2020年07月04日
【長寿の秘訣】ご長寿と王室皇室の食事
100歳の方々に対しておこなったあるアンケート調査によると、約9割の食事で卵や豆腐などのたんぱく質を摂取しています。長寿の秘訣に食事を挙げた方々は5割以上となり、特によく食べられていたものは、卵、豆腐、牛乳などの乳製品、ハムやソーセージ、ベーコンなどの肉類、タイや鮭などの魚介類となり、たんぱく質を含む食材が上位を占めています。年を取ると肉や魚よりも、あっさりしたものを食べたくなると思われがちですが、長寿の方々はたんぱく質を積極的に摂取していることになります。
たんぱく質は、重要な栄養素です。体が出来上がった人でも、体を構成するたんぱく質全体のうちの約3%のたんぱく質が、代謝されて入れ替わっています。そのため、成長期の子どもだけではなく、高齢者も毎日たんぱく質を摂取しなければ、体を維持することが出来ません。高齢者にとって、低栄養は健康上の大きな問題のひとつになっています。高齢者の風邪の原因は、低栄養による免疫力の低下であると考えられています。高齢者はたんぱく質が特に不足しがちです。
その他に長寿の秘訣として、腹八分目や好き嫌いなく何でも食べる、3食をきちんと食べることを心がける一方、好きなものだけを食べるという意見も少なからず見受けられます。
一時期は、ギネスブックに120歳という史上最高齢の男性として、泉重千代さんが掲載されていました。後に証拠が不十分のため、記録は取り消されましたが、泉重千代さんが在住する鹿児島県の徳之島が、長寿の島として有名になりました。100歳を超える歳になっても、元気に暮らすことができた秘訣は、鹿児島県徳之島に長寿に必要な食材が整っていたからのようです。その食材とは、卵や豚肉、トビウオやイワシ、サバなどの魚介類、大豆、アオサなどの海藻類、サツマイモ、サトウキビ、パパイヤ、そして白米とサツマイモ、砂糖を発酵させた飲料などです。徳之島のミネラルをたくさん含んだ水も欠かせません。
人類史上、最も長生きしたとされ、ギネスブックに認定された女性は、ジャンヌ・カルマンさんです。1875年にフランスで生まれ、1997年に122歳で亡くなりました。ジャンヌ・カルマンさんは、生前ゴッホに会ったことのある女性として一躍有名となり、世界中から長寿の秘訣たる食生活を知りたいと注目されました。ジャンヌ・カルマンさんの食生活は、野菜が嫌いで、好きなものしか食べなかったようです。その好きなものとは、チョコレートと赤ワインです。この2つを生涯欠かさず、さらには1週間で1sのチョコレートを食べていたようです。昨今の研究で明らかなように、チョコレートや赤ワインには、抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれており、この成分が長寿に影響したのかもしれません。また、チョコレートの原材料となるココアバターは脂質でありながら、コレステロール値の上昇を防ぐ効果があり、少量で効率よく栄養素を摂取する点において、チョコレートはとても優れております。ジャンヌ・カルマンさんの長寿のもうひとつの秘訣は、常に前向きだったということです。大切なご家族を失っても、気持ちを切り替え、ストレスをため込まず楽観的に過ごしていたそうです。
119歳まで生き、世界で2番目に長寿としてギネスに登録されているアメリカ人女性のサラ・ナウスさんも、好きなものはチョコレートで、嫌いなものは野菜です。長寿の秘訣は、年齢を気にせず、嫌いな野菜を無理して食べないことだそうです。
117歳まで生き、世界で3番目に長寿としてギネスに登録されている日本人女性の田島 ナビさんは、鹿児島県喜界町に在住していました。長寿の秘訣は、1日3回の食事は欠かさないことです。
即位する時期にも左右されますが、在位期間の長い君主としてはイギリスのエリザベス女王があげられます。イギリスの君主という地位であれば、最高のシェフと最高の食材による豪華絢爛な食事を召し上がっていると思いますが、健康的な食生活をされているようです。エリザベス女王は、旬の食材にこだわった少なめの食事を4回とり、お好きなものはカカオが60%以上含まれるダークチョコレート、アフタヌーンティーにサーモンのサンドイッチ、ランチやディナーでは、魚のグリル焼きをよく召し上がるそうです。
日本に目を向けると昭和天皇は、いもやかぼちゃ、サンマ、イワシ、アジなどの青魚、うなぎの蒲焼きを好まれ、宮中に届けられるマツタケやしば漬、茶漬用うなぎなども楽しみにされていたようです。サンマやイワシ、サバのような大衆魚は、本来皇室の食卓にのぼらなかったようですが、戦時中の物資不足の影響で、献立の常連となり、天皇はとても気に入られました。一方、好まれなかったものは、酸味のきいた味付けで、洋食にレモンをつけても使われず、塩分の高いものや辛いものも苦手となり、食が進まないときはふりかけをかけて召し上がったようです。なお、天皇は基本的に好きなものそうでないものを仰らないため、料理人が天皇の食事の様子から推し量ったようです。朝食は洋食が中心で、オートミール(大麦を使った西洋風のおかゆ)やパン、サラダ、果物などを召し上がり、時間は朝食が8時、昼食が12時、夕食が18時と決まっていました。
アンケート結果や長寿の方々の食事から導かれる長寿の秘訣としては、卵や豆腐などの大豆製品、乳製品、肉、魚からたんぱく質を積極的に摂取することです。たんぱく質は、重要な栄養素となり、毎日たんぱく質を摂取しなければ、体を維持することが出来ません。
また、腹八分目にすること、3食をバランスよくきちんと食べること、我慢するストレスを回避するためにチョコレートなど好きなものを適量食べることも重要です。
長寿の秘訣を参考に健康的な食生活を実践してみませんか。
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