を占め、最近、日本緑内障学会で行った大規模な調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人における緑内障有病率は、『5%』、20人に1人が緑内障でした。
しかも発見された緑内障の患者さんのうち、それまで緑内障と診断されていたのは、全体の1割に過ぎませんでした。
9割は症状がないか、緑内障の症状として気づいていない!
眼科を受診されたことがある方なら、空気を目の表面に吹き当てて、「眼圧12mmHgで、正常ですね」と言われたことが、あると思います。
21mmHgを越えると眼圧が高いと、『緑内障』と診断されますが、
緑内障の中でも、眼圧が高くならない、目に痛みが発生しない、正常眼圧緑内障が50%存在します。
一番見えている部分は最後に見えなくなりますが、その周囲からボヤーとして見えづらくなっているのですが、気づかないことが多いようです。
光彩と水晶体の間で作られる房水は眼球のなかを充し、眼球を球状に保つために必要です。
この房水が増えすぎて、視神経がずっと圧迫されていることで、視神経が傷ついてしまいます。
症状としては、視野の欠損(見えない、ピントが合わないところが出てくる)ですが、視野の中心ではなく、その周りの下半分とか上半分とか右半分とかが徐々に見えなくなってきているので、気づいた時には、
知らない間に、はっけりと見えなくなっていて、変性して(死んで)しまった視神経は蘇りません!
発症してからの治療は、それ以上、視力障害、視野欠損を進行させない治療になります。
30歳前後からは、目の検診をお勧めします。
2016年の統計では
1 『緑内障(28.6%!!)』
2 網膜色素変性症(14.0%)
3 糖尿病網膜症(12.8%)
4 黄斑変性(8.0%)
5 網脈絡膜萎縮(4.9%)
この調査は成人の中途失明患者さんの割合を示したもので、患者数の増減は触れていませんが、平均寿命が長くなるにつれて患者総数は増えていると考えられます。
最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、以前のような「緑内障=失明」という概念は古くなりつつありますが、現代医学を駆使しても失明から救えないきわめて難治性の緑内障が存在します。
早期発見・早期治療が失明を減らす!
正常眼圧緑内障、未治療のままだと5年で進行
提供元:ケアネット 公開日:2019/02/05
東京大学の坂田 礼氏らは、
緑内障の進行において、
乳頭出血(DH)の罹患または既往、
長期の眼圧(IOP)変動、および
垂直陥凹乳頭径比(v-C/D)の上昇
が関連していたことを明らかにした。
Ophthalmology誌オンライン版2018年12月31日号掲載の報告。
研究グループは、正常眼圧緑内障(NGT)の自然進行の特徴と進行に関与する危険因子を特定する目的で、未治療の日本人NGT患者に対して『5年間の前向きコホート研究』を行った。
対象患者は、ベースライン時点で未治療、IOPが15mmHg以下のNTG患者であった。視野(VF)検査を3ヵ月ごと、視神経乳頭/乳頭周囲網膜の写真撮影を6ヵ月ごとに行い、未治療のまま追跡調査した。
主要評価項目は、VFおよび視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化とし、ハンフリー自動視野検査のSITA(Swedish Interactive Thresholding Algorithm)プログラム24-2を用いて、3人の研究者が独立して判定した。また、病態進行の評価には生命表解析を用い、Cox比例ハザードモデルにて緑内障の進行におけるリスク因子を解析した。
主な結果は以下のとおり。
・本試験には、90例が登録された(平均年齢:53.9歳、ベースライン時のIOP:12.3mmHg、平均偏差[MD]:−2.8dB)。
・MD slopeの平均値は−0.33dB/年(中央値:−0.23、95%信頼区間[CI]:−0.44〜−0.22)。
・緑内障の5年進行率は、
VFまたは視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化(基準1)が66%(95%CI:55〜78)、
VFの悪化(基準2)が52%(95%CI:37〜60)、
視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化(基準3)が50%(95%CI:38〜71)であった。
・DHの罹患または既往(p<0.001)、
長期のIOP変動(p=0.020)、
およびv-C/Dの上昇(p=0.018)は、基準1における有意な予測因子であった。
・長期のIOP変動(p=0.011)、およびv-C/Dの上昇(p=0.036)は、基準2における有意な予測因子であった。
・DHの罹患または既往(p=0.0018)、および長期のIOP変動(p=0.022)は、基準3における有意な予測因子であった。 (ケアネット)
原著論文はこちら
Sakata R, et al. Ophthalmology. 2018 Dec 31. [Epub ahead of print]
『正常眼圧緑内障、未治療のままだと5年で進行』
厚生労働省研究班の調査によると、
我が国における失明原因の第1位を占め、最近、日本緑内障学会で行った大規模な調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人における緑内障有病率は、『5%』、20人に1人が緑内障でした。
しかも発見された緑内障の患者さんのうち、それまで緑内障と診断されていたのは、全体の1割に過ぎませんでした。
9割は症状がないか、緑内障の症状として気づいていない!
眼科を受診されたことがある方なら、空気を目の表面に吹き当てて、「眼圧12mmHgで、正常ですね」と言われたことが、あると思います。
21mmHgを越えると眼圧が高いと、『緑内障』と診断されますが、
緑内障の中でも、眼圧が高くならない、目に痛みが発生しない、正常眼圧緑内障が50%存在します。
一番見えている部分は最後に見えなくなりますが、その周囲からボヤーとして見えづらくなっているのですが、気づかないことが多いようです。
光彩と水晶体の間で作られる房水は眼球のなかを充し、眼球を球状に保つために必要です。
この房水が増えすぎて、視神経がずっと圧迫されていることで、視神経が傷ついてしまいます。
症状としては、視野の欠損(見えない、ピントが合わないところが出てくる)ですが、視野の中心ではなく、その周りの下半分とか上半分とか右半分とかが徐々に見えなくなってきているので、気づいた時には、
知らない間に、はっけりと見えなくなっていて、変性して(死んで)しまった視神経は蘇りません!
発症してからの治療は、それ以上、視力障害、視野欠損を進行させない治療になります。
30歳前後からは、目の検診をお勧めします。
2016年の統計では
1 『緑内障(28.6%!!)』
2 網膜色素変性症(14.0%)
3 糖尿病網膜症(12.8%)
4 黄斑変性(8.0%)
5 網脈絡膜萎縮(4.9%)
この調査は成人の中途失明患者さんの割合を示したもので、患者数の増減は触れていませんが、平均寿命が長くなるにつれて患者総数は増えていると考えられます。
最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、以前のような「緑内障=失明」という概念は古くなりつつありますが、現代医学を駆使しても失明から救えないきわめて難治性の緑内障が存在します。
早期発見・早期治療が失明を減らす!
正常眼圧緑内障、未治療のままだと5年で進行
提供元:ケアネット 公開日:2019/02/05
東京大学の坂田 礼氏らは、
緑内障の進行において、
乳頭出血(DH)の罹患または既往、
長期の眼圧(IOP)変動、および
垂直陥凹乳頭径比(v-C/D)の上昇
が関連していたことを明らかにした。
Ophthalmology誌オンライン版2018年12月31日号掲載の報告。
研究グループは、正常眼圧緑内障(NGT)の自然進行の特徴と進行に関与する危険因子を特定する目的で、未治療の日本人NGT患者に対して『5年間の前向きコホート研究』を行った。
対象患者は、ベースライン時点で未治療、IOPが15mmHg以下のNTG患者であった。視野(VF)検査を3ヵ月ごと、視神経乳頭/乳頭周囲網膜の写真撮影を6ヵ月ごとに行い、未治療のまま追跡調査した。
主要評価項目は、VFおよび視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化とし、ハンフリー自動視野検査のSITA(Swedish Interactive Thresholding Algorithm)プログラム24-2を用いて、3人の研究者が独立して判定した。また、病態進行の評価には生命表解析を用い、Cox比例ハザードモデルにて緑内障の進行におけるリスク因子を解析した。
主な結果は以下のとおり。
・本試験には、90例が登録された(平均年齢:53.9歳、ベースライン時のIOP:12.3mmHg、平均偏差[MD]:−2.8dB)。
・MD slopeの平均値は−0.33dB/年(中央値:−0.23、95%信頼区間[CI]:−0.44〜−0.22)。
・緑内障の5年進行率は、
VFまたは視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化(基準1)が66%(95%CI:55〜78)、
VFの悪化(基準2)が52%(95%CI:37〜60)、
視神経乳頭/乳頭周囲網膜の悪化(基準3)が50%(95%CI:38〜71)であった。
・DHの罹患または既往(p<0.001)、
長期のIOP変動(p=0.020)、
およびv-C/Dの上昇(p=0.018)は、基準1における有意な予測因子であった。
・長期のIOP変動(p=0.011)、およびv-C/Dの上昇(p=0.036)は、基準2における有意な予測因子であった。
・DHの罹患または既往(p=0.0018)、および長期のIOP変動(p=0.022)は、基準3における有意な予測因子であった。 (ケアネット)
原著論文はこちら
Sakata R, et al. Ophthalmology. 2018 Dec 31. [Epub ahead of print]
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