2019年01月21日
水分摂取と各飲料水の糖分について【実践型!食事指導スライド】
水分摂取と各飲料水の糖分について【実践型!食事指導スライド】
医療機関や企業で、2万件近い食事改善に向けた提案やカウンセリングを行ってきた管理栄養士・浅野まみこ氏がコンパクトにまとめたスライドをお届けします。
公開日:2018/07/04
医療者向けワンポイント解説
水分摂取と各飲料水の糖質比較
1日の水分摂取量の目安として、約1.5〜2.0Lといわれています。これは、コップ1杯を200mLと換算して、8〜10杯ほどです。
水分には、
「酸素や栄養素を運ぶ働き」
「老廃物を排泄する働き」
「血液を循環させる働き」
「汗として体温を調整する働き」
「体液の性状を一定に保つ働き」など多くの働きがあります。
朝、起きがけの1杯から始め、こまめな水分摂取が必要です。
大手2社のスポーツドリンク(ペットボトル500mL)で清涼飲料水の糖質を比較した場合、A社は23.5g、B社は31gでした。
これを1本3gのスティックシュガーで換算すると、
A社は約8本分、B社は約10本分に相当します。
また、最近では、水と間違えてしまうような清涼飲料水もあります。これでは、水分を摂取しているつもりで、糖質を大量に摂取してしまうことになります。
飲料に入っている糖分の問題点は、もう1つあります。裏の表示を見ると「果糖ぶどう糖液糖」「果糖 砂糖」などの表記があります。
果糖(フルクトース)やブドウ糖(グルコース)は単糖類に分類され、それ以上加水分解されない糖のため、体内に入るとすぐに腸管から吸収されます。
また、液糖であることでより吸収がされやすくなります。吸収された糖は、血糖値の急上昇へつながるため、血糖コントロールへの影響、糖化など、生活習慣病のリスクが高くなります。
また、果糖は、内臓肥満やメタボへの影響が強く、米国・カリフォルニア大学デービス校のStanhope氏らは「ヒトにエネルギー比25%のフルクトース(果糖)を10週間摂取させると、内臓脂肪の増加、脂質代謝異常、インスリン抵抗性の発症が引き起こされる」と報告しています1)。
さらに、果糖はグレリンの抑制作用がなく、満腹中枢にも働かないため、その点においても肥満を助長させる大きな要因となります。
空調のきいた室内にいることが多い、運動などをあまりしないなど、大量に汗をかくような環境ではない方や、食事がきちんと食べられている方は、食事から塩やミネラルが摂れるので、水、お茶、麦茶(ミネラル含有)などを中心に水分を摂取してもらいましょう。
まずは清涼飲料水の糖質量の多さを認識してもらうこと、清涼飲料水に多く含まれる果糖摂取のリスクを患者さんに認識してもらうことが大切です。
飲み物を買う際には、原材料名が記載されたラベルの確認を習慣にするよう伝えることもお勧めします。
参考文献
1) Stanhope KL, et al. J Clin Invest. 2009;119:1322‒1334.
浅野 まみこ ( あさの まみこ ) 氏
株式会社エビータ代表取締役・管理栄養士 食生活コンサルタント
[略歴]
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8,000人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発など多方面で活躍中。年間100時間以上の講演を行い、全国をとび回っている。NHKおはよう日本 TBS「名医のTHE太鼓判」をはじめ、フジテレビ「ダイバイヤー」の準レギュラーを務めるなど、メディアや雑誌に多数出演。飲食店や大手食品会社のヘルシー商品の考案や、駅弁やコンビニ商品のプロデュースを担当。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動をしている。
420名以上の隊員が所属する「栄養士戦隊☆」を主催、隊長を務める。夕刊フジ「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」を毎週水曜に連載中。
新著: 『血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)
ホームページ: http://e‒vita.jp/
公式ブログ: http://ameblo.jp/evita/
医療機関や企業で、2万件近い食事改善に向けた提案やカウンセリングを行ってきた管理栄養士・浅野まみこ氏がコンパクトにまとめたスライドをお届けします。
公開日:2018/07/04
医療者向けワンポイント解説
水分摂取と各飲料水の糖質比較
1日の水分摂取量の目安として、約1.5〜2.0Lといわれています。これは、コップ1杯を200mLと換算して、8〜10杯ほどです。
水分には、
「酸素や栄養素を運ぶ働き」
「老廃物を排泄する働き」
「血液を循環させる働き」
「汗として体温を調整する働き」
「体液の性状を一定に保つ働き」など多くの働きがあります。
朝、起きがけの1杯から始め、こまめな水分摂取が必要です。
大手2社のスポーツドリンク(ペットボトル500mL)で清涼飲料水の糖質を比較した場合、A社は23.5g、B社は31gでした。
これを1本3gのスティックシュガーで換算すると、
A社は約8本分、B社は約10本分に相当します。
また、最近では、水と間違えてしまうような清涼飲料水もあります。これでは、水分を摂取しているつもりで、糖質を大量に摂取してしまうことになります。
飲料に入っている糖分の問題点は、もう1つあります。裏の表示を見ると「果糖ぶどう糖液糖」「果糖 砂糖」などの表記があります。
果糖(フルクトース)やブドウ糖(グルコース)は単糖類に分類され、それ以上加水分解されない糖のため、体内に入るとすぐに腸管から吸収されます。
また、液糖であることでより吸収がされやすくなります。吸収された糖は、血糖値の急上昇へつながるため、血糖コントロールへの影響、糖化など、生活習慣病のリスクが高くなります。
また、果糖は、内臓肥満やメタボへの影響が強く、米国・カリフォルニア大学デービス校のStanhope氏らは「ヒトにエネルギー比25%のフルクトース(果糖)を10週間摂取させると、内臓脂肪の増加、脂質代謝異常、インスリン抵抗性の発症が引き起こされる」と報告しています1)。
さらに、果糖はグレリンの抑制作用がなく、満腹中枢にも働かないため、その点においても肥満を助長させる大きな要因となります。
空調のきいた室内にいることが多い、運動などをあまりしないなど、大量に汗をかくような環境ではない方や、食事がきちんと食べられている方は、食事から塩やミネラルが摂れるので、水、お茶、麦茶(ミネラル含有)などを中心に水分を摂取してもらいましょう。
まずは清涼飲料水の糖質量の多さを認識してもらうこと、清涼飲料水に多く含まれる果糖摂取のリスクを患者さんに認識してもらうことが大切です。
飲み物を買う際には、原材料名が記載されたラベルの確認を習慣にするよう伝えることもお勧めします。
参考文献
1) Stanhope KL, et al. J Clin Invest. 2009;119:1322‒1334.
浅野 まみこ ( あさの まみこ ) 氏
株式会社エビータ代表取締役・管理栄養士 食生活コンサルタント
[略歴]
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8,000人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発など多方面で活躍中。年間100時間以上の講演を行い、全国をとび回っている。NHKおはよう日本 TBS「名医のTHE太鼓判」をはじめ、フジテレビ「ダイバイヤー」の準レギュラーを務めるなど、メディアや雑誌に多数出演。飲食店や大手食品会社のヘルシー商品の考案や、駅弁やコンビニ商品のプロデュースを担当。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動をしている。
420名以上の隊員が所属する「栄養士戦隊☆」を主催、隊長を務める。夕刊フジ「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」を毎週水曜に連載中。
新著: 『血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)
ホームページ: http://e‒vita.jp/
公式ブログ: http://ameblo.jp/evita/
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