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2018年07月06日

「睡眠不足でも睡眠過多でも認知,早死」 認知症リスクが高い睡眠時間は?〜久山町研究  日本人高齢者において、 「睡眠時間5時間未満もしくは10時間以上」 「睡眠薬の使用」 が、認知症や死亡の危険因子

「睡眠不足でも睡眠過多でも認知,早死」
認知症リスクが高い睡眠時間は?〜久山町研究
提供元:ケアネット 

 日本人高齢者において、
「睡眠時間5時間未満もしくは10時間以上」
「睡眠薬の使用」
が、認知症や死亡の危険因子
であることが示唆された。

九州大学の小原 知之氏らが久山町研究での調査結果をJournal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2018年6月6日号に報告。

 本研究は前向きコホート研究で、
対象は認知症でない60歳以上の地域在住日本人。

自己申告による1日睡眠期間を、
5群(5.0時間未満、5.0〜6.9時間、7.0〜7.9時間、8.0〜9.9時間、10.0時間以上)に分類し、
Cox比例ハザードモデルを用いて、1日睡眠期間と認知症および死亡リスクとの関連を判定した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中、294人が認知症を発症し、282人が死亡した。
・認知症発症率および全死因死亡率は、
1日睡眠時間が5.0〜6.9時間の参加者に比べ、
5.0時間未満および10.0時間以上の参加者で有意に高かった。

これらの関連は、潜在的な交絡因子調整後も維持された。ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)は以下のとおり。

 睡眠時間5.0時間未満
  認知症 HR:2.64、95%CI:1.38〜5.05
  死亡  HR:2.29、95%CI:1.15〜4.56
 睡眠時間10時間以上
  認知症 HR:2.23、95%CI:1.42〜3.49
  死亡  HR:1.67、95%CI:1.07〜2.60

・アルツハイマー病および血管性認知症でも、同様のU字型の関連が認められた。

・睡眠薬の使用が認知症や死亡リスクに及ぼす影響を調べたところ、
睡眠薬を使用している参加者は、睡眠薬を使用しない1日睡眠時間5.0〜6.9時間の参加者に比べ、認知症リスクが1.66倍、死亡リスクは1.83倍であった。

(ケアネット 金沢 浩子)

原著論文はこちら

Ohara T, et.al. J Am Geriatr Soc. 2018 Jun 6. [Epub ahead of print]
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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