2020年06月24日
爺ちゃんの部屋でゲーム
俺が消防の頃の話。
夏休みに家族で婆ちゃんの家に遊びに行くことになって、
俺と兄貴はそのころ流行のスーパーファミコンと、お気に入りのソフトを持って行った。
婆ちゃんの家は周りに山が多い所で、近くには海もある。
消防の時の俺たちにはまさに天国だった。
そして、帰る前日の夜。
俺は飯を兄貴より早く食い終わって、二階に置いてあるスーファミで遊ぼうと思い二階に上がった。
二階には亡くなった爺ちゃんの部屋があって、そこに小さなテレビがあったから、
夜な夜な兄貴と格闘ゲーム(餓狼伝説?だったと思う)でこっそり盛り上がったりしてた。
んで、その部屋に入って俺は一人でゲームしてた。
そしたら10分ぐらいたった頃に、突然ドアが開いて兄貴が入ってきた。
でも階段を上がってくる音がしなかったから、俺は滅茶苦茶ビビって「うおっ!」って叫んでしまったw
でも兄貴は何故か反応もせずに、俺の隣に座ってコントローラーを手に取り出した。
なんだか兄貴の様子が変だったから、「大丈夫?」って聞いたが、それも無視。
で、気がついたらゲームのVSモードにいつの間にか変更されていて、兄貴はキャラをいつのまにか選んでいた。
仕方ないから勝負する事になったんだけど、兄貴滅茶苦茶強いはずなのに、今日は滅茶苦茶弱かったのな。
なぜかガードしかしない。
まぁあのくらいの強さなら俺でも簡単に勝てる訳で、あっさり勝ったよ。もちろん。
んで、やっぱ消防のころだからな、「兄貴弱ええwwwwww」って爆笑しちゃった。
そしたら兄貴、突然泣き出して、「ううう・・・」って言いながら部屋を飛び出してった。「はぁ?なんで泣いてるの?wwww」とか思いながら、部屋飛び出していった兄貴を見ると、
廊下の突き当たりにある窓を開けて飛び降りようとしてんの。
マジでビビって俺が動けない間に、兄貴は窓から飛び降りた。
突然起きたことに腰が抜けて動けなかったので、「おかあさああん!!!!!」って叫んだ。
すぐに婆ちゃんとお袋と親父が二階に凄いスピードで上がってきて、
「どうした?!何があった!!」って聞いてきた。
「兄貴が・・・窓から・・・」
「窓からどうした!?」
「飛び降りた・・・」
それを聞いた親父は、変なものを見る顔で俺にこう言った。
「M(兄貴の名前)なら一階で寝よるぞ」
一階に下りると確かに兄貴は寝ていた。
死んでたってオチは無いよ。俺の勘違いって事で平和的に解決したしな。
でも俺は、アレは勘違いじゃなかったと思う。
確かに兄貴は窓から飛び降りた。
俺が思うにあれ、爺ちゃんの霊が兄貴に化けて出てきたんだろうかなって思ってる。
爺ちゃん俺の顔を一度も見ずに死んじゃったから、驚かせないように、俺が一人の時に兄貴に化けたのかなぁ・・って。
爺ちゃんが泣いてたのは悔しいんじゃなくて、俺と一緒に遊ぶことが出来たからうれし泣きしたのかな・・って思った。
爺ちゃん、会いにきてくれてありがとう。
<感想>
爺ちゃん…だといいんだけど。
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posted by kowaidouga at 09:05| 超怖い話(奇妙編)