2018年12月05日
脳卒中の遠隔リハで身体機能が改善
脳卒中の遠隔リハで身体機能が改善
対面、携帯電話、文書などを組み合わせた理学療法士による
在宅遠隔リハビリプログラムをニュージーランドで開発!
通院より、効果が出た!
2018年10月26日 06:00
脳卒中患者の多くは、
入院中のリハビリテーション(以下、リハビリ)により
一定の機能回復は得られるが、
退院後も維持することは容易でなく、
現在の医療制度はリハビリの需要を満たしていない。
そこで、ニュージーランド・Auckland University of Technology, Health & Rehabilitation Research InstituteのDenise Taylor氏らは、
退院した脳卒中患者を対象に、
対面、携帯電話、文書などを組み合わせた理学療法士による在宅遠隔リハビリプログラムAugmented Community Telerehabilitation Intervention(ACTIV)を開発。
その有効性についてランダム化比較試験(RCT)を実施し、
結果を第11回世界脳卒中会議(WSC 2018、10月17〜20日、
モントリオール)で報告した。
「直立して静止」と「腕を使う」の機能改善目指す
在宅遠隔リハビリは、脳卒中患者が標準的なリハビリを受けた後の機能維持・改善を図る手段として注目されており、
日常生活動作や運動機能に対する改善効果は
『病院内で行う従来のリハビリと同等』であるとの報告も見られる。
Taylor氏らが推進しているACTIVは、
主に「直立して静止する」と「腕を使う」
の2機能の改善に主眼を置いた
6カ月間の集中リハビリプログラム。
症例に応じて、エクササイズ中のサポート、エクササイズの回数や環境などについて調整できる。
往診(1、2、12、25週時の計4回)、
電話による指導(1、4、8、16、20週時の計5回)、
文書による指導(最初の10週間は週2回、11〜16週は週1回)で構成される。
同プログラムでは、
脳卒中の専門知識を持つ理学療法士が電話やインターネットを介して、
患者の質問や相談事に対応する。
機能改善はプログラムの50%受けた時点から
Taylor氏らは今回、ニュージーランドの4施設が参加した2アームの並行群間RCTでACTIVによる身体機能の改善効果について検討した。
対象は、新規に脳卒中を発症し
通常のリハビリを受けて退院した20歳以上の患者95例。
層別ブロックランダム化法により通常治療を受ける対照群(48例)とACTIVプログラムを受けるACTIV群(47例)にランダムに割り付けた。
身体機能はプログラム開始直前・直後、および6カ月後に評価した。
追跡期間は12カ月(プログラム終了後6カ月まで)。
主要評価項目は脳卒中リハビリの総合的な健康状態を評価するStroke Impact Scale(SIS)の6カ月後における身体機能スコアとした。
その結果、6カ月後における身体機能スコアは、
intention-to-treat(ITT)解析では2群間に有意差は認められなかったものの、
あらかじめ設定していたper-protocol解析ではACTIV群で有意に改善していた(P=0.04)。
身体機能の改善は、患者がACTIVプログラムの50%を受けた時点から認められた。
なお、ITT解析において、SISの総合評価および包括的な健康関連QOL(HRQOL)を評価するEQ5D VASは、
いずれも対照群に比べてACTIV群で有意に改善していた(順にP=0.01、P=0.04)。
同氏は「ACTIVを受けた脳卒中患者は身体機能の改善を介し、総合的な健康状態の改善に重要な活動性が向上した」と評価。
ただし、プログラム終了後6カ月時点では、ACTIVで得られた改善効果が消失することも判明しており、
「改善効果を維持するためには、6カ月のプログラム終了後も継続的な関与が必要かもしれない」と付言した。
(WSC 2018取材班)
対面、携帯電話、文書などを組み合わせた理学療法士による
在宅遠隔リハビリプログラムをニュージーランドで開発!
通院より、効果が出た!
2018年10月26日 06:00
脳卒中患者の多くは、
入院中のリハビリテーション(以下、リハビリ)により
一定の機能回復は得られるが、
退院後も維持することは容易でなく、
現在の医療制度はリハビリの需要を満たしていない。
そこで、ニュージーランド・Auckland University of Technology, Health & Rehabilitation Research InstituteのDenise Taylor氏らは、
退院した脳卒中患者を対象に、
対面、携帯電話、文書などを組み合わせた理学療法士による在宅遠隔リハビリプログラムAugmented Community Telerehabilitation Intervention(ACTIV)を開発。
その有効性についてランダム化比較試験(RCT)を実施し、
結果を第11回世界脳卒中会議(WSC 2018、10月17〜20日、
モントリオール)で報告した。
「直立して静止」と「腕を使う」の機能改善目指す
在宅遠隔リハビリは、脳卒中患者が標準的なリハビリを受けた後の機能維持・改善を図る手段として注目されており、
日常生活動作や運動機能に対する改善効果は
『病院内で行う従来のリハビリと同等』であるとの報告も見られる。
Taylor氏らが推進しているACTIVは、
主に「直立して静止する」と「腕を使う」
の2機能の改善に主眼を置いた
6カ月間の集中リハビリプログラム。
症例に応じて、エクササイズ中のサポート、エクササイズの回数や環境などについて調整できる。
往診(1、2、12、25週時の計4回)、
電話による指導(1、4、8、16、20週時の計5回)、
文書による指導(最初の10週間は週2回、11〜16週は週1回)で構成される。
同プログラムでは、
脳卒中の専門知識を持つ理学療法士が電話やインターネットを介して、
患者の質問や相談事に対応する。
機能改善はプログラムの50%受けた時点から
Taylor氏らは今回、ニュージーランドの4施設が参加した2アームの並行群間RCTでACTIVによる身体機能の改善効果について検討した。
対象は、新規に脳卒中を発症し
通常のリハビリを受けて退院した20歳以上の患者95例。
層別ブロックランダム化法により通常治療を受ける対照群(48例)とACTIVプログラムを受けるACTIV群(47例)にランダムに割り付けた。
身体機能はプログラム開始直前・直後、および6カ月後に評価した。
追跡期間は12カ月(プログラム終了後6カ月まで)。
主要評価項目は脳卒中リハビリの総合的な健康状態を評価するStroke Impact Scale(SIS)の6カ月後における身体機能スコアとした。
その結果、6カ月後における身体機能スコアは、
intention-to-treat(ITT)解析では2群間に有意差は認められなかったものの、
あらかじめ設定していたper-protocol解析ではACTIV群で有意に改善していた(P=0.04)。
身体機能の改善は、患者がACTIVプログラムの50%を受けた時点から認められた。
なお、ITT解析において、SISの総合評価および包括的な健康関連QOL(HRQOL)を評価するEQ5D VASは、
いずれも対照群に比べてACTIV群で有意に改善していた(順にP=0.01、P=0.04)。
同氏は「ACTIVを受けた脳卒中患者は身体機能の改善を介し、総合的な健康状態の改善に重要な活動性が向上した」と評価。
ただし、プログラム終了後6カ月時点では、ACTIVで得られた改善効果が消失することも判明しており、
「改善効果を維持するためには、6カ月のプログラム終了後も継続的な関与が必要かもしれない」と付言した。
(WSC 2018取材班)
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