2020年11月11日
【会社の価値観と存在意義】経営理念と企業理念
経営理念とは、企業の創業者や経営者が示す企業の経営や活動に関する基本的な考え方、価値観、思いを指しています。
経営理念は、つくって終わりではありません。社会や消費者、社員に理解してもらうため、根気よく浸透させていく必要があります。
経営理念という言葉は、抽象的なものです。企業ごとに異なる経営理念が掲げられているため、意味のイメージはできても正しく説明できる人は多くありません。経営とは、事業目的を達成するために継続的かつ計画的に意思決定を行い、実行に移し、事業を管理遂行することとされています。理念とは、ある物事についてこうあるべきという基本的な考え方、価値観、思いのことです。
良い経営理念とは、中身がしっかりしていること、自社の状況に適合していること、成長性を示唆していること、わかりやすいものであること、一貫性が保たれていること、社会貢献するものであることなどです。
経営理念を活用するメリットとしては、自社の向かう方向性をはっきりさせること、社員の意識や価値観が統一されることで一体感が醸成されること、一体感から社員のモチベーションが向上すること、自社に適した人材を採用することができることです。
強い企業づくりには経営理念は不可欠です。
企業理念は、経営理念と広い意味で取られれば同じですが、厳密にはニュアンスが若干異なります。経営理念は、企業の創業者や経営者が示す企業の経営や活動に関する基本的な考え方、価値観、思いを表しています。企業理念は、会社が大切にする考え方や価値観、存在意義を表したものです。全社員が共有し、会社における行動や意思決定の基準となるもので、経営理念を企業理念に反映させるのが一般的です。企業理念は、経営者が変わったとしても、長期にわたって受け継がれる不変的かつ持続的なものです。
・日清食品
日清食品の企業理念の1つ目は、「食足世平(しょくそくせへい)」です。つまり、食が足りてこそ世の中が平和になるということです。食は人間の命を支える一番大切なものです。文化も芸術も思想も、すべては食が足りてこそ語れるものです。食のありようが乱れると、必ず国は衰退し、争いが起こります。食が足りて初めて世の中が平和になるのです。日清食品グループの事業は、人間の根源から出発しています。
2つ目は、「食創為世(しょくそういせい)」です。すなわち、世の中のために食を創造するということです。企業にとって最も大切なものは、創造的精神です。創造とは、新しい発想と技術によって革新的な製品を生み出す力です。食を創り、世の為につくすことで、日清食品グループは、世の中に新しい食の文化を創造し、人々に幸せと感動を提供します。
3つ目は、「美健賢食(びけんけんしょく)」です。美しく健康な身体は賢い食生活からという意味です。空腹を満たし、味覚を満足させたいと思うことは、人間共通の欲求です。しかし、食に求められるのはそれだけではありません。美しい体をつくり、健康を維持することが、食品のもつ大切な機能です。美しく健康な体は賢い食生活からつくられます。日清食品グループは、食の機能性を追求し、世の中に賢食を提唱します。
4つ目は、「食為聖職(しょくいせいしょく)」です。食の仕事は、聖職であるということです。食は人々の生命の根源を支える仕事です。食の仕事に携わる者は、社会に奉仕するという清らかな心を持って、人々の健康と世界の平和に貢献していかなければなりません。食の仕事は聖職なのです。安全でおいしくて体にいい食品を世の中に提供していくことが、日清食品グループの使命です。
・味の素
味の素グループの理念は、「私たちは、地球的な視野にたち、"食"と"健康"、そして明日のよりよい生活に貢献します。」です。
味の素グループの事業目標は、「食関連事業、アミノ酸を中心としたファインケミカル事業・医薬品事業を経営の柱として、地球上の人々に貢献する世界企業をめざします。」です。事業姿勢は、「つねに お客様第一を心がけ、豊かな創造性とすぐれた技術により、安全で高品質な商品、サービスを提供します。」です。経営姿勢は、「お客様、株主、地域社会、取引先、社員等全ての利害関係者を尊重し、簡明迅速な意志決定と公正で透明性の高い経営を行うとともに、株主への適正な利潤の還元と永続的な企業価値の増大を図ります。」です。社会的役割は、「良き企業市民として責任を自覚し、社会との調和をはかり、その発展に貢献します。」です。企業風土は、「一人ひとりが、自らを高め、創造的で自由闊達な、活力ある集団をめざします。」です。
・桃屋
桃屋の企業理念は、良品質主義と広告宣伝主義です。「常にお客様のために、良品質な商品をお届けするとともに、お得意先様・仕入先様・社員・株主様、そして社会に対して良品質な会社でありつづけます。」、「粋であたたかい桃屋の味、おいしく楽しい桃屋の味をお伝えします。」です。
桃屋の使命は、「桃屋は、自然の恵みを大切に、安心安全で、おいしい商品を提供します。」、「桃屋は、伝統の食文化に新しい価値を添えて未来に継承します。」、「桃屋は、親しみと楽しさと感動を食卓にお届けします。」です。
・エスビー食品
エスビー食品の企業理念である「真の顧客満足の追求」とは、お客様の声にしっかりと耳を傾け、お客さまにとっての価値を知り、それに応え続けることであり、お客様の視点に立った企業活動をとり続けることです。そして、「お客様に満足していただくこと」が私達の何よりの喜びです。
エスビー食品3つのCSとは、顧客満足のConsumer Satisfaction、お得意先様をパートナーとし、すべての活動をお客様視点に立って展開する意のCommunication System、そして、お客さまの声と社員の絆を大切に。感動をキーワードとした社内外のコミュニケーションに努めるの意のCreative & Speedyです。物を作り出すメーカーとしての創造力と、お客さまの変化に応えていくための速度と柔軟性を重視しています。
経営指針は、SPICE & HERBのコーポレートシンボルのもと、スパイス・ハーブを核とすることで構造を変革し、盤石な企業基盤を作るです。豊かな可能性を持つ「スパイス & ハーブ」を核とし、心と身体に安らぎや潤いのある生活や新たな食文化の創造を通じて 皆様のお役に立ちたいというマインドを表現しています。
企業風土としては、社員の自律(自由・規律)を重視し、日頃の地道な努力を大切にしています。さらにさまざまな場面におけるコミュニケーションを大切にし、お客様に感動を与える新たな価値の創造をめざしています。
・永谷園
永谷園の企業理念は、「味ひとすじ」です。味ひとすじとは、「創意と工夫で商品を考え、創り出すこと」、「お客さま実感、満足していただく「おいしさ」を提供し続けること」、「食を通じて幸せで豊かな社会づくりに貢献していくこと」です。
企業行動指針は、以下の内容です。
1 商品・サービスの安全性の確保
永谷園グループは商品・サービスの安全性を確保することを全てに優先します。商品・サービスの安全性を確保するために、食品関連の各種法令の遵守はもとより、原材料購買から製造、流通、販売に関わる全ての段階において必要な安全基準を定め、これを遵守させるための各種チェック・システムを構築し運用します。
2 社会的規範の遵守
永谷園グループは、その事業活動にあたって法令その他の社会的規範を遵守し、公明かつ公正に行動します。社会的秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、常に危機管理意識を持ち、組織的に毅然とした対応を徹底します。政治、行政との関係は、健全かつ正常な関係を保ちます。
3 企業情報の管理
永谷園グループは、社会とのコミュニケーションを重視し、事業活動に関わる、社会にとって有用な情報を適切かつタイムリーに開示します。法令、規則などに基づき必要とされる諸書類の作成を正確かつ明瞭に行い、それらを適正に管理、保管します。企業秘密情報は管理の徹底に努め、インサイダー取引規制等に反することのないよう、入手、利用、開示に際して、適正な内部管理を行います。
4 ステークホルダー(顧客、取引先、株主、社員等)の立場の尊重
永谷園グループはステークホルダーの立場を尊重し、長期的な信頼関係を築き、企業の発展につなげます。
5 環境問題への取り組み
永谷園グループは環境に関する法令などの遵守はもとより、環境保全を推進していくための体制を構築し、地球環境への負荷軽減に継続的に取り組みます。環境保全に配慮した開発・生産に取り組み「環境に負荷の少ない商品・サービス」を社会に提供します。廃棄物の削減、リサイクルの推進および省資源・省エネルギーに努め、目標を掲げ「環境問題へ真剣に取り組む事業所」を目指します。社員一人ひとりが前向きに環境問題を考え、「環境問題へ真剣に取り組む社員」としての誇りを持ちます。
6 社員の人格・個性の尊重
永谷園グループは、安全で働きやすい環境を確保するとともに、社員の人格、個性を尊重します。社員の主体性を重んじ、創造性を最大限発揮できる企業風土づくりに努めます。
7 知的財産の尊重
永谷園グループは、産業財産権、著作権、営業秘密などの知的財産の重要性を認識し、自らの権利の保護に全力を尽くすとともに、他者の権利も尊重します。
経営理念とは、企業の創業者や経営者が示す企業の経営や活動に関する基本的な考え方、価値観、思いを指しています。経営理念は、つくって終わりではありません。社会や消費者、社員に理解してもらうため、根気よく浸透させていく必要があります。
経営理念を活用するメリットとしては、自社の向かう方向性をはっきりさせること、社員の意識や価値観が統一されることで一体感が醸成されること、一体感から社員のモチベーションが向上すること、自社に適した人材を採用することができることです。
企業理念は、経営理念と広い意味で取られれば同じですが、厳密にはニュアンスが若干異なります。経営理念は、企業の創業者や経営者が示す企業の経営や活動に関する基本的な考え方、価値観、思いを表しています。企業理念は、会社が大切にする考え方や価値観、存在意義を表したものです。全社員が共有し、会社における行動や意思決定の基準となるもので、経営理念を企業理念に反映させるのが一般的です。企業理念は、経営者が変わったとしても、長期にわたって受け継がれる不変的かつ持続的なものです。
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