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2018年07月05日

高齢者だけではなく,成人が留意しなければならない食事 食事療法は、75歳以上の後期高齢者ではタンパク質摂取量が少ないほど死亡率が上昇する タンパク質を含む食品、肉や魚、さらに大豆、ミルク・乳製品、豆類などの摂取が推奨 大豆製品や野菜、海藻などの摂取は、認知機能維持に有用

高齢者だけではなく,成人が留意しなければならない食事
「高齢者糖尿病の治療で避けたい治療薬」から
提供元:ケアネット

 2018年5月24日より3日間開催された第61回日本糖尿病学会年次学術集会(学会長:宇都宮 一典)にて「高齢者糖尿病の病態と診療のポイント」をテーマに、井藤 英喜氏(東京都健康長寿医療センター 理事長)が教育講演を行った。

全糖尿病患者の約80%が60歳以上という現実
 わが国の高齢者人口は、全人口の27%を超え、これに伴い60歳以上の糖尿病患者が全糖尿病患者の約80%を占める状況となった。

 食事療法は、75歳以上の後期高齢者ではタンパク質摂取量が少ないほど死亡率が上昇する。

そして、高齢者ではタンパク質摂取量が低下すると筋肉量や筋力が減少し、フレイルやサルコペニアなどの老年症候群が惹起されやすくなるといったことから、

タンパク質を含む食品、肉や魚、さらに大豆、ミルク・乳製品、豆類などの摂取が推奨される。

また、大豆製品や野菜、海藻などの摂取は、認知機能維持に有用
という報告もあるので、高齢者ではとくにこれらの食品の摂取が勧められる。

 運動療法は、定期的な身体活動が代謝異常の是正だけでなく、
生命予後、ADLの維持、認知機能低下の抑制に有用であるとされる。

歩行、水泳などに代表される有酸素運動、スクワット、ダンベルに代表されるレジスタンス運動のほかに、
高齢者糖尿病では、片脚立ちなどのバランス運動が転倒予防に有効であり、これらを絡めて行う必要がある。

 薬物療法では、ガイドライン記載のとおり、「低血糖の防止」「多剤併用への注意」が重要となる。

とくに「低血糖を起こしやすいSU薬、グリニド薬、インスリンの使用はなるべく避け、
使用する場合は、低血糖対策を立て、患者や介護者にその対処法を十分説明しておく必要がある。
また、高齢者はシックデイになりやすいので、低血糖同様にそれへの対応・予防策の教育も大事だ」と同氏は指摘する。

 最後に「高齢者糖尿病患者の診療は、患者のQOLの維持・向上、現在の生活の継続を支援するという視点から考えた治療を行い、患者の生活背景を考慮に入れ、起こりうる有害事象を避けながら治療を継続していくことが重要だ」と同氏は語り、講演を終えた。

(ケアネット 稲川 進)
posted by 田中松平 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 栄養
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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