2024年03月01日
AAM-4Bは指令による飛しょう停止機能を持つ
■AAM-4Bの仕様書には指令による飛しょう停止機能に関する要求がある
■指令自爆としていないのは弾頭を持たないテレメ弾との絡みだろう
■LOAL可能なアクティブ誘導では飛しょう停止機能は重要
画像引用元: By Motokoka - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96175286
先日、大火力先生(@Military_Hobbys)のサイトを覗いていた際にAAM-4Bの仕様書が公開されていることに気づきました。内容を拝見させていただいたころ、まぁあるだろうなという機能を確認できたので嬉しくなった次第です。
アクティブレーダー誘導でミサイルの誤射を防ぐためには外部指令で飛しょうを停止させる(≒自爆)ことは非常に重要になります。
セミアクティブ誘導の場合、発射されたミサイルを無効化させるのは簡単で、イルミネータの送信を止めれば良いだけです。そうすればミサイルは目標をロストし、そのまま飛しょうを続ければ設定秒時で自爆します。
ミサイルを発射前にロックオン(LOBL)させる赤外線誘導ミサイルの場合は、確実を期すためにミサイルを発射する前、FCSレーダーとのエンゲージを解除してシーカーをセルフトラックさせ、HUDなどでシーカーヘッドポジションを確認して意図する目標をロックオンしていることを確認してから発射することが推薦されています。そのため、ロックオンしてから発射するため誤射する可能性は低いと考えられます。なお、余談ですが海洋事業部のP-1がAGM-65を装備しているのもLOBLできちんと目標をロックオンして打てるからではないかと考えています。
HUDのシーカーポジションが分かる写真が無かったのでGUNモードのHUDの写真
画像引用元: e2a2j - US Navy, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4280111による
Inert AGM-65 Maverick missile of the Swiss Air Force, on display at Payerne Airbase.
画像引用元: By Rama - Own work, CC BY-SA 2.0 fr, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1723166
LOALで発射されるアクティブ誘導ミサイルの場合、発射前に母機から渡されるデータは慣性データだけです。勿論、目標付近まではその慣性データと母機からのUTDC(Up To Data Command)によって飛しょうし、それ以後は自らのシーカーによって目標を捉えます(所謂、空中ロックオン)。
従って、どんな目標を捉えて飛んでいくかはミサイル任せになり、意図しない目標へ向かう可能性もあり得ます。また、STS(Shoot To Shoot)で連続発射した場合、1発目のミサイルで目標を撃破してしまったら、次弾は目標を探して飛び続けるわけです。
そんな際は、誰しもミサイルを無効化したいと考えるでしょう。なので、アクティブ誘導(≒LOAL)の際は外部指令でミサイルを無効化する機能が必須となります。
指令自爆機能については面白いエピソードがあります。
勝手に姉妹サイトである改自衛隊で奏でた交響曲の管理人であらせられるペンギン先生によると、以前開発が行われていた艦対空誘導弾であるXRIM-4がとん挫したのは、運用側が指令自爆機能の搭載を強く望み、ミサイル側は対応できたが、FCS-3側の対応が困難だったため計画が遅延し、Zに因縁つけられてXRIM-4を断念してFCS-3を何とか残したんだそうです。GM開発担当者は恐らく歯ぎしりして悔しがったんでしょう。それから暫くは海洋事業部とGM関連(TRDI)で遺恨が残ったそうです。
ところで、お気づきでしょうか。ミサイルなら指令自爆で良い筈なのに何故わざわざ飛しょう停止なのかと。。。。
仕様書を読み進んでいるとこのミサイルには弾頭の代わりにテレメータ送信装置を積んで、テレメータ弾化出来るようになっています。つまり弾頭を積まない場合があるのです。そのため、自爆以外で飛しょう停止させる必要があるのでしょう。
では、どのような手段で飛しょう停止させるのか。
引用元: https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/soubiseisakugijutu/introduction2020_en.pdf
写真は無人標的機のJ/AQM-1ですが、以下の2つの緊急飛しょう停止モードを持っています。
EMER 1
エンジンを停止させ、螺旋操舵により廃棄
EMER 2
EMER 1が不可能な場合、カートリッジ・アクチュエータにより強制的に操舵して廃棄
固体ロケットモーターを使うミサイルの場合、エンジンの停止は出来ないでしょうから、恐らくここで上げたEMER 2のような方法で飛しょう停止させるのでしょう。ただ、実弾であれば鹵獲を防ぐためにも指令自爆で良いと思います。
■指令自爆としていないのは弾頭を持たないテレメ弾との絡みだろう
■LOAL可能なアクティブ誘導では飛しょう停止機能は重要
画像引用元: By Motokoka - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96175286
先日、大火力先生(@Military_Hobbys)のサイトを覗いていた際にAAM-4Bの仕様書が公開されていることに気づきました。内容を拝見させていただいたころ、まぁあるだろうなという機能を確認できたので嬉しくなった次第です。
2.7.1 機能
b)誘導及び目標追尾
7) 飛しょう停止
AAM-4Bは飛しょう停止指令を受けた場合、飛しょうを停止する。
引用元: 99式空対空誘導弾(B)仕様書(CPS-U13200-4)
アクティブレーダー誘導でミサイルの誤射を防ぐためには外部指令で飛しょうを停止させる(≒自爆)ことは非常に重要になります。
セミアクティブ誘導の場合、発射されたミサイルを無効化させるのは簡単で、イルミネータの送信を止めれば良いだけです。そうすればミサイルは目標をロストし、そのまま飛しょうを続ければ設定秒時で自爆します。
ミサイルを発射前にロックオン(LOBL)させる赤外線誘導ミサイルの場合は、確実を期すためにミサイルを発射する前、FCSレーダーとのエンゲージを解除してシーカーをセルフトラックさせ、HUDなどでシーカーヘッドポジションを確認して意図する目標をロックオンしていることを確認してから発射することが推薦されています。そのため、ロックオンしてから発射するため誤射する可能性は低いと考えられます。なお、余談ですが海洋事業部のP-1がAGM-65を装備しているのもLOBLできちんと目標をロックオンして打てるからではないかと考えています。
HUDのシーカーポジションが分かる写真が無かったのでGUNモードのHUDの写真
画像引用元: e2a2j - US Navy, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4280111による
Inert AGM-65 Maverick missile of the Swiss Air Force, on display at Payerne Airbase.
画像引用元: By Rama - Own work, CC BY-SA 2.0 fr, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1723166
LOALで発射されるアクティブ誘導ミサイルの場合、発射前に母機から渡されるデータは慣性データだけです。勿論、目標付近まではその慣性データと母機からのUTDC(Up To Data Command)によって飛しょうし、それ以後は自らのシーカーによって目標を捉えます(所謂、空中ロックオン)。
従って、どんな目標を捉えて飛んでいくかはミサイル任せになり、意図しない目標へ向かう可能性もあり得ます。また、STS(Shoot To Shoot)で連続発射した場合、1発目のミサイルで目標を撃破してしまったら、次弾は目標を探して飛び続けるわけです。
そんな際は、誰しもミサイルを無効化したいと考えるでしょう。なので、アクティブ誘導(≒LOAL)の際は外部指令でミサイルを無効化する機能が必須となります。
指令自爆機能については面白いエピソードがあります。
勝手に姉妹サイトである改自衛隊で奏でた交響曲の管理人であらせられるペンギン先生によると、以前開発が行われていた艦対空誘導弾であるXRIM-4がとん挫したのは、運用側が指令自爆機能の搭載を強く望み、ミサイル側は対応できたが、FCS-3側の対応が困難だったため計画が遅延し、Zに因縁つけられてXRIM-4を断念してFCS-3を何とか残したんだそうです。GM開発担当者は恐らく歯ぎしりして悔しがったんでしょう。それから暫くは海洋事業部とGM関連(TRDI)で遺恨が残ったそうです。
ところで、お気づきでしょうか。ミサイルなら指令自爆で良い筈なのに何故わざわざ飛しょう停止なのかと。。。。
仕様書を読み進んでいるとこのミサイルには弾頭の代わりにテレメータ送信装置を積んで、テレメータ弾化出来るようになっています。つまり弾頭を積まない場合があるのです。そのため、自爆以外で飛しょう停止させる必要があるのでしょう。
では、どのような手段で飛しょう停止させるのか。
引用元: https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/soubiseisakugijutu/introduction2020_en.pdf
写真は無人標的機のJ/AQM-1ですが、以下の2つの緊急飛しょう停止モードを持っています。
EMER 1
エンジンを停止させ、螺旋操舵により廃棄
EMER 2
EMER 1が不可能な場合、カートリッジ・アクチュエータにより強制的に操舵して廃棄
固体ロケットモーターを使うミサイルの場合、エンジンの停止は出来ないでしょうから、恐らくここで上げたEMER 2のような方法で飛しょう停止させるのでしょう。ただ、実弾であれば鹵獲を防ぐためにも指令自爆で良いと思います。
トゥーボブス 48-172 1/48 AIM-9/AIM-120 CATM/ACMI マーキング 価格:1782円 |
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