2020年11月27日
【創造性の追求】ヌーベルキュイジーヌ
ヌーベルキュイジーヌとは、1960〜70年代にフランスで創作されたフランス料理の新しい料理法です。伝統的な高級フランス料理オートキュイジーヌは、こってりとした濃厚な味わいで、いかにも贅沢な雰囲気に対し、ヌーベルキュイジーヌは食材のもつ自然な風味を重視しています。
ヌーベルキュイジーヌの確立に大きな影響を与えたのは日本料理でした。バターやクリームを使用したソースが、食材を覆うそれまでのフランス料理から、現代の健康志向の生活スタイルに合わせるという流れのきっかけとなりました。
ヌーベルキュイジーヌの特徴は、料理を過度に複雑化せずにできるだけシンプルにすること、食材の持っている本来の味が損なわれないよう加熱調理時間を短縮し、自然の味を残すこと、市場でできるだけ新鮮な食材を選び、その食材の料理を考えること、肉などに施す過度な熟成をやめること、濃くて重いソースではなく、脂肪分を控えたソースを用いること、新しい調理技法を取り入れること、そして料理の創造性を追求することです。
ヌーベルキュイジーヌとは、1960〜70年代にフランスで創作されたフランス料理の新しい料理法です。新鮮さやすっきりとした風味を特徴としています。伝統的な高級フランス料理はこってりとした濃厚な味わいで、いかにも贅沢な雰囲気に対し、ヌーベルキュイジーヌは食材のもつ自然な風味を重視しています。
油脂や砂糖などの糖質、精製された穀物、塩分の多い食事は、健康に良くないという立場から、こうした成分の使用を最小限に抑えています。盛りつけには、日本料理が影響しています。基本となる特徴は、ソースのとろみに小麦粉と油脂を合わせて加熱したルーを用いず、野菜や果物のピューレでとろみをつけること、大きな皿に斬新な組み合わせの少量の食材を芸術的に盛りつけること、食材の入手先を重視すること、細部への徹底したこだわりなどです。肉や魚介類との組み合わせで、キウイフルーツやラズベリー、マンゴーなどの果物を使うことも多々あり、果実酢も調味料として好んで使われます。
ヌーベルキュイジーヌという言葉は、ポール・ボキューズをはじめとするフランス料理のシェフたちがつくり出した新しい料理のスタイルを表す用語として、フランスの料理評論家が考案しました。ポール・ボキューズは世界でいちばん有名な料理人と言われ、1926年にリヨン近郊で生まれました。ボキューズ家はもともと料理人の家系で、ポール・ボキューズも16歳になると料理人としての修行を始めます。リヨンやパリをはじめ、1950年にヴィエンヌ県の超一流レストラン「ラ・ピラミッド」の厨房で修行を続けます。ポール・ボキューズは、このレストランで「もっとバターを!」という名言を残した史上最高と評されるフランス料理のシェフ、フェルナン・ポワンの薫陶を受けました。1959年に実家の「ポール・ボキューズ」を継ぐと、店は1961年に早くもミシュランガイドの1つ星に輝きます。さらに1965年になると初の3つ星を獲得しています。1970年代になると、ポール・ボキューズは辻調理師専門学校の招聘で来日します。このときに懐石料理や京料理に触れ、そこから季節ごとの素材を活かす調理法、料理にふさわしい器を用いた美しい盛りつけの方法を学びました。ポール・ボキューズは、フランスに戻るとこの技法を自身のレストランで提供する料理に取り入れ、ヌーベルキュイジーヌの旗手となりました。
1970年代にブームとなったヌーベルキュイジーヌは、当時画期的で、世界の料理の話題の中心となりました。しかし、中には伝統的なフランス料理から大きく外れた料理も横行し、世間の評価から賛否を巻き起こしました。
というのは、伝統技法に新たな技法を取り入れることから逸脱し、食材を塩で焼いただけの料理をヌーベルキュイジーヌと言い提供するお店が出現したからです。最終的にヌーベルキュイジーヌは、ただの手抜きと評されることもありました。この状況で、ヌーベルキュイジーヌを正面から否定し、完全に背を向けるシェフも現れ、流行の見せかけだけの料理といった声もあがり、フランス料理界は混乱しました。
このような混乱を背景に古典回帰の運動が起こり、長い年月の中で築き上げられた伝統的なフランス料理こそ神髄とされ、あくまで伝統技法を土台としながら、新しい技法を融合させていくというスタイルが提唱されました。この代表的なシェフが、ジョエル・ロブションやアラン・デュカス、ピエール・ガニェールです。再びバターや伝統的なソースの重要性が認識され、いずれも三ツ星シェフとして世界的な名声を博しました。
フランスの伝統的高級料理は、オートキュイジーヌといいます。1900年頃にフランス人シェフのオーギュスト・エスコフィエがそれまでの宮廷料理などを集大成し、スタンダードとして確立させました。
エスコフィエが確立したオートキュイジーヌは、現代でもフランス料理の基礎とされており、著書「料理の手引き」はバイブル化されています。元々が宮廷料理のため、濃厚でこってりしたソースが主体の料理です。オートキュイジーヌが、あまりにも洗練された料理体系であったため、料理人の自由な発想を制限してしまう大きな壁として、立ちはだかっていました。
そこに突如として現れた新しいブームが、ヌーベルキュイジーヌです。食材の自然な味を重視し、脂や塩分を抑えた身体に良い料理方法は、オートキュイジーヌを部分的に否定するものでした。盛り付けにも徹底的にこだわり、大きな器に斬新な食材を少量盛り付けるといった方法は、料理自体を芸術の域に高めたという違いがあります。
ヌーベルキュイジーヌの確立に大きな影響を与えたのは日本料理でした。バターやクリームを使用したソースが、食材を覆うそれまでのフランス料理から、現代の健康志向の生活スタイルに合わせるという流れのきっかけとなりました。つまり、食材やソースを何層にも重ねていく従来のフランス料理に、日本料理が多大な影響を与えたのです。
ヌーベルキュイジーヌには、いくつかの特徴があります。
ひとつは、料理を過度に複雑化することをやめ、できるだけシンプルにすることを目指します。次に食材の持っている本来の味が損なわれないよう加熱調理時間を短縮し、自然の味を残すことを心がけます。3つ目は、流通が発展したことにより、新鮮な食材が市場に並ぶようになったため、市場でできるだけ新鮮な食材を選び、その食材の料理を考えるということです。新鮮な食材をシンプルな方法で調理するという考え方は、メニューの簡素化にもつながりました。4つ目は、肉などに施す過度な熟成をやめることです。これまでのフランス料理は、ギリギリまで肉を熟成させる方法が採られていました。これは鮮度の良くない食材を美味しく食べるための苦肉の策でもありました。流通の進歩で新鮮な食材が入手できるようになったこともあり、過度な熟成は徐々になくなりました。5つ目は、濃くて重いソースではなく、脂肪分を控えたソースを用いることです。ソースが主役のフランス料理は、ソースにとろみを付けるために小麦粉とバターを使用したルーを用いていました。ヌーベルキュイジーヌでは、野菜や果物のピューレでとろみを付け、脂肪分を控えたソースを用います。6つ目は、新しい調理技法を取り入れることです。食材の持つ本来の味を活かし、シンプルな料理を作るため、ヌーベルキュイジーヌでは新しい調理技法や器具も積極的に取り入れています。食材の食感に影響し、パフォーマンスで食べる人が驚きを感じる液体窒素や海藻の成分であるアルギン酸ナトリウムを用いた料理、さらには泡状化機器や粉砕加熱器、冷凍粉砕器なども使用されています。最後は、料理の創造性を追求することです。オートキュイジーヌがあまりにも完成されたものだったため、料理人は創造性を失っていました。ヌーベルキュイジーヌでは、絶えず創作意欲を燃やすことに注力しています。
ヌーベルキュイジーヌとは、1960〜70年代にフランスで創作されたフランス料理の新しい料理法です。伝統的な高級フランス料理オートキュイジーヌは、こってりとした濃厚な味わいで、いかにも贅沢な雰囲気に対し、ヌーベルキュイジーヌは食材のもつ自然な風味を重視しています。
ヌーベルキュイジーヌの確立に大きな影響を与えたのは日本料理でした。バターやクリームを使用したソースが、食材を覆うそれまでのフランス料理から、現代の健康志向の生活スタイルに合わせるという流れのきっかけとなりました。
ヌーベルキュイジーヌの特徴は、料理を過度に複雑化せずにできるだけシンプルにすること、食材の持っている本来の味が損なわれないよう加熱調理時間を短縮し、自然の味を残すこと、市場でできるだけ新鮮な食材を選び、その食材の料理を考えること、肉などに施す過度な熟成をやめること、濃くて重いソースではなく、脂肪分を控えたソースを用いること、新しい調理技法を取り入れること、そして料理の創造性を追求することです。
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